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    Rm_yk04

    @Rm_yk04

    きつね!!ドッ

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    Rm_yk04

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    こあ死ネタ
    狐を死なせたかった
    いつもより駄文で申し訳ない

    おいていく死が近づいていると、狐雪は感じていた。怪我の治りが遅くなった。頭が痛むことが増えた。肌がひび割れたように体に亀裂が入っていた。恐らく寿命を迎えているのだろうと、狐雪はひしひしと感じていた。みんなに打ち明けるかどうかを、狐雪は迷っていた。唯一人間ではない狐雪が真っ先に死ぬなど、誰も考えていないだろうから。きっと大きなショックを与えてしまうと思ったから。様々な理由から、狐雪はこの大きな秘密をひた隠しにしている。限界だと感じたら、こっそりと逃げ出し人知れず死のうと考えていた。それは、叶わなかったが。

    ***

    「雪と2人だけで探索に出かけるのは久しぶりね」
    「そうだね。いつもは荷物持ちとしてネーヴェかジェミニのどっちかが着いてきてたから」
    「ふふ。なんだかデートみたいで妙に緊張しちゃうわ」

    スイートフラワー50本に松茸を10本、ついでに絶雲の唐辛子をできるだけ沢山。それが璃瑞から私たちに与えられたミッションだった。雪の言う通りいつもなら男子のどちらかが着いてくるが、この日は2人とも魔物狩りに行っていたため、雪と2人きりだ。順調に素材を集めつつ、たまに雪と他愛のない話をしながら辺りを散策する。途中でスライムやヒルチャールに出くわすことがあったが、雪が片付けてくれた。

    「今日の晩御飯はどれだけ豪勢なものになるのかしら。今から楽しみで仕方ないわ」
    「肉料理だといいな。最近魚ばっかだったから」
    「そうね。鶏肉のスイートフラワー漬けだったりしないかしら」

    雑談混じりにスイートフラワーを回収していく。街で売っていることもあるが、自然のものの方が甘くてしっかりしているので、うちの料理人は天然物のスイートフラワーがお気に入りだ。取りこぼさないように周りに注意しながら歩いていれば、スイートフラワーの群生地に行き着いた。品質の良さそうなものを選びながら籠に詰めていく。一等良さそうなスイートフラワーを手に取ろうとした時、地面に雷元素の反応が見られた。

    「っ、アリア危ない」
    「えっ」

    雪が私を押しのける。突然飛び出してきたトリックフラワーの一撃を受けたらしい雪は、苦痛に染まった呻き声を出した。パリ、と乾いた音が響いて、トリックフラワーが倒れていく。ああ、私の不注意のせいで雪に怪我をおわせてしまった。その場に立ち尽くす雪にごめんなさいと声を掛けながら近づく。

    「大丈夫?怪我をおってしまったみたいだけど」
    「ただの軽傷だよ。これくらい大丈夫」
    「その、庇ってくれてありがとう。それとごめんなさい。私の不注意のせいで」
    「謝らないで。トリックフラワーの見分け方は難しいからね。仕方ないよ」
    「今すぐ治しましょう。雪、こっちを向いて」
    「これくらい自分で治せるから。心配しないで」
    「でも」
    「大丈夫だから。ね?」

    雪は一切振り向かずに優しい言葉を私にかけ続ける。何かがおかしい。そう感じて更に雪に近づいた。雪が庇っている右腕は、着物で隠れているとはいえ存在があるとは思えない。そう、まるで右腕が消滅してしまったかのような。

    「っ、雪!貴方その腕」
    「……アリアのせいじゃないから。気にしないで。近いうちにこうなってはいただろうから」

    雪が振り向く。普段は無表情なくせに、振り返った雪は淡く儚い微笑みを浮かべて、真っ直ぐ私を見ている。

    「……まさか私が最初だなんて、自分でもびっくりしてるんだ。もう少し持つとも思ってたんだけど、さすがに攻撃を受けちゃったらだめだったみたい」
    「…何言ってるの。今からでも治療すれば」
    「無理だよ。自分のことは自分が一番理解してる。体が崩壊し始めてるんだ。単なる怪我なんかじゃない。私はこのまま消滅しちゃう」

    終始笑顔でそう話す雪は、自分の死を完全に受け入れていた。抗う様子もなく、いつもの淡々とした調子のまま、死ぬことを受け入れている。

    「ねえ、やだ、雪。置いていかないで」
    「……アリア。私の事忘れてもいいからね。きっと私よりいい人が見つかるだろうから。……ごめんね」

    ぱりん、と、音がした。雪の顔にヒビが入って、ガラスのように雪の体が崩壊していく。光の粒が雪を包んで、空に消えていく。必死に手を伸ばしても、雪の存在は掴めない。

    「雪、雪、まって。ねえ、うそ、置いていかないで。貴女のこと、忘れられるわけないでしょう。ねえ、雪」

    完全に姿を消した雪が唯一残したのは、彼女お気に入りの椿の柄の赤い着物だった。地面に座り込んで、その着物を抱え込む。温かいそれは、さっきまでそこに人がいたことを示すなによりの証拠で。

    「……どうしてなの。どうして」

    ぽつぽつと涙が流れる。段々と溢れるそれの止め方が分からない。赤い着物に水玉が追加されていく。声を押し殺して泣くこともできず、私は暫くその場にうずくまることしか出来なかった。
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    Rm_yk04

    DONE捏造しかない
    1.ポム寮に選ばれたア嬢
    2.薬の取引をする狐
    3.ジが何の人魚なのか話すみんな
    4.先生に怒られるみんな
    5.飛行術下手くそジと天才璃
    6.寮長について話すみんなと気が気じゃないモブ
    いつめんツイステパロ「ポムフィオーレ寮!」

    高らかに宣言した闇の鏡の判定に、思わず口を開けたまま呆然としてしまった。ポムフィオーレ寮。美しい人々が集まる寮。そんな綺麗で豪華な寮に、こんなみすぼらしい私が?闇の鏡に判定の取り消しを頼もうとしても、この学校では闇の鏡の判定が全て。今この場で転寮を請うことなど出来なかった。渋々ポムフィオーレ寮に選ばれた人たちの並ぶ最後列につく。前に並ぶのはやっぱり綺麗な人ばかり。闇の鏡は私の事なんてもはや興味がなくて、新入生の判定を次々に行っている。どうして私はここに選ばれたのだろう。そもそもどうして私はこのナイトレイブンカレッジに選ばれたのだろう。私にはこの学校に入る資格も、ポムフィオーレ寮に入る資格もないはずなのに。ぐるぐると思考が回っているうちに入学式は終わってしまって、それぞれが選ばれた寮に向かうことになった。私に与えられた部屋は十分な広さのある2人部屋だった。同室のパートナーによろしくねと挨拶だけして、荷物を片付ける。入寮式が終わったら寮長に転寮願いを出そう。どこにいくかは決めていないけれど、とにかくここは似合わない。
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    Rm_yk04

    DONE久しぶりの🔩
    ネに監禁されるジ
    解釈違いしかない
    ストックホルムの中心地目を開けると、薄暗い天井が映し出される。ああ、やっぱりかと最近見慣れた景色にうんざりした。起き上がるとじゃらりと鎖の音がして、それが更に不快にさせる。首にかけられた頑丈で重い首輪が外れる気配はない。盛大なため息をついてベッドから降りた。外へと続く扉をノックすると、ピッという音の後に扉が開かれる。随分と重たそうな扉を開いて出てきたのは、見たくもない男の顔だった。

    「おはようジェミニ」
    「うっさい。さっさとここから出せ」

    僕をここに閉じ込めた男は、相も変わらず濁った瞳で笑うだけだった。

    ___

    朝目が覚めたら知らない部屋に閉じ込められていて、おまけに鎖付きの首輪まで付けられていた。監禁されたのかとどこか冷静な頭は判断していて、そしてその判断はまったく間違っていなかった。鎖付きの首輪は特注なのかと疑うくらい質の高いもので、恐らく元素を封じ込める技術が使われているものだ。さっきから何度も元素を使おうと試しているが、元素が答えてくれることはない。きっと常習犯の仕業だろうとアタリをつけた。神の目を持つ者を攫い人身売買の場に出すということはそこまで珍しくない。まためんどくさい事に巻き込まれたものだとジェミニは辟易した。こんな異常事態に対して至極冷静なジェミニを驚かせた唯一の事実は、実行犯が身内だったことだ。いつもと変わらぬ顔で、いつもの様に人当たりのいい笑顔を浮かべて、ネーヴェはジェミニの前に現れた。手にはカードキーが握られていて、おそらくそれがこの部屋から出るための鍵だろう。
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