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    肴飯のポイ箱

    @sakana2015414

    pkmnでkbdnとか、kbnとdndがわちゃわちゃしてるような話を書いてます。時々ホラーなものをあげるのでそこだけ注意です。

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    肴飯のポイ箱

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    ワンドロお題「コスプレ、仮装、変装」
    恥ずかしいとそういうことしちゃう1人と、それに気付いちゃた1人の話。🎃楽しい。

    #キバダン
    #kbdnワンドロ
    kbdnOne-dropping
    #kbdn

    それはそれ、これはこれ ガラル地方では、ハロウィンの時期になると街中がゴーストポケモンモチーフの飾りや色とりどりのお菓子を模した飾りで彩られ、ショップを覗けばポップな音楽に合わせてお菓子を寄越せと可愛らしく歌う店内ミュージックが繰り返し流れているのが定番だ。目にも耳にも賑やかなこの時期、キバナは例年よりも浮かれている自信があった。
    「(一昨年は狼男、去年はヴァンパイア…今年は何の仮装すんのかな?ちょっと路線変えてチョロネコとか、ワンパチとかやってくんないかなぁ…)」
     なにせ今年は恋人になって初めてのハロウィン。プライベートだと鈍くて、大変恥ずかしがりやの恋人の。仕事とはいえ、いつもは見れない姿にちょっと位期待したって良いじゃない。あわよくば、それをお家デートの時に着てもらえたら万々歳だ。なんて浮かれてシュートシティまでやってきて、手を振ってくれるファンへと軽く握手やバトルポーズをしながら、いつもより賑わっているタワーの入り口へと足を踏み出した。ダンデがいるであろう場所へと視線を巡らせると、仮装をしている恋人の姿が見えた。いや、訂正すると恋人なのか信じたくないけどきっとそうだろうなっていう姿が見えた。
    タワーエントランスの受付前、スタッフ数人に付き添われてバトルタワーが立っていた。鈍色の三角柱みたいな胴体部分に、エメラルドグリーンの螺旋パーツが巻き付けられており、その両脇からニョッキリと黒いシャツを纏った腕が生え、タワーの下からは同じように足が生えていた。キバナは、今だけ自分の観察眼が憎いと思ったが気付いてしまったからには無視することは出来ない。というか、もうあっち側から気付かれているようで、現在進行形でタワーが此方へと走り出してきている。キバナは目立つ自分の長身もちょっと憎くなった。

    「タワーくんだぜ」
    「そう来るのは対策してなかったわ」
    「タワーくんだぜ」
    「会話をしような…いや、もしかしてそれが固定の鳴き声って設定なのか?」
    「…」
    「マジでそうなのかよ!?」
     何も答えは帰ってこなかったが、ダンデ(タワーのすがた)が何かしらゴソゴソと身じろぎすると、途端に着ぐるみの螺旋部分が七色に光りだす。
    「えっ…何っ怖……んー!?もしかして正解ってことか!!」
     キバナの答えを聞いて、タワーくんは元気いっぱい飛び跳ねる。どうやら正解のようだ。

    「なるほどなぁ…考えたな……ロトム、ダンデをピンで撮って」
    「タワーくんだぜ」
    「…タワーくんピンで撮って」
    「一緒に撮らなくていいロト?」
    「それはまた今度で良いや」
    「タワーくんだぜ!!!」
    「うわっ!ちょっとやめろ!!タックルしてくんな!!怖いっ!怖いって!!分かったよ!一緒に撮るから!!」
     キバナが勢いに負けて一緒に撮ることを認めると、途端タワーは左右に揺れながら鮮やかなピンク色に光り輝いた。
    「色のバリエあるんだ…」
     そんな不思議な二人のやり取りを見て、タワーに来ていた子ども達は「光る変なのがいる!」と親の手を引き、大人達はその手をもう一度引いて「ポケモンウキウキふれあいコーナーで遊ぼうね」と優しく諭すのだった。

     
     ダンデのタワー姿をピンで何枚か撮った後に画面を確認すると、無駄に造形の良い手足がタワーを模した着ぐるみからニュッと出ているのがよく分かり、キバナは自然と笑いが込み上げてくる。多分中ではドヤ顔をしてるんだろうな。なんてことも簡単に想像できるような元気いっぱいのリザードンポーズもまた更に笑いを誘う。自分の下心は完全に叩きのめされたが、ダンデがこうやってやりたい事をしながら全力で楽しんでいる姿を見るのは純粋に楽しいし嬉しい。ひとしきり写真をチェックして、ロトムにお礼を伝える。
     さて、笑うのは良いが、この後はこの面白着ぐるみと並んで撮影するのか…と遠い目をしてウキウキと体を揺らしながらキバナを待つダンデを見る。
    「ほら、ダ…タワーくん!写真撮ろうぜ!ヘイロトム!!」」
     最早ヤケクソで声を掛けて隣に並ぶと、タワーは嬉しそうに駆け寄ってキバナの真横へとピッタリとくっつく。タワーの先端付近の装飾が肩に刺さってちょっと痛い。それを抗議しようとダンデの方を向いた時、とても小さな声でタワーの中身が話しかけてきた。
    「キバナ、今日ってもう仕事は終わりだったよな?」
    「まあな。終わったからここにいるっていうか。ナックルのイベントは午前中に盛大にやって午後からは家族や友達とってスタイルだし」
     ダンデに合わせて、キバナも自然と小さな声になる。
    「あの、あのな。これはタワー用の仮装だから…」
    「うん。まあ、タワー用っていうかタワーそのものになってるけどな」
    「そうじゃなくて…そのな…キミの為の仮装は別に用意してるんだぜ」
    「……えっ?」
    「今日、いつもの時間に!」
     それは、どういう意味だと聞く前に、タワーはドタバタと走り去っていく。その奇怪な動きを見て、まるで波を掻き分けるように人が左右に離れていくのを、キバナは周りの人々とは違った意味で、暫く呆然と眺めていたのだった。

     その日がどんな仮装だったのか、どんな夜を過ごしたのかは。次の日ユルユルの笑顔でジムに休みの連絡をしたキバナと、ぐったりした声で秘書へと休みの連絡をしたダンデだけが知ることだった。
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    肴飯のポイ箱

    DONEREVELЯY2411「COUNT DOWN vol.2」の書き手クイズ企画に提出した作品となります。
    お題「催眠 付き合ってないキダ」
    開催中はドキドキとしながら過ごしておりました!すごく楽しい企画でした☺️✨ありがとうございました!
    夜空、星二つ ガラルにしては気持ちの良い、からりとした青空が朝から広がっている日だった。ブラックナイトに関する諸問題で暫く奔走を余儀なくされていたキバナは、ようやく業務もひと段落し始めた。屋外での作業は晴れの少ないガラルでは何よりも優先したい事柄だ。そんなこともあって、キバナは温かな陽気の中、ナックルジムの中庭で膝と頬を土で汚しながらせっせと植物の剪定に明け暮れていた。元が城ということもあり、一般の人々が立ち入らない場所には未だに当時の面影を残す部分が多い場所だ。キバナが居る中庭もその一つで、ナックルのジムリーダーが代々手入れをしていくことがいつの頃から習わしとなっていると聞いていた。初めてその役割を聞いた時には正直乗り気では無かったキバナだったが、元々好奇心旺盛な方だと自覚していることもあって、やり始めてみればなんだかんだと楽しみを見つけ出し、気付けば少しずつこだわりも持つようにもなってきた。
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    肴飯のポイ箱

    DONE12月オンイベ展示作品その②(新しいお話)
    みんなが寝静まった夜。こっそりひっそり楽しく過ごす不思議な生き物のキバナとダンデのお話
    「🎄ホリデー編🌟」
    ※ポ世界のクリスマス概念が曖昧な為、あえてクリスマスから正月までをホリデーと設定してお話をかいています。細かく考えず緩くお楽しみください🌟👻👻🎄
    それは賑やかな すっかり夜の帳が下り、静まり返ったとある家のキッチン。小綺麗に整頓されたそんな場所を小さな林檎程の大きさの何かが二つ、白い布を頭から被ってチョロチョロと薄暗いキッチンの中を動き回っている。
    「キバナ、息が真っ白だ!寒いなぁ」
    「今日も月が大きいなぁ。でも、流石に今日はみんな寝てるだろ」
     月明かりに照らされたキッチンを、キバナと呼ばれた大きい方がそれよりも少し小さなダンデの手を引きながらずんずん進んでいく。
     少し前にお菓子を貰ったキッチンは、同じように整えられていた。水切り籠にはジュラルドンとリザードンが描かれたカップが逆さまになって雫を落としていた。今日は、それ以外にもカラフルなカップや皿がたくさん並んでおり、いつもは食器棚の一番上で偉そうにしている白地に金の模様が入った大きな皿も、ピカピカに洗われて月の光を反射している。
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    肴飯のポイ箱

    DONEオンイベ開催、アンド素敵企画ありがとうございます!
    この作品は、12.3歳ごろの2人がナックルシティの片隅にあるとある喫茶店を舞台にわちゃわちゃとしていくお話となっています。
    ※両片想いほのぼのです。
    ※ガラル市民がたっくさん出ます。
    ※視点がコロコロ変わるお話です。
    少しでも楽しんでいただければと思います☺️
    とあるナックルの片隅で◆ライラック色の髪をした少年の回想

    「あ、チャンピオンだ!」
    「チャンピオン!」
    「何かイベントでもあったっけ?」
     困った。
    俺は、大きな街の真ん中で冷や汗を掻きながら、どうしてこんなことになったのかをひたすらに考えていた。
     今日は午前中にシュートでのチャリティイベントに参加した。午後はスポンサーの会社が行うガーデンパーティへの参加が予定されていたが、そちらが主催者側の事情でのキャンセルとなったので、突発的に午後は丸々オフとなった。予定されていた休みより、こういうイレギュラーな休みって得な感じがして俺は好きだ。せっかくだから前々から欲しいと思っていた物を買おうと意気込み、勢いのままユニフォームで飛び出した。自分なりに人目が少ない道を探しながら、地図アプリと睨めっこ。しかし、俺の努力も虚しくうっかり路地から大きな通りへと出てしまった。途端に集まるキラキラとした眼差しの人、人、人。応援してくれる人達の期待の眼差しを裏切ることはできず、突発的に始まってしまったファンサービス。握手に写真、サイン。もみくちゃにこそされないけれど、このままだと行きたい場所に行けないまま休みが終わってしまう。顔には出せないが内心焦りつつも人混みは消えるどころが増えていく。どうしたものかと困っていると、人混みの奥から良く通る声が聞こえて来た。
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    DONEお題『お絵かき・絵画・美術』
    絵心と、リベンジと、ちょっとした日常の話。

    https://poipiku.com/6450412/7832908.html
    と繋がっています。
    よく見てみよう「どした?」
    「……」
    「えっ…本当になに?」
     休日の朝。一通りのトレーニングを終えたキバナは、のんびりとカウチに座りながら数日前に発売されたポケモン雑誌を読んでいた。気になっていたコラムの続きを読もうと、ペラペラとページをめくっていたが、同居人がどうにもこうにも凄く熱い視線をずっと無言のまま向けてくること、三十分。最初は気のせいかと思っていたが、パチリと音が出そうなくらい目線がかち合った後も、何故かダンデは、座っているキバナを真正面から直立不動で見つめてくる。しかも、焦れたキバナがあれこれ話しかけても全く反応は無く、只々この謎な状態が続いている。
     ダンデは、口で説明するよりも行動で示す方が速いと思うと、時々突拍子もない行動に出ることがある。後から理由を聞くと、なるほど。という内容も多いが、理由を聞いても首を傾げる内容の時もある。今はどちらだろうか。そう考えながら、キバナはつやりと輝きながらこちらを見つめてくる琥珀色をぼんやりと眺めたのだった。
    2011

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