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    SSR_smt

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    SSR_smt

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    #いいねくれた人んちの子拉致って臨時バディ妄想する
    血咲ちゃんと最高双子です😊🤞🤍🎶
    反応ありがとうございました꒰ঌ🧡໒꒱ちょっと待ったァ‼聞いてくださりどうもありがとうございました💖💖💖💖💖💖またどこかで‼

    「――ちっちぇ~」
    「声聞こえねェから抱っこしていい?」
    「うむ!構わんぞ!」

    両手をこっちに向けた血咲ちさきちゃん、が扇子で口元を隠して笑った。まぁ1m以上身長差があるオレらからは口元丸見えなんだけど。抱っこ係はじゃんけんして勝ったユタカがすることになった。っちぇ。オレも抱っこしたかったな~。肌白くて、ピンクの目で、なんかフワフワしてるミルクティーみたいな色の髪。なんつーか、守ってあげたくなる系?みたいな見た目してんのな。名前が物騒だから、もっとゴツい女が来ると思ってた。ラッキー!ViCaPは可愛い女が多くて良い。

    「なんじゃ、まじまじと見て!儂の顔に何かついているか?」
    「ん~、血咲ちゃんカワイイなって思って♡」
    「見る目があるではないか。もっと褒めても良いぞ」
    「ギャハハ!チワワみてぇでカワイイなァ」

    最とゲラゲラ笑いながら、ViCaP本部を出る。ここからはもう完全にお仕事モード。さっきまでニコニコしていた血咲ちゃんの周りの空気が変わる。このピリ付いた空気、割りと好き。

    ボロい一軒家に着くと、最と目を合わせた。窓から薄っすら見える干してある服。雑草まみれの庭にある僅かな獣道。たぶん人は住んでるなァ。最は血咲ちゃんを抱っこしてっから、オレが代わりに裏手に回る。だいたいこの辺にあんだよ。――ビンゴだ。つまり今、この中にヴィランがいる。これは借金の取り立てをしていた時にセンパイに教えてもらったワザだ。
    再び最にアイコンタクトを送ると、最が血咲ちゃんを降ろそうとする。それにちょっと待った!と血咲ちゃんが服を引っ張った。

    「高は、何をしておるのじゃ?」
    「ん~、電気メーター見てた。今いるってさ」
    「ほう。賢いのだな」

    最の頭を撫でる。あ!オレがされたかったのに!つーかなんで最の方がされんだよ!睨むと最がニンマリとしてきたので余計クッソムカつく。後で覚えてろ。おいピースしてんな。クソッ!

    「儂は裏を取る。おぬし達は目立つからな、正面突破して気を引いてくれ」
    「りょーかい」

    揃った返答をした直後、軽々と血咲ちゃんの体が舞った。風が操れるんだっけ?空、飛べそうで便利だなァ。

    「高、行くぞ」
    「おー」

    最と一緒に玄関の扉まで来ると思いっきり蹴っ飛ばした。身体強化掛けといて良かった~!今のオレら超カッコよくねェ!?メシッと音を立てて扉が吹っ飛ぶ。玄関に置いてあったおおよそ護身用っぽい棒を持って土足で上がる。マジでボロいな。床がミシミシ言う。ただでさえ図体がデカいオレらが歩いたら、床抜けそ~でムリだなマジで。最も同じことを思ったようで、口をへの字にしていた。わかる~、サガるよな。
    ――ミシッ。物音が左奥からした。外の配管と換気扇的にトイレか風呂場だろう。逃げるつもりだ。債務者だって犯罪者だって、デケェクマと遭遇した時とる行動が同じなのと一緒。床板に爆音の悲鳴を上げさせながら、扉に直行する。最がノブを回すが、ガチャガチャとうるせェ音を立てるだけだ。

    「最、退け!」

    ガシャンッ!
    古い家特有のよくわかんねぇ模様の入ったガラスを粉砕する。やっぱ棒持ってきて良かったなァ、オレあったまい~!割ったガラスの穴から腕を伸ばして内鍵を開ける。そこはトイレで、既にもぬけの殻だ。代わりに窓枠が外されて床に落ちている。

    「クソ!逃げた!」
    「オレらじゃこの窓抜けらんねェわ!血咲ちゃん!」
    ――今出てきたところじゃ!追うぞ!

    ザザッとノイズ混じりに血咲ちゃんの声がイヤホンから聞こえてきた。ビュウビュウと風の音がしている。慌てて近くの窓を叩き割って出る。うわ、今上着引っ掛けたことね?最悪なんだけどマジで!ぜってぇヴィラン許さねェ~!
    窓枠を乗り越えて倒された雑草の跡を辿っていく。すぐ裏は住宅街だ。見通し最悪。251センチとかな~り高いオレらでも、流石に家の高さには敵わねぇ。

    「血咲ちゃん!今どのへ……」

    最が言いきる前に、近くで爆発音がした。十中八九血咲ちゃんだろう。この辺のヤツらの悲鳴が聞こえてきた。こっちへと走って来たヤツらが来た方向へと走る。ドンッと2度目の爆発音が聞こえたところで、血咲ちゃんの姿が見える。服が焦げてエロいカッコ……じゃねェわ。なんか大変なコトになってんだけど?!

    「攻撃系の異能かよ」
    「オレらムリじゃねェ?」

    最と顔を合わせる。オレらの異能はバフとデバフ。暴走している相手には殴る蹴るの物理しか出来ねェんだよなァ。炎まみれのウィッカーマンみてェになってる男がこっちを向いた。顔見えねェけど。つられて血咲ちゃんがオレらに気付く。

    「最!高!こっちに来てはならぬ!」

    あ~そういうカンジ?吠えた血咲ちゃんの言葉に、どういう性格なのかを理解する。仲間大好きタイプね~、はいはい。じゃあある程度は守ってもらえっかも?
    近寄って行かないオレらを見て、安堵したように血咲ちゃんはウィッカーマン君を煽る。

    「ほれほれ!貴様の相手は儂じゃ!こんなか弱いオナゴにも勝てないのかの?」
    「…ッ!」

    案の定反応するウィッカーマン君。プライドばっか高いヤツってなんでこんなバカなんだろうなァ。
    血咲ちゃんが次の瞬間、炎に飲まれた。渦を巻いた炎は、轟音と共に炎が弾かれるように吹っ飛んだ。さっきの爆発ってこうなってたンだな。白い服が黒焦げになりながら、ゲホゲホと血咲ちゃんの姿が現れる。炎が近くまで迫ってたからか、汗だくだ。
    血咲ちゃんがお返しとばかりに風を起こす。男の纏う炎がグラグラと激しく揺れ、引きちぎられるように小さくなるものの、すぐにメラメラと燃え始めてしまう。

    「ッくぅ!ダメか!」

    武器の扇を広げて眉間にシワを寄せ悔しそうにしている。それを、ウィッカーマン君は嘲笑っている。煽り返されてっけど。あ、怒ってる。
    いや、ムリそーじゃね?炎と風って相性悪いだろ。理論とかムズカシーこと知らねェけど、ゲームとかでもそうだし。
    回んねェ頭使ってる間にも、ウィッカーマン君の攻撃は止まない。爆発が血咲ちゃんの周囲で起き、その度血咲ちゃんは炎に晒される。

    「死ね!ViCaP!」

    ウィッカーマン君が今までで1番デカい炎の玉を血咲ちゃんにぶつけようと振りかぶる。血咲ちゃんが扇を構える。見た瞬間、オレらは走り出していた。

    ――アイコンタクトなんて、本来は必要ねェんだわ。

    血咲ちゃんの体を引っ掴んでスライディングのように地面を転がる。ジリリと服が焼ける焦げ臭さと、肌を焼き尽くそうとしてくる熱気に、ドッと冷や汗を掻いた。

    「ッうぇ、あっつ!」
    「あっぶね~、丸焼きになるとこだったわ」
    「血咲ちゃん、だいじょぶそ?」
    「……お、ぬしら」

    腕の中にいる血咲ちゃんは、事態を飲み込めてないらしくオレらの顔を見比べている。比べても一緒じゃね?

    「な、なんで助けた!?危ないじゃろ!」
    「血咲ちゃんのが危なかったじゃん」
    「儂はなんとかなる!」
    「なんね~って!ほら、服すげーコトになってんじゃん」

    白い肌が丸見えのところを指すと「な!」と頬がピンクに染まった。カワイ~ね。本当ならもっとからかってやりてェけど、今そんな場合じゃねェからな。血咲ちゃんの細っせぇ腕を掴んだ。二の腕なのにオレらの手でグルッと1周出来る。マシュマロみてぇな肌にへばりついた黒焦げの服を捲って手を這わせた。

    「噛みやすくて助かるわ」
    「ちょ~っと痛ェけど、我慢しろよォ♡」
    「?っ痛ぁ!?」

    見えている肌に齧り付く。柔らかい肌は歯が簡単に通る。グッと噛みつけば血咲ちゃんの体がビクンッと揺れた。快楽物質が脳みそに直接ぶっ込まれるらしいんだけど、お気に召したかなァ?血咲ちゃんを見れば、熱い吐息が吐かれる。ギラついた目が、闘志を引きずり出したことをオレらに教えてくれた。
    ――あ~すげェイイ顔すんじゃん。この瞬間が1番アガんだよなァ~!噛んだ痕を舐めると、若干血の味がした。ホントはここまでしなくていーんだけど、それはオレら以外知らねェ。だって思いっきり噛んだほうが面白ェんだもん。

    「ど!?な、なんじゃ!?もしや」
    「そ。異能」
    「オレらのこと、ちゃあんと守ってよ?」

    血咲ちゃんに上着被せると、血咲ちゃんが上着をギュッと握り締める。最が手を引っ張って立たせると丁度周りの建物が焼き付けた煙が晴れたところだった。
    オレらの前に立った、ちっちぇ~体は炎に照らされている。

    「誰に言っておる!当たり前じゃ!今度こそ、そこで見ておれ!」

    パンッと扇が広げられる。軽く振られた細腕からは、さっきとは比べ物にならないくらいデカい風の塊がウィッカーマン君の体に激突した。モロ浴びたウィッカーマン君の体から炎が剥がされる。風圧に、炎が黙らせられる。

    「戯れはここまでよ。儂の力、とくと味わうが良い!」

    血咲ちゃんのピンクの瞳に、最後の炎がジュッと潰されたのが映った。




    「血咲ちゃんカッケ~!」
    「つよォ♡流石すぎィ♡」
    「ふん!まぁ儂に掛かればこの程度」

    住宅街の火諸共黙らせた血咲ちゃんは、地面に伸びている男に手錠を掛け踏みつけながら扇を口元で広げた。うわ~スゲェわかりやすいドヤ顔~!

    「それより最、高!」
    「なにィ?」
    「おぬしらの異能、大変良きものであった!名に恥じぬ最高サイコーじゃったぞ」
    「ふ……ははは!アザース!」

    思わず吹き出した。何を言うかと思ったら、オレらがサイコーって。そりゃそーじゃん。だってオレら“最高双子”だもん。トーゼンじゃん?最と一緒にゲラゲラ笑って喜んだところで、ふと。思い出した。


    「あ、血咲ちゃん。最じゃなくて今度はオレ撫でてよ」
    ――忘れてねェからなァ?
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