授業受けてるだけ4限目 『魔法薬学』
「さて仔犬共、残りの15分は昨日話した通り小テストだ」
教室で頭を抱える生徒、ブーイングをする生徒…色んな反応が起こる教室の中僕は今、空腹と戦っている…
(クゥゥ…)
身体を捻ったりしながらなるべく最小の音を僕はキープしている…
『小テストの最中は静かすぎるから…絶対鳴り響く…』
「何か質問はあるかないなら始めるぞ」
そだ!
『先生ー!多分僕のお腹が鳴り響いて皆集中できなくなると思うからちょっとだけ齧っていいですか!!!』
「ダメだ」
ピシャリと三言で却下…
『知らないからね!怒らないでよ!生理現象だからね!!』
「Be quiet イズナ・マッキ、大人しくしていろ。」
クルーウェルの「スタート」の合図で教室は静まり返った。
聞こえてくるのはペンを走らせる音…クラスメイトの答えを絞り出すために唸る声…それと……
(グッ…ググゥゥッッ!)
地鳴りの様な盛大な僕のお腹の音
「イズナ・マッキ!我慢しろ」
『できたらやってるよぉ…』
なるべく音を出さない様に気をつけるけど…
(グォォォォ…ググゥゥッッグルルルル…)
「マッキ!」
『無理無理無理!僕じゃ止められない!止められるのはご飯だけ!』
「あと数分我慢しろ、おりこうに出来れば昼は俺が奢ってやろう」
え!やった!ラッキー!
(グッ!)
「腹で返事をするな!」
それから残り5分…僕はご飯の為に意地でもお腹を鳴らさなかった…。
お昼はたまにしか食べられないデラックスメンチカツサンドを三つ買ってもらった。
おいしかったです。
おわり。