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    geshi0510

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    名付け親選手権開催

    四度目の俺と一度目の君2「というわけで、ただいまより『チキチキ!第一回名付け親選手権!』を開催する」

     午後の講義を終え、集った構内の屋外カフェテラスにて。テーブルに肘をつき両手を顎の下で組んだ小芭内がエアメガネを光らせながらそう告げた。
    「ルールは簡単。この愛らしい白蛇ちゃんに最もふさわしい名を提供した者が優勝。報酬はこのカフェ名物メガデカ爆盛りパンケーキ〜大学生の悪ふざけver.〜とする」
    「なるほど!」
    「経緯はよくわかんねぇが、その首に巻き付いてる蛇を今後伊黒が飼うってことでいいんだな把握ゥ」
    「不死川は話が早くて助かるなさすが心の友さすここ」
     はじめましての挨拶をするように、小芭内の肩から鎌首をもたげた白蛇が不死川に向けぺこりと頭を下げる。
     おお、賢いなァと不死川がその頭を撫でれば尻尾が嬉しげに揺れた。
     小芭内を挟んで反対側に座る杏寿郎がその尻尾を撫でようとしたところびしりと強めに叩かれていた。
    「また握手をしてくれるのかありがとう!」
     ポジティブがすごい。
    「では各々この紙に渾身の候補名を書き、ここへ裏返して置いてくれ。シンキングタイムは5分とする」
     ノートを一枚破り、きっちり三等分した紙片が配られる。ほぼノータイムで一番に書き終えたのが杏寿郎、次に不死川、最後タイムギリギリだったのが小芭内である。
     紙片を入念にシャッフルした後、小芭内は1枚目の紙に手をかけた。
    「よしいくぞ、カードオープン!」

     ──しらたま──
     
    「白くてつやっとしてっからなァ」
    「いいなこれ可愛らしい」
    「かき氷に入ってると嬉しいやつだな!」
     
     ──ぷりしろ──
     
    「ぷりぷりしてる白いやつだからかァ?」
    「違う。超絶ぷりてぃマイスイートしろちゃん略してぷりしろだ」
    「なるほど、小芭内は愛情が割に暴走するタイプだったか!」
     
     ──おばじゅろう──

    「うるさい黙れ」
    「まだ何も言っていないぞ小芭内!」
    「紙一杯に書かれた文字の大きさといい、見るだけでここまで書き手の望みが伝わる単語ってすげぇなァ」
     
     小芭内の肩から3枚の紙片を見下ろしていた白蛇が、するりと机の上に降り立つ。
    「お、自分で選ぶつもりかァ?」
     白蛇が向かう方向を見て、小芭内が青ざめ、杏寿郎の顔が輝く。
     おばじゅろう、の紙の上に乗り上げた白蛇は、そのままトグロを巻いてぐしゃりと紙を丸めた後、尻尾でペイとはたいた。
     コロコロと転がり机から落ちたそれを、不死川が無言で拾う。
     やはりばなじゅろうの方がよかったかと杏寿郎が一人納得している。ポジティブがすごい。
     実質二択となった名付け親選手権であるが、白蛇が次に向かったのは机に置かれた小芭内のスマホだった。先程シンキングタイムを計っていたためロックのかかっていない画面を尻尾でタップし、メモ画面を呼び出した白蛇はそこに見事なフリック操作で文字を入力しはじめた。

     か、ぶ、ら、ま、る
     
     ──鏑丸──
     
     漢字変換までした上で、白蛇はこちらを凝視する三名に向け、ぺこりと頭を下げた。
     
     第一回名付け親選手権優勝は鏑丸に決定した。

     メガデカ爆盛りパンケーキ〜大学生の悪ふざけver.〜は仲良くみんなで食べた。
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