この後めっちゃ怒られた「理櫻!まだやれるな」
「当たり前や……!」
爆風が吹きすさぶ中、理櫻は負けじと声を張った。鎖を杖代わりにして立ち上がった彼女の手は既に皮が何ヶ所もめくれており、見た目だけでも十分痛々しい。
頼我は彼女に振り向かず、敵がいる4時の方向を睨みつけていた。いつも被っている軍帽は既にどこかに吹っ飛んで行方不明だ。短髪が汗と血により額に張り付いていて鬱陶しい。グローブで乱雑に拭った頼我は、軍刀を握り直す。まさか手加減のために使っていた軍刀が、必要装備になるとはViCaPをやって18年、思ってもみなかった。持参した軍刀は1本爆発に巻き込まれて破壊されたため、今持っている軍刀が最後である。頼我はもう一度額の汗と血を拭った。
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