推しカプができる話その日何となく良いことが起こる気がした。
「ハイハーーイ!イズナ君!起きて!今日はバイト手伝ってくれる約束でしょー!」
一等大好きな声が僕を起こす…
『ん"ん"~‼︎ 』
「ん"ん"~じゃない!はい!さっさと起きる!」
バサっとマットレスごとひっくり返され壁に激突した。
ゴンッ!!
『いっだ!!』
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~モストロラウンジ~
「イズナさん…お手伝いに来てくれるのは非常にありがたいです。今日は一般公開の日でお客様の数も倍ですし。とてもありがたいですよ。」
引き攣った笑みを張り付けて話しかけてくるのはココ、モストロラウンジの支配人。
アズール君
「ですが…ラギーさんに引っ付きすぎです!そしてラギーさんも何故普通に仕事しているんですか!」
「まぁ…慣れっスね」
『そうそう慣れ慣れ』
「慣れとかそう言う問題じゃ無いですよ!
とにかく、イズナさんはラギーさんと離れて接客して下さい!ラギーさんはイズナさんに言い聞かせて下さい!」
頼みましたよ! と言い残しVIPルームへ書類の仕事をしに戻って行った
「はい、イズナ君。じゃーアズール君の言った通り、君はあっちのテーブル下げてきてね」
『えぇ〜』
「えぇ〜じゃない!俺の給料減ったらどうするんスか!」
『それはダメだね!あっち行くね!』
ラギーに軽く怒られてテキパキ仕事をこなしていると、一人の女性客が入ってきた。
『いらっしゃいませー、お一人様ですかー?待ち合わせですかー?』
僕より少し背が高いその女性は、ゆるくウェーブしている髪に毛先が綺麗なセレストブルー。
めちゃくちゃ可愛い女の子だ……
「あ…えっと…ジェイド君…」
そんな可愛い子から出た言葉を理解するのに数秒かかった。
『じぇいどくん……あ!え?ジェイド君???』
シアンブルーの瞳が不安そうに揺らめいた時、後ろから少し嬉しそうな声で「シアナさん?」と聞こえた。
「あっ…ジェイド君!」
先程まで不安そうだった表情から一転。
花がパッと咲いたかの様に表情をキラキラとさせて「すみませんっ」と一言頭を下げてパタパタとジェイド君の元へと駆けて行った。
『え。なにめっちゃ良い匂い…』
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「すみません、少し休憩に入ります」
そう言ってジェイド君は客席に座る彼女…
「シアナさん」の元へ向かった。
ジェイド君のあんな柔らかい表情初めて見た
シアナさん…僕より年上かぁ…
えーーまって何あのカップルめっちゃ可愛い…
「こーら、イズナ君サボらない」
パコンッとトレーで頭を叩かれる…
『ラギ…』
「んー?」
『僕推しカプできたわ…』
「はぁ!?」
だって見てみなよ…ジェイド君のあんな表情引き出せるのはシアナさんしか居ないし?
そもそもシアナさんを他の雄に見せない様絶妙に壁になってるジェイド君!
素晴らしいよ!僕課金したい!
1時間程してジェイド君がシアナさんと一緒に休憩から戻ってきた
『凄く素敵な彼女だね』
「ふふっ…そうでしょう…ですがイズナさん。貴方少々彼女を見過ぎです。縛り上げますよ?」
「ジェイド君っ!…えっと…」
『あ。僕イズナって言います。お姉さん凄い可愛いね!ちょっと僕を罵倒してみてよ!』
「えッ罵倒…⁉︎」
「こら!イズナ君!ジェイド君すっごい顔でみてるから!ほーらっ!行くっスよ!!」
「もーー踏ん張らないの!」とズルズルと引きずられながらシアナさんに手を振る。
苦笑いだけど笑顔で手を振ってもらえたら万々歳かな!
ジェイド君すっごい顔してるけど。
あーーーもうちょっとあのあの二人観察したかったなぁ…
うん。推しカプ決定だね。
やっぱり良い事か起こったね。
ずっと見守るから幸せになってね。
400日おめでとうございます( ᐛ )👐