魔蛇っ子ブリ大根編2 煉獄槇寿郎は機を伺っていた。
長男の初恋のお姫様にして未来の嫁への挨拶の機会をである。
聞けば自分同様人一倍食す息子の食事の世話もしてくれているらしいし、ここは親としてしっかりと礼をすると共にあちらのご両親につなぎを取ってもらって忙しい長男の代わりに結納の日取りを決めるなどしてできる限り話を進めておきたい。
そう考えて挨拶のための紋付羽織袴を探していたのだがなぜか見つからない。
次男の千寿郎にどこにしまったかと尋ねたらニコリと笑って「先のお正月に深酒した父上がその姿のまま兄上に稽古をつけるとか言って対戦し始めたものの酔いが回ってすっ転びかけたところに兄上のナイスな一発が腹に入って吐きまくることになった結果廃棄処分と相成りました」と汚物を見る目で答えられたので平謝りに謝るより他なかった。
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