八日の朝景色と幽霊奇話 その日は朝から暑く、部屋に射し込む焼くような陽射しと、開けた窓から入る熱気を孕んだ風に今年も夏がきたのだと感じていた。
「Buon giorno……今日もあっちいなぁ……」
声がした方へ体を向けると、大きな欠伸をしながらミスタが部屋に入ってくるところだった。
「おはようございます、ミスタ。随分と眠そうですが、大丈夫ですか?」
「おう、多分な……」
そう言いながら二度目の欠伸を落とすと、ガシガシと首後ろを掻き、苦笑いを見せた。
「…………ちっとポルナレフんとこ行って、カプチーノでも貰ってくるわ」
と肩をすくめるのを見て、机の上に鎮座している分厚いファイルを思い出し、ついでに持っていってもらうことにした。
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