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    ポーションネタディルガイ作業進捗

    お疲れのガイアの為にバーでディルックがポーション出したら予想以上にきいてるかも?という話

    #ディルガイ
    luckae

    ポーションネタディルガイ「ご注文の品です」
    「おいおい旦那様、俺は酒を頼んだのであって流行りのポーションを頼んだ覚えはないぞ?」
    「君は飲み過ぎだ」
    「だからと言ってエンジェルスシェアがこれを出すようになるとは思わなかったな……」

     旅人が帰ってきたと思えば、エンジェルスシェアに顔を出した夜分。アルベドが彼女と弟子のスクロースを送ると言うことで、ならばと当然カウンターに残ったのはいつもの二人。もはや眠そうにしている子どもは自分が面倒を見ておくからと手を振るアルベドに今日は甘えようと残りの酒を煽れば珍しくオーナーから追加の酒かと思いつつ、そんなに現実は甘くないことを思い知らされたのである。

    「最近働き詰めで楽に食事を取る気もないだろう。君は。今日だって蒸したジャガイモにほうれん草の付け合わせなど味が素朴なものしか口にしていないね」
    「あ、あのなぁ。食育じゃないんだし、俺にだってそんな日は」
    「郊外に魔物の討伐に行ってエネルギーを使っているはずなのになんでそんなに食べないんだ?」
    「……忙しかっただけさ」
    「その割には痩せてるだけで睡眠すら取りたがっていないじゃないか。薬膳薬の意味合いも強い午後の死すら口にしないでさりげなくいつもより量を飲まないだろう」

     一体自分がモンドに戻ってからどれくらい君が酒を飲む様を見てきたと思っているんだと呆れながら、栄養補助剤を飲めと言うバーテンにガイアが怒らないのは過保護な態度を取ってくることにも慣れた……と言うよりかは適当にあしらえらばなんとかなると考えてのことである。

    「本当にいいんだ。腹は減っていないし、そんな気も。少し眠いからそうだな……ホットカクテルでももらって今日はかえ……旦那様、なんか増えてるぞ」
    「そこまで言うならせめてカロリーのあるものを飲んで帰りなさい」
    「あったかくした葡萄ジュースとまるでポーションが食後の後に飲めとばかりに置いてあるんだが」
    「そう言うことだ。こちらは旅人に特別に作ってもらったポーションだ」

     スッ……とゆっくりとバーカウンターの上に出されたのは律儀にもグラスに入れられたカクテルのように見えるがアルコールの香りがあまりしないこと。それと巷で話題になっているポーションの色味であることは理解ができる。一体どんな風に発注したんだと思ってドリンクを眺めるガイアとは対照的にディルックはディルックで発注にさほど手間はかからなかったが旅人にポーションを頼んだ時のことを思い出していた。

    ◇◇◇

    『え、疲れを取りつつ、精力も増してすぐ睡眠が取れるように体があったかくなるようか効果のあるポーションの発注?それ精力以外ならそれってホットジンジャーで良くない?それとも蛇の抜け殻のエキスでも入れる?』
    『旅人……ヤケクソで作るのは流石にやめようぜ……えーと、ミントにベリーに、それを煎じるとこう……物凄く青くないか?』
    『オーダーは要するに多忙なモンド人に飲んでもらう為のポーション……』
    『端的に言っちゃうとこれ、その他大勢用というより特定の誰かあt』
    『ありがとう旅人』
    『ディルックさん遮らなくても良くない??図星ってことなの?それに!待って!未知のドリンクなのに躊躇いもなく飲んじゃうの!?』
    『うん、少しポカポカするし、気分が逸れていくような気持ちになるね。これは飲んで寝て起きたらもっと効果がありそうだ』
    『結構強く濃縮して作ったつもりだったけどディルックさんにはどう効いてるのかな……?いやその前にすぐ普通に自分で飲んじゃうの!?躊躇いとかないの!?』
    『君なら僕に変なものを盛る必要はないだろう?』
    『故意にはなくても!!事故とかあるじゃない!!』
    『あったのかい?』
    『ないけど!!』

    ◇◇◇

    「じゃあこれをワイナリーとして提供するとしても大量生産するのか?」
    「このポーションにおいては流石に効用が限定的だし、効果も強い、つまり劇薬にもなりかねない」
    「ふーん……つまり、悪用すれば人間を馬車力に働かせかねないってことか?」
    「少し改良すれば騎士団でも碌でもないことに沢山使われそうだからな。僕は人を擦り切れるくらいに使い潰したいわけじゃない。滋養剤のつもりではあるが何をさせられるかわからないからな」

     詰まるところ、大口契約オーナーと製造元だけで提供される極秘の薬というところだ。一般流通するのはきっとこの薬をもっと薄めたものになるのだろう。しかし、試飲をエンジェルスシェアでやらせるものか?と視線を投げれば僕が一回飲んでいる。特に問題はないとばかりに視線が飛んでくる。これは飲むまで返してもらえなさそうだと悟り、致し方なく口にする。そうは言っても自分は酒には強い体質だし、そうちょっとやそっとでは薬の効能などそんなには出ないであろうと踏んだガイアである。しかし……

    「これ、すごく熱くなるぞ……!?」
    「僕はリラックス効果と末端冷え性にも効くようにと頼んだんだが……?」

     元々ディルックは体温が高いので多少発汗するような体温上昇の効果があったところで身体に影響はあまりないのだが、神の目が無ければすぐ体を冷やして体調を崩す誰かのための健康ドリンクということである。

    「ふ、ぅ」
    「……ガイアさん、大丈夫か?流石にここまで強くするようには言ってなかったんだが」
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