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    SSR_smt

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    #いいねくれた人んちの子拉致って臨時バディ妄想する

    で、お兄ちゃんと最高双子です✨❤💛💚💙💜✨

    説教<焼肉「アニキィ、見えるゥ?」
    「北東100m先に目標を捕捉した」
    「ホクトー?どっち?」
    ユタカタカシから見て2時の方向だ」
    「りょーかい」
    ザザッとノイズ音が流れ、無線が切れる。
    実の兄である龍ヶ崎鐵りゅうがさき てつは、超心配性だ。たぶんオレらのことを五歳児くらいだと思ってる。今回の仕事でオレらと別行動のプランを渋りまくって、テキトーに丸め込んでようやく仕事になった。とっとと終わって焼肉が食いてぇなァ。
    ViCaPとご丁寧に書かれた上着を肩に引っ掛け、音もなく近寄る。こういう“仕事”は得意だ。
    「残り10m」
    イヤホンから小さく聞こえるアニキの声を合図に、隣のオレに目配せをする。パチンと視線がかち合って、2人揃って右足を出した。当然。オレ達は双子なのだから。
    その辺の奴らより倍以上ある歩幅で一気に距離を詰めた。そこで、ようやくソイツが振り返った。
    「おっせぇよ」
    ソイツの顔を手で覆う。こんな街中で声を上げられると通報されて面倒なんだよなァ。オレらがイイヒトオーラってのを出せれば良いんだけど。
    男は空気を鼻から荒く吐くだけ。エサ入れまくった時の金魚みてぇ。まともな抵抗もできないまま、路地裏に引きずってやった。足掻く希望なんて与えない方が優しいだろ?イヤホンから息遣いが小さく聞こえる。アニキ、今必死に走ってコッチ来てんだろうなァ。路地裏に引きずり込むなんて計画ねぇもんな♡
    御大層な犯罪者だって聞いたソイツは、どう見たって小物にしか見えない。カワイソーに、震えまくって今にもチビりそうでやんの。ダッセェなァ。
    「そんなんでヴィラン名乗ってんじゃねぇぞ」
    「なんだっけ、肩書き」
    「忘れたァ」
    高もダルそうにしてんの、ウケる。後はコイツに手錠はめて終わりってところで、小物は足掻くんだよなァ。
    「俺は傀儡の神だ!お前等みたいな、図体がデカいだけの正義気取りすぐに殺してやる!」
    オレの手の隙間から口を出したソイツは脂汗を垂らしながら、こっちを見上げた。あ~、なんか充血してんじゃん。キモ。必死に抵抗してくるところがまた、小物感強くなんだよなぁ。つーか、クグツの神って何?お前がクグツになったみたいなニュアンスじゃん。ダッセーマジ。犯罪者の面汚しやめてくんねーかな。持ち上げてやると、ソイツの足は地面から簡単に離れる。ジタバタと足をばたつかせてるところ、昔東京湾に突き落とした奴思い出す。
    「“俺の人形になれ!”」
    ソイツがそう言うと、キーンと耳鳴りが鳴る。あー、異能か。なんかアニキが説明してた気がする。忘れたけど。男はオレ達が自分のモノになったと思って、ニタニタしている。バカだなァ。アニキがついてて、オレらがそんなヘマするワケねーじゃん。
    「“お互い殺し合え”!」
    イキって痛々しさ全開で男がそう叫んだ。
    ――瞬間、男の体が大きくハネた。同時に聞こえてきたのは、銃声だ。糸が切れたクグツみたいに、男の体がドサリと床に転がった。血は出ていない。よく見ると首に針のようなものがついている。麻酔か?
    ユタカタカシ!」
    まじまじと見ていると、アニキが息を切らせてオレらに近寄ってきた。銃を利き手に握っているあたり、やっぱアニキがやったらしい。相変わらず過保護だなァ。男の体を地面に捨てて、アニキの体をギュッと抱きしめる。思いっきり眉間にシワが寄ってる。さっき煙草吸ってたからクッセェんだろうな。腕に力を込めると、ポンポンと背中を叩かれた。見下げると、なんとも言えない顔をしたアニキがいる。アニキ意外に表情コロコロ変わるよな。流石オレらのアニキ♡
    「肝が冷えた」
    「キモ?」
    「レバ刺しが好きィ」
    「……ゾッとした。計画では、お前達が声を掛けた瞬間、俺が麻酔を入れる手筈だっただろう」
    アニキがオレらにされるがままを選択したらしい。ただし、銃口は地面に転がった男に向いている。アニキカッコいい~!たぶんソイツ1時間は目覚めねぇよ。オレらの答えをくれって、黒い目が見つめてくる。オレ、結構アニキの目好き。
    「うん。でも叫ぼうとしたから」
    「逃げようとしたから」
    「……」
    でっかいため息をついて、アニキが頭を抱えている。なんで?オレらむしろ良いことしたくね?高を見ると、目で肯定された。だよなァ?褒めてくれても良くねェ?なんでそんな困った顔してんの?
    ユタカタカシ、計画外の行動は避けてくれ。今みたいに異能を使われるかもしれない」
    「でも予め耐性つけてるし」
    「そーそ。アニキのアドバイスどおりになァ♡」
    「流石アニキィ♡」
    噛みつかれた肩を高が撫でてくる。服の下にはガッツリ高の歯型がついている。男に声を掛ける30分前に、あらかじめ高の異能で精神耐性をガン上げした。だからクグツがどーちゃらって言ってたけど、ゼーンゼン大丈夫。オレらがアニキの頭を撫でると、またアニキが何か言いたそーな顔をしてくる。う~ん、たぶんそういうことじゃねぇって言いてぇのかな。長くなりそうだから無視しよ!
    「アニキ、手錠掛ける?」
    高があからさまに話題を変えた。オレもそれに乗る。
    「アニキィ、連行したら焼肉行かねェ?」
    「アニキの奢りでな♡」
    オレらが笑うと、諦めたため息。アニキホントにオレらの押しに勝てねぇよなァ。そういうとこが好き。背中からアニキの肩に手を回して、顎先まで指を滑らせる。
    「――わかった。だが、説教は聞いてもらうぞ」
    「げぇ!」
    「ヤダー!」
    ウンザリな顔を作って、アニキから手を離してお手上げのポーズ。アニキの顔からするに、ダメそ~。諦めて説教聞き流すかァ。
    すっかりクグツになりきった男の腕を引っ張って、手錠を掛ける。あ、なんか今脱臼した?ま、いっか。“クグツの神”なんだもんな!
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