君が僕の居場所 ---イズナって笑ってるけど笑ってねぇよな---
---あー確かに、ニコニコしてるけどちゃんと笑ってんの見たことねぇかも---
---アイツいっつも気ィ張ってっから笑えねぇんじゃね---
---安心できる居場所がねぇって事か---
---寂しい奴じゃん笑---
ゲラゲラと笑うクラスメイトの会話が今でも耳に張り付いている
『笑えてない…居場所が無い…』
自分の中では笑ってるはずなのにな…
なんて事をずっと考えてたら、だんだん息ができなくなってきた
『はっ…はぁ…っ』
息ってどうやってするんだっけ…なんて考えながら歩いていて、足元をよく見ていなかった
「イズナ君!前」
『前?…ヴギャ』
バシャン‼︎ と勢いよく談話室のプールに落ちた
「あーあ、おまぬけさんっスねぇ…」
『んんんん…』
こんな所を見られて恥ずかしいけどラギーで良かったと安堵した
「あーあ、髪も服もビチョ濡れっスねぇ…」
そう言って前髪をグイッと上げてくれた
「オレもあちーから足つけよ。」
ラギーはズボンの裾をまくり足だけをプールにつけた
「で?何考え事してたんスか?」
ラギーには全部お見通しなのかなぁなんて思っていると、ふと息が吸える事に気がついた
あぁ、そうか
そうだ
『僕の居場所はここなんだ』
「んん?急にどうしたんすか?」
『ここなら息ができるんだ!』
「変な子っスねぇ…」
そう言って僕の頭を優しく撫でてくれた
『ふふふ…』
「お、元気戻ったみたいっスね、その顔してる方がオレは好きっスよ」
『ん。ありがと』
ラギーと出会えて良かった
君が僕の居場所だ。