可愛い兎の子最近うちの寮生で兎の獣人の子がどこぞの三年生にお世話になってる噂を耳にした
ずーっとニコニコしてた子だったのにここ最近の笑顔がぎこちない。
『ねぇ〜どうしたの?最近顔変だよ!』
「あ、イズナさん…多分疲れてるんですかね…はは」
『最近他寮の三年生と仲良くしてもらってるみたいだけど…その人達に良くしてもらってるのかな?』
「あっ…えと…」
ビクッと身体を強張らせた
顔も引き攣ってる…
噂は本当みたいだ
『もーそんな泣きそうな顔しないでよ〜同じ小動物仲間なんだから!齧ったりしないよ!』
ハハハ…と今にも消えそうな声で笑う兎の子…
この子とっても可愛いしいい子なんだよねぇ
可愛い後輩の面倒は、同じ寮生の仕事だから他寮の先輩にはお断りしておこうっと
『今度その先輩に僕からお礼言っておくねぇ』
「え!ちょっ…イズナさん!」
後ろで何か言ってるけど聞こえないフリをしてその場を後にした
2日後 -食堂-
『あ、ラギーあの人。あそこの三年生』
「んー?」
『この間からうちの一年生が"お世話になってる人"だよ』
「あぁ、うちの可愛い兎ちゃんを"面倒見てくれてる人"っスねぇ…」
『どうする?今から僕お礼してこようか』
「んー…いや、一旦王様に"二人で"お礼していいか許可取りに行きましょ」
『はーい』
その日の夜、兎の子はいつもの笑顔で僕におやつをくれた。
『なんか嬉しい事でもあったー?』
「はい!サバナクロー寮生で良かったって思える事がありました」
『そっかそっか!それは嬉しい事だね!
嬉しい事あった時はお肉食べよう!』
「イズナさん僕…草食…」
『ニクタベル』
「はい…」
こんな僕を慕ってくれる数少ない後輩は大切にしないとね
いっぱい食べて大きくなるんだよ
可愛い兎の子。