八日の朝景色と幽霊奇話 その日は朝から暑く、部屋に射し込む焼くような陽射しと、開けた窓から入る熱気を孕んだ風に今年も夏がきたのだと感じていた。
「Buon giorno……今日もあっちいなぁ……」
声がした方へ体を向けると、大きな欠伸をしながらミスタが部屋に入ってくるところだった。
「おはようございます、ミスタ。随分と眠そうですが、大丈夫ですか?」
「おう、多分な……」
そう言いながら二度目の欠伸を落とすと、ガシガシと首後ろを掻き、苦笑いを見せた。
「…………ちっとポルナレフんとこ行って、カプチーノでも貰ってくるわ」
と肩をすくめるのを見て、机の上に鎮座している分厚いファイルを思い出し、ついでに持っていってもらうことにした。
「こっちの書類に目を通したら、ぼくもすぐ行きますから、そのように伝えてください」
ファイルを受け取ると部屋の隅へと向かい、目の前のリンゴを夢中で齧る亀――ココ・ジャンボの背にある窪みに収められた鍵へとミスタは手を伸ばす。
「はいはい、お邪魔しますよ〜」
その言葉と共に、鍵についた宝石に触れるとそこへ吸い込まれるように彼は消えた。
亀のスタンドの内部、そこに発現する部屋にポルナレフさんは居る。
ココ・ジャンボのスタンド、ミスター・プレジデントは当初ホテルの一室程度の部屋しか有していなかった。だが、矢の力を受けたからなのか、それともポルナレフさんが住み着いたせいなのか、今ではその空間は拡張され部屋も増築されていて、彼はそこに仕事部屋と私室を構えていた。
ミスタが亀の部屋に入った後、いつものように机の上に置かれている手紙や書類に目をやった。この量であればさほど時間もかからず、ミスタがカプチーノを飲み終わる頃には、ポルナレフさんのところへといけるだろうと書類に手を伸ばした時だった。
シャクシャクと小気味のいい音を立てているココ・ジャンボの方が、何を言っているかまでは聞き取れはしないが騒がしくなった。
何事かと鍵の宝石を覗くと、いつもミーティングや休憩時に使っているソファセットとミスタが見えた。
ただ、いつもと違うのは彼が部屋の奥へと向けて愛用の銃を構えて、いつもであればすでに机の前にいて出迎えてくれるポルナレフさんの姿が見えないことだった。
何かあったのだろうかと様子を伺っていると、ミスタの声の他に低い男の声が聞こえてきた。
その声に聞き覚えはなく、お互いに落ち着いて話すよう努めてはいるが、その言葉の端々が鋭くなり気色ばんでいる。
侵入者だろうか。しかし、不審者や襲撃の報告は受けていないし、そもそも中にはポルナレフさんがいて、侵入者があればすぐに知らせてくるはずであるし、まずそんなことはあり得ない。
「ジョルノッ」
宝石から部屋に降り立つと、ミスタが銃を構えたまま、ぼくの方へ視線だけを移動させた。
向けた銃口の先にはオレンジのローブコートと大ぶりな装飾品、不思議な髪型の男が立っている。その男以外に人の姿はない。特徴的な男の姿を少し前にどこかで見た覚えがあるのだが、どこでだったか思い出せない。
「ミスタ、ポルナレフさんは?」
「わからねえ……ここに来てから姿は見てない。見たのはこいつだけだ」
ミスタは視線を男へと戻すと、顎で男を示す。改めてその方に視線を向けると、呆れたように一つ息を吐くのが見え、その様子に思わず眉間に皺が寄る。
「さっきも言ったが、ポルナレフなら奥の部屋で休んで……」
「うるせーッ! そんな話、信じられるか」
男の話を遮り、ミスタがグッと銃を構え直すと、その周りに小さな妖精のようなスタンドが6人、姿を見せた。それに男は少し驚いたように大きな目をさらに見開いた、その時――
「すまないッ! 少々寝過ぎてしまっ……た……みたい、なんだ、が……」
男の後ろにある扉が開き、そこから慌てた様子でこの部屋の主人であるポルナレフさんが姿を見せた。
「「ポルナレフッ」」
「ポルナレフさんッ」
男とミスタ、そしてぼくの声が響くと、呼ばれた本人は目を見開いたまま動きを止めた。そして、すぐに我に返るとぼくら三人の間で視線を彷徨わせ、絞り出すように言った。
「……どう、いうことか、説明してくれないか。何があって、何でアヴドゥルが、まだここにいるんだ?」
*
ポルナレフさんの提案で現状把握も含め、一旦落ち着こうという話になり、ぼくらはソファセットへと移動をした。それはポルナレフさんが男と知り合いであること、そして危害を加えるような心配がないことを保証したからでもあった。
コーナーソファにぼくとミスタが座り、一人掛けにコートの男、そしてその横にポルナレフさんが車椅子を並べた。
ポルナレフさんはぼくとミスタを男に紹介すると、改まった様子で話し始めた。
「ミスタ、ジョルノ、改めて紹介しよう。彼は、モハメド・アヴドゥル。かつて、わたしと共にエジプトを旅した仲間だ」
その名前には聞き覚えがある。組織を再編するにあたり、ポルナレフさんのことを調べた際に出てきた。
もちろん本人から聞いた旅の話にも頻繁に出てきていた。
しかし、記憶が間違っていなければ、本来ここにいるはずがない……。
エジプト出身の占い師。炎を操るスタンドを持ち、自分とも戦ったことがあり命の恩人でもある、とポルナレフさんは話してくれた。
そんな男が昨夜、突如この部屋に現れた。その理由や原因を探っては見たものの埒があかず、夢か幻かその類のものだろうとも思ったが、今アヴドゥルさんがこの場にいることを考えるとどうも違うようで。二人とも驚くと同時に、この不可思議な事態に少なからず手を焼いているようだった。
「てかよぉ……ちぃっと聞いていいか?」
ふと、ミスタが顎の辺りを撫でながら訝しげな声を上げた。
「こいつがポルナレフと一緒に旅をしてたのは知ってんだけどよぉ、アヴドゥルってさ、その……スタンドに……」
チラリと伺うような視線を向けるとアヴドゥルさんの動きが止まり、ポルナレフさんの方を困ったように見る。
「ああ、彼はあのエジプトの戦いの際に、敵のスタンドに飲まれ命を落としている」
こともなげに話す彼の言葉にミスタは一瞬動きを止めると、目の前に座っているアヴドゥルさんとポルナレフさんを交互に見た。
「は? え、あー……っと……」
二人を見た後、視線をしばらく泳がせ、首の後ろを掻くと僕に視線を向けた。
まぁ、無理もない。今ミスタは、普通ではありえない、信じえないものと遭遇している。それは、実に非科学的なものではあるが、『事実は小説よりも奇なり』というように実に興味深く、面白いものだと思う。
だか、ぼくらはすでにポルナレフさんというそれに似た存在とこうして過ごしている。
「てーことは……」
ミスタの顔が心なしか青ざめ、その顔は少し引き攣っているように見える。
「幽霊だな」
ポルナレフさんがトドメを指すと、ミスタは小さく声を上げ、背もたれに倒れ込んだ。
「そう嫌ってくれるな、ミスタ。わたしも同じなんだ、一人増えたところで変わらないだろう?」
「そうだけどよお〜……」
ぼそぼそとバツが悪そうに小さく漏らし始めると、ポルナレフさんは肩をすくめて笑い始め、一頻り笑ったところで、
「……さて、カプチーノでも淹れようか。どうせ、考えたところで先には進まないし、そもそもミスタはそれが目当てで来たんじゃあないか?」
と目を伏せた。ハンドリムを握る様子を見て腰を浮かしたぼくをポルナレフさんは制し、隣へと声をかける。
「アヴドゥル、すまないが手伝ってくれないか?」
声をかけられるとアヴドゥルさんは心得たように頷き、二人連れ立ってキッチンへと向かう。
ソファから見える二人の様子は長い年月を共に過ごした友――否、それ以上のものに見えた。
「……幽霊んとこに出てくる幽霊ってどういうことだよ。そんなん聞いたことねーぜ?」
いつの間にか落ち着き、同じようにキッチンを見ていたミスタが呟いた。
「確かにあまり聞いたことはありませんが、実際、今目の前にいますからね」
「でもよ、幽霊ってそいつが死んだ場所とかなんか縁のある場所に出るもんなんじゃあねーのか?」
ここ関係ないよなぁ、と彼は不思議そうに首を傾げる。
「確かに関係はないですが、ポルナレフさんにはあるでしょう」
「ポルナレフ?」
「ここでアヴドゥルさんに縁がある、といえるのはあの人だけです。それに場所ではなく人に憑く場合もあるんですから、幽霊に憑く、引き摺られる幽霊がいてもおかしくないんじゃあないですか。それにより強いものが他のものを引き寄せることもあると聞いたことがあります」
そう言うと、ミスタはぼくの方へきょとんとした顔を向けた。
「アヴドゥルさんとポルナレフさんのどちらか、或いは両方に引き寄せられたんじゃあないかってことです」
「……どーいうこと?」
「霊的なものが化けて出たり、人に取り憑く場合、多くは彼らが恨みや憎しみ、または何かしらの未練を持っている場合が多いと言われています。ホラーなんかによくあるでしょう?」
「ああ、あるな」
「中には例外もありますが、それはその人が亡くなった時、もしくは亡くなる前に持っていた強い思念が残っているから、という話もあります」
「強い思念、ねぇ……」
「妬み、嫉み、怒りや憎しみ、あとよく言われるのはその人を想う気持ちや心残り――要は情念が引き金となる。しかも、その人への執着が強ければ強いほどそれは色濃く残りやすい」
「で、それがポルナレフたちとどう繋がるんだ?」
ポルナレフさんから直接聞いたわけじゃあないが、おそらくアヴドゥルさんと彼は、互いに相手を想いあっている。それは会話や距離感、視線など二人の様子を見ていれば、なんとなくわかる。
それに、以前エジプトでの旅と闘争のことを聞いた時、アヴドゥルさんのことを「大切な人」と言っていたことがあった。その時は「仲間」として亡くした友人が大切なのだろうと思っていたのが、そうではなさそうだ。
この前、ぼくはポルナレフさんにこんな質問をした。
『会いたい人はいますか?』
『なければ、願い事でもいいですよ』
その時少し困惑しながらも、しばらく考え込んだ末に一つの願いを口にした。
『……大切な人に逢いたい。だが、それは到底叶いそうもない』
そう口にした彼は眉根を寄せ、苦々しく笑っていた。
ポルナレフさんのいう「大切な人」は、亡くした妹さんや旅を共にした人たちのことだろうと思っていたし、叶わない理由は彼がこの場所から出られないからだろうと思っていた。
今考えれば、人に会いたいのであれば名前を出すはずだろうし、ここに人を呼ぶことだってできる。
だが、彼が名前を出さず「大切な人」とだけ言ったのは、叶うことがない願いと想いを自分の中で無理やり整理をつけた結果だったのかもしれない。
殺された妹さんの尊厳を取り戻すための仇討ち、「弓と矢」の追跡と孤立無縁、再起不能になってまでディアボロを追い続けたポルナレフさんが抱く願いはどれほど強いものだったのか。
それが託された願いと情愛からくるものであれば、それは強い未練や執着となり、何かにしがみ付くには十分な理由になり得るだろう。
そして、同じようにアヴドゥルさんが命を落とす瞬間、ポルナレフさんと共に先を歩めないこと、遺していくことを無意識にでも思っていたなら。
「だから、それがどうだってっていうんだよ? 難しい話なら、結論から言ってくれると助かんだけど」
説明を聞きながら、眉間に皺を寄せたミスタが睨む。
「ポルナレフさんとアヴドゥルさんそれぞれが持つ想いが結び付いて、それが『執着』であったり『未練』という形で引き合ったら――」
「幽霊に取り憑く幽霊になり得る、てことか?」
「ええ、そういうことです。ぼくにもどういうことなのかはわかりませんが、無意識、無自覚に強く思い願うことで、その思念のチャンネルがあってしまって、ポルナレフさんへの強い想いを持つアヴドゥルさんが引き寄せられた」
「あり得るのかね、そんなこと……」
キッチンの方、本来であれば邂逅することのない二人が肩を並べる様子をミスタと見やる。
そこには普段ぼくらが見ないようなポルナレフさんの顔があった。
「さぁ、わかりません。もしかしたら、そんな二人を憐れに思った神の娘である仙女が古い言い伝えに倣って願いを叶えたのかもしれません」
「この前言ってた『タナバタ』ってやつか?」
「はい、ちょうど昨日だったので」
「そんな、都合のいいことってあるかあ?」
「あったっていいんじゃあないですか? ただ、いろいろ突き詰めると、人の情念っていうのは強く美しくと同時に、恐ろしいものだなと思いますね」
二人の人間が想い合い、その死後、再び結ばれるほどの強い情愛。それほど強く人を愛すというのはどれほどの想いなのだろうか。
「でも、まあ……人の情念てえのがどんなものであれ、うちのナンバー2があんだけ嬉しそうなら良いんじゃあねえか?」
「……そうですね、それは思います。幽霊だって幸せになれる、その資格はあるってことですね」
「……こういうのは無駄、って言わないんだな」
ミスタが揶揄うようにぼくの方を見て笑う。
ぼくはそんなに冷たいわけじゃあないし、ぼくのことをどんな風に思っているのか。
「言いませんよ。ポルナレフさんのこれまでと抱えてきたものが無駄なんて思いませんから」
「そらそーだ」
「それに、人手はいくらあっても困りませんから。ポルナレフさんから聞いた話だと、あの人の知識量は相当なものだそうですし、何かと忙しいナンバー2に補佐がつけば、その分仕事もしやすくなります」
「あー……そういう?」
ケラケラと笑うミスタにつられて笑っていると、キッチンの方からポルナレフさん、そしてアヴドゥルさんがトレーに人数分のカプチーノカップを乗せて戻ってきた。
「随分と楽しそうだが、何の話をしていたんだ?」
「多忙なナンバー2に補佐ができたようで良かった、と話していたんです」
「補佐?」
「ええ、気の置けない人がそばに付けば、仕事もしやすいでしょうし、捗るでしょう?」
そう言ってカップを各々の前に置くアヴドゥルさんの方を見ると、大きな目を数回瞬かせた後、ポルナレフさんとお互いの顔を見合う。その様子にミスタは、目の前のカップに手を伸ばし肩を揺らす。
「必要なものは後で手配しておきます。パソコンなどは当面ポルナレフさんと共用で、使い方を教わってください。それから……」
「ちょっと待ってくれ、ジョルノ。アヴドゥルに組織 の仕事を手伝わせるのか?」
「ミスタとも話してはいましたが、人手はいくらあっても困りませんし、ただこの部屋にいるのは退屈でしょう。それにポルナレフさんには仕事もありますから手伝っていただいた方が無駄がない」
「……それは、そうだが」
困惑するポルナレフさんと、それを物珍しそうに見るミスタを横目にカプチーノカップへと手を伸ばす。
きっとアヴドゥルさんのことについては、ポルナレフさんも話をするつもりではあったんだろう。しかし、それよりも早くこちらが話を切り出し、更には仕事の件も出したことで少々面を食らっているらしかった。
急な展開に驚いているのはこちらも同じではあるし、こんな表情のポルナレフさんは滅多に見れるものでもないので多少のことは許してほしい。
「すまない、それならば用意して欲しいものがあるのだが……」
戸惑うポルナレフさんをよそに、申し訳なさそうにアヴドゥルさんが言葉を発した。
「できればでいいのだが、パソコン……の教則本などはないだろうか。ポルナレフも仕事をしながらでは効率が落ちるだろうから、少しでも使い方を頭に入れておきたい。それと新聞を、何紙かあると嬉しいんだが」
「承知しました、教則本と新聞ですね。新聞は、国内外のもの、ということで問題ありませんか?」
「ああ、話が早くて助かる。各国の情勢を頭に入れておきたくてな」
「分かりました、他に何か――」
「待て待て待て! い、いいのか、二人とも」
ぼくとアヴドゥルさんの会話に割って入るようにポルナレフさんが声を上げた。トントンと進んでいく話に追いついていないようで、その顔には訳がわからないと書いてある。
「…………」
「………………」
「「何か問題でも?」」
お互いに顔を見合わせ、発した言葉はほぼ同時、同じ言葉だった。
ポルナレフさんは、そんなぼくとアヴドゥルさんを交互に見た後、助けを求めるようにミスタの方を見るが、彼はぼくらの様子を楽しむように肩を竦めて笑うだけだった。
「それで、他に欲しいものとは?」
「ああ、それなんだが……」
*
アヴドゥルさんが望んだ物は、一組のタロットカードだった。
聞くと、毎日触っていた物だから無いとなると何となく落ち着かないと話し、何か迷うことがあれば相談にのる、と笑いながら言ってくれた。どちらかと言えば、それに興味を持ったのはミスタのようで簡単な占い方やカードの読み方などを聞いていた。
ポルナレフさんはと言えば、初めは難色を示していたものの、ぼくとアヴドゥルさんの性格を知ってるからなのか、ミスタに託していたファイルを開く頃にはアヴドゥルさんに資料整理などの仕事を振っていた。
その顔はまだ納得いかないというような色を見せていたが、ぼくらのやりとりを見て呆れたような、それでいてどこかそれを懐かしむような、柔らかく穏やかな顔をしていた。普段似たようなものを見てるはずなのに、それとは違うポルナレフさん元来のものだろう。それはこの後度々見られるようになり、取り繕ったような表情や口調が崩れ、穏やかな中にも明朗さや多少の荒さが混じるようになった。
本人はそれを決まりが悪く感じているようだったが、ぼくらにとっては以前より親しみやすくなり、ミスタに至っては今までにも増してポルナレフさんの部屋に入り浸るようになっていた。
結局、アヴドゥルさんがなぜポルナレフさんの元に現れたのかは謎のままで、数日後に消えるとかそういうこともなく、補佐として彼ともども組織を支えてくれている。
幸せとは何だろうか。
それが死者であるならば、それは安らかに眠ること、遺した人々が穏やかに健やかに暮らすことになるのだろうか――。
だがそれは死者ではなく、遺された人々が「こうであってほしい」と願うものでないだろうか。
では、死者にとっての幸せとは?
死者が望み、欲するものとは何なのか。
一歩間違えば、狂気とも取れる情念は、ときに時間や距離をも超越し、それを叶えるために何ものをも引き寄せ得るのか。
それはある意味で愛に溢れた話でもあり、見方を変えればある種のホラーでもある。
ただこれは他の人間から見た感想に過ぎず、当事者にとってはどうなのかはわからない。
ぼくに言えるのは、世の中何が起こるかわからないし、現実は小説よりも遥かに難解で、面白いということだ。
これはそんなことを考えた、とある不思議なお話。
――――Fin.