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    ぽぷろあ

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    ぽぷろあ

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    タル鍾 恋人設定 幻覚強め 何でも許せる人向け
    先生の誕生日記念

    かわいいものが好きな先生の話

    #タル鍾
    gongzhong

    一番嬉しい贈り物店頭にある陳列棚を端から順にゆっくりと眺めた。定番の物から新たに出た品まで、ありとあらゆる璃月に因んだ特産品が、所狭しと並んでいる。

    ふと、右側の方に目にしたことのない物が積み上がっているのが見えた。崩さないように、そっと一番上の一つを鍾離は手に取った。

    手套越しでもわかる、もちもちとしてふんわりとした心地よい手触りに、淡い金色と灰色の二色で彩られ、ちょうど鍾離の掌に収まる位の大きさをしたそれは、金ヤマガラを模したまん丸なぬいぐるみだった。つぶらな瞳の傍には朱色の化粧が小さく施されていて、愛らしさに拍車をかけている。

    初めて見る物だった。その可愛らしい風貌に癒やされて思わず頬が緩む。もっちりとした弾力もやみつきになりそうだった。改めて持っている物を正面から眺める。新たな出会いに鍾離はほぅっとため息をついた。

    「先生、それ買うの?」

    急に話しかけられて飛び上がりそうになったがなんとか耐える。鼓動が嫌な音を立てて音を刻んだ。新たな出会いに、ほっこりとしていたはずなのに急激にどっと冷や汗をかいて息を呑む。声のした方を見れば、大量の荷物を抱えたタルタリヤが、鍾離の手の中に収まっている物を不思議そうな顔つきで覗き込んでいた。

    「い、いや…その…どうやら最近出たばかりの品らしい。質も良く手触りも申し分無い上、見た目も悪くない。土産に丁度良いのではないか、と思ってな」
    「うーん、そうだねぇ…確かに顔つきも可愛いし手触りもいい…トーニャなら喜んでくれそうだ…よし、それも買おうかな」

    ニコニコと笑顔で支払いをするタルタリヤを横目に、鍾離は無意識に詰めていた息を気付かれないように小さく吐き出す。それと同時にタルタリヤも支払いを済ませたようだった。

    「お待たせ、先生。うん、先生に来て貰って正解だったよ。お陰でいいものが沢山買えた」
    「そうか、それは何よりだ。凄い量だが一旦持ち帰るのか?」
    「いや、このまま配送の手続きをしてくるよ」
    「そうか、なら俺はあちらの方で待つとしよう」
    「うん、ありがとう。もうちょっと待っててね。すぐに済ませてくるから!」

    大量の荷物を抱えたタルタリヤの背を見送る。完全に見えなくなってから鍾離は大きく息を吐いた。平静を装ってはいたものの、未だにドクドクと鼓動が脈打っていて落ち着かない。自分は上手く誤魔化せただろうか?きちんと取り繕えていただろうか?不安ばかりが胸に渦巻く。

    指定の場所に立ち、もう一度ため息をついてから腕を組んで目を瞑る。
    鍾離には恋人のタルタリヤにどうしても言えない秘密があった。

    何を隠そう。無類のかわいいもの好き。で、あった。

    ✦✧✦

    鍾離は昔からかわいいものには目がなかった。

    まん丸としたヤマガラなどの動物やスライムを見ては顔を綻ばせて時間の許す限りゆっくりと観察し、商店で動物を模した民芸品や人形、それからぬいぐるみを見かけては余すこと無く全て入手。洞天に建てた屋敷のとある一室は、集めたそれらで埋めつくされているくらいで、旧友たちにはよく揶揄われたものだ。

    神として人々を導く立場になってからは体面も考えて―戦でそれどころではなかったのもあるが―すっかり鳴りを潜めていたこの趣味も、凡人になったことによって大いに再燃したのだった。つい最近から各国の品にまで手を出し始めたせいか、部屋に入り切らないくらいの量になり部屋を一気に拡大したのが記憶に新しい。

    かわいいものに囲まれて幸せに凡人生活を謳歌している鍾離だったが、ここで冒頭に戻る。そう、恋人であるタルタリヤにこのかわいいもの好きの趣味を打ち明けていないのだ。

    どうやらタルタリヤは鍾離の武神として名を馳せていた強いところが好き、らしい。

    告白された時も『抜けた所があるけど強い先生が好き』などと言っていた。顔を合わせる度に手合わせをせがまれるし、抜けた所というのは、まぁそれなりに身に覚えがあって何となく分かる。この趣味の事ではないのは確かだ。

    彼の持つ鍾離の印象と今の自分は合致しているのだろうか。そう思うと打ち明ける勇気が出なかった。鍾離とて少なからずタルタリヤを想っているのだ。彼の持つ印象が崩れてしまえば、この関係も終わってしまうのではないかと。そう思わずにはいられず、隠すことに決めたのだ。

    今日見掛けたぬいぐるみは今度また旅人に依頼するとしよう。

    鍾離の趣味を知っている旅人には、旅先でかわいいものがあれば買ってきてほしいと長期依頼していたが、最近ではタルタリヤに知られないようにする為に璃月での買い物も頼むようになってしまった。次回は報酬をもっと上乗せしてやろうと鍾離は心に決めた。

    「ごめんごめん、待たせたね」

    スッと閉じていた目を開ければ、先程の大荷物とは打って変わって小さな包を一つだけ抱えたタルタリヤが眼前まで来たところだった。

    「構わない。それより、それは送らなくてもいいのか?」
    「ああ、これ?これは家族の分じゃないからね」
    「?…そうか」
    「うん、それじゃあ行こっか。先生、今日のオススメは?」
    「今日か、そうだな…」

    いつもと変わりのない様子のタルタリヤに、まだ秘密は露呈していないようだと鍾離は安堵した。気を取り直して昼食の場所を思案しながら、二人並んでゆったりと街中を歩いて行った。

    ✦✧✦

    「あー美味しかった!流石、先生のオススメだ」
    「期待に添えたようでなによりだ。あそこの店は鶏料理が有名だが、今度は野菜を主としたものも頼んでみるといい」
    「へぇ、今度頼んでみようかな」

    ゆるやかに過ごした昼食の帰り、暦が冬のせいか少し早めに日が傾き始めた道を二人並んで歩く。この後は特に予定はない。ないが、どちらかの部屋で過ごすのも悪くない。

    そう鍾離が考えていると、隣を歩いていたタルタリヤがピタリと立ち止まった。それに釣られて鍾離もすぐ傍で止まる。

    「あ、そうだ先生ちょっと手を出してくれないかな」
    「?…こうか?」
    「うんうん、そんな感じかな。はい、これ」

    出した手の上にタルタリヤは抱えていた荷物を乗せた。見た目よりも思った以上に軽いそれに不思議に思って首を傾げる。

    「これがどうかしたのか?」
    「それは先生の分だよ。今日付き合ってもらったお礼に」

    開けてみてよ。と、そう促されたので鍾離は素直に従って包みを開ける。中から白くて丸い形状のものが出てきた。もちもちとしてふんわりとした心地よい手触りは覚えのあるものだった。それは…

    それは、昼食前に見た金ヤマガラのぬいぐるみだった。

    サーッと血の気が引いていく音が聞こえる。

    「こ、れは…」
    「先生これ欲しそうに見てたからさ。それにしてもこれ、触り心地抜群だね。欲しくなるのも分かるなぁ」
    「あ、…ああ、…そう、だろう…」

    そうだ、今ならまだ取り繕える。新しく出た品が物珍しかったとか、タルタリヤの言う通り触り心地が良くてとか、かわいくて見惚れていた訳では無いと、いくらでも言い訳を述べることができる。落ち着けと何度も胸中で呟くが、胸の鼓動は嫌な音を立て続けていた。声に出そうとしても口が全く回らなくて音にならない。

    「それに、先生こういうの好きだよね」

    喉がひゅっと音を鳴らした。口の中がカラカラと乾燥していく。言われた言葉を何度も反芻するが、真っ白になった頭の中では理解できなかった。したくなかった。

    今日の態度で知られてしまったのだろうか。一体どうして、何故。自分はそんなにも分かりやすかったのだろうか。後悔ばかりが頭の中を回る。知られてしまった事への恐怖に鍾離は一歩後ずさった。

    「うーん、俺の分も買えばよかったかな?そしたら三人でお揃いだし…いや、いっそ家族全員分買って………先生?」
    「…すまない、急用を…思い出した…今日は、これで帰らせてもらう」
    「…へ?え、ちょっ…先生!?待っ…」

    貰ったぬいぐるみを片手に、急いでその場から去ることしか出来なかった。

    タルタリヤの静止の声を振り切り、踵を返して駆け出した。人気のない場所に入り込んだ後、鍾離は自分の洞天へと逃げ込んだのだった。

    ✦✧✦

    膝の上に乗せたぬいぐるみを軽く撫でる。フカフカの、少し長めの茶色の毛が手套を外した掌に直接触れ、撫でる内に温かさが増して心地いい。抱き上げてぬいぐるみの顔を覗き込めば、まろい輪郭と朱色の飾りがついた一直線の目が鍾離の目と合う。

    仙祖の亡骸を模したぬいぐるみだ。こんなものまでかわいく作れるのかと、これを見つけた時は盛大に笑ったものだ。その場で買って、今では最もお気に入りのぬいぐるみの一つだ。

    いつもならこれを撫でるだけで簡単に癒されるはずが、今は全く気分が晴れそうになかった。洞天のかわいいものが集められた広い部屋に、はぁっと重い溜息の音が虚しく響く。これまで集めた品々を眺めても同じだった。

    金ヤマガラのぬいぐるみを渡されてから半月。
    あの日から、鍾離はタルタリヤには会っていない。

    今日は十二月三十一日。鍾離の誕生日だ。休みをもぎ取るからこの日は絶対に空けておいてよ。と、随分前にタルタリヤと出掛ける約束をした日でもある。

    約束の時間まで一時間をとうに切ってしまった。待ち合わせ場所に行くためにもそろそろ出なければいけないのだが、足取りが重くて腰を上げる気にはなれなかった。行かなければそれはそれで問題になると理性では分かっていても、もう一度会った時に別れを切り出されるのでないかと恐怖で足が竦む。

    座った側とは反対側の窓辺を見やる。そこには半月前にタルタリヤから貰った金ヤマガラのぬいぐるみが飾られていた。壊れないようにありとあらゆる仙術を施してあるが、このぬいぐるみがタルタリヤからの最後の贈り物になるかもしれないと、嫌な想像ばかりが頭を過り、気が滅入るばかりだった。

    ふと、洞天に誰かが入ってきた気配がした。

    ここを訪れる者は今ではもうほとんどいない。となれば、依頼の品を届けに来た旅人たちだろう。あの二人にはここに直接届けてもらうためにここの通行証を渡してあるのだ。

    玄関口の方でガタガタと大きめの荷物の音がする。どうやらかなり多くの物を持ってきてくれたようだ。鍾離の誕生日を知っている二人の事だ、気を使って色々持ってきてくれたのかもしれない。二人の顔を思い浮かべるとほんの少し気分が晴れる。膝の上のぬいぐるみを横に退けて立ち上がり、鍾離は玄関へと向かった。

    いつもなら二人の楽しい掛け合いがこの時点で聞こえてくるのに、扉の向こう側はとても静かだった。気配も一人分しかない。どうやら今回は小さな友人は来ていないようだ。いつまで経っても戸を叩く音が聞こえず首を傾げていた鍾離だったが、両手がふさがっているのかもしれないと気付いて扉を開けた。

    「…?」

    扉を開けてすぐ、鍾離の視界は白と水色の二色で埋め尽くされた。

    目を白黒とさせていれば柔らかい感触が鍾離の鼻先に少し触れる。どうやらかなり大きめのぬいぐるみが顔の前に差し出されているようで、両手で持つと、ふわふわとしながらもしっかりとした弾力が掌に返ってくる。鍾離が両手で受け取ったのを確認したのか相手が手を放し、ぬいぐるみの重みが鍾離の手にのしかかった。

    胸の上に抱えるように下ろすと思ってもいない人物がぬいぐるみの向こう側から現れて、鍾離は呆然と立ち尽くす。

    この洞天に入れるはずのないタルタリヤが鍾離の目の前に立っていた。

    「……公子、殿…」
    「やあ先生、ちょっと早いけど迎えに来たよ」
    「何故…どうやってここに…」
    「相棒に頼んでここの通行証を借りたんだ。どうしても一番にそれを渡したくてさ…今日だけは相棒に先を越されたくなかったしね」

    ニコニコとそう語るタルタリヤのその言葉に、やはり何もかもを知っているのだと、全て知られてしまっているのだと鍾離は悟った。目の前が一気に黒く染まる。タルタリヤの顔を直視できなくて下を向く。受け取ったぬいぐるみを、まるで守るようにギュっと抱きしめた。

    「え?…えっ!!?…なんで先生そんなに泣きそうなの!!?…こ、これ駄目だった?嬉しくない??」
    「…体面を保つためにも昔は封じざるを経なかったくらいだ…公子殿が厭うたところで無理はない」
    「は?へ?俺??…いや、ちょっと待って…なんの話……」
    「このような物を集めていては、公子殿が言う強さに俺は当て嵌まらないだろう。だが…」
    「………。」
    「…今後は二度と出さないよう再び封じるとしよう。契約をしてもいい…」

    だから、関係を解消するのだけは。と、鍾離は顔を上げて続けようとしたが叶わなかった。いつの間に距離を詰められていたのだろう。ぬいぐるみごと一緒に抱きしめられて、あやすように背を撫でられる。

    「公子殿…」
    「先生、ちょっと落ち着こうか?」
    「だが…」
    「うーん、そうだねぇ。言いたいことは山ほどあるけど。まずは俺が今渡したものを見て欲しいかな」

    困り顔のタルタリヤにそう促され、鍾離はゆっくりと胸元に抱いたものを見つめる。まず目に入ったのは、薄い水色の尖った大きめの角。それから濃い水色の生地には白い波紋を思わせるような線が描かれていた。

    全体を見ようと鍾離が持ち方を変えようとすれば、察したタルタリヤが鍾離から離れていった。隙間ができた事に若干の寂しさを覚えつつも、改めてこの水色のぬいぐるみの正体を探る。これは…

    「空鯨…の、ぬいぐるみ…?」
    「うん、正解」

    度々せがまれる手合わせの中で見たタルタリヤの最大の技であり、彼の星座そのもの。空を泳ぎ天を呑み込まんとする巨大な鯨が、ぬいぐるみとなって鍾離の腕に収まっていた。

    「先生なら、このぬいぐるみがどういう物なのか分かるよね?」

    タルタリヤに言われるまでもなく、長生きをする間に蓄積されていった知識が既に正解を導き出していた。なめらかで上質な手触りの生地。ふわふわとしながらもしっかりとした弾力。縫製には一寸の乱れもなく職人のこだわりを随所に感じる。空鯨を模しているのだ、既製品ではありえないから恐らく一点物。一朝一夕で仕上がるものではない。

    そこから導き出される答えは随分前から用意していた物だという事。鍾離の好きなものを知った上で恋人が考えてくれた特注品。それにタルタリヤは存外恋愛ごとに関してはハッキリ物を言う。別れを切り出されるとしたら知られた時点でされたはずだ。

    そこまで考えて、そっとタルタリヤに片手を取られる。落とさないよう片手でぬいぐるみを抱え直してから鍾離がタルタリヤの方に視線を向ければ、手の甲に口付けを落とされた。

    「俺はね先生。戦いで征服し甲斐のある強い所も、毎回モラを持ち忘れて抜けている所も、かわいいものが好きで集めている所も全部引っ括めて好きなんだ」
    「……っ…」
    「先生は強くて格好良くて美人で可愛いんだから、どんな姿でもどんな趣味を持っていても、俺は愛してるよ」

    タルタリヤの言葉が鍾離の胸にまっすぐ届いた。今まで胸の中に抱えていた不安がその言葉で消え去り、いつの間にか強張ってしまっていた肩の力がすとんと抜け、安堵の溜息をついた。

    だが、己の行動をよくよく考えて振り返えれば、タルタリヤの言葉を曲解して一人で暴走した挙げ句、彼を盛大に振り回す結果になってしまった。今更ながらその事に気付いて鍾離の中に罪悪感が込み上げていく。

    「その、公子殿…この前はすまなかった…それに今回も…」
    「気にしなくていいよ。元はと言えば俺の言葉足らずが原因なんだから」
    「そんな事は、ないと思うが…」
    「細かい事はいいの…それに、今日は先生の誕生日なんだから、悪いと思うなら大人しく俺に祝われて欲しいな」
    「わ、分かった…公子殿がそう望むのなら」

    鍾離の回答に満足したのかタルタリヤは笑顔でうんうんと何度も頷いていた。視線を下げて腕の中に収まっているぬいぐるみをもう一度まじまじと見る。時間と予算を惜しみなく使って作られたであろう一品。鍾離とタルタリヤは付き合いだしてまだ半年も経っていないのだ。タルタリヤは一体いつからこれを用意していたのだろうか。流石に贈り物の制作過程を聞くのは憚られたため、違うことを聞くことにする。

    「公子殿は、いつから知っていたんだ…?」
    「先生がこういうのが好きって話?それなら付き合う前から。最初から知ってたよ」
    「そうか…うまく隠していたつもりだったがとうに見抜かれていたのか…俺もまだまだ甘い」
    「……そりゃあ、好きな人の好みを知るために必死だったっていうか」
    「?…何か言ったか?」
    「っ……な、何でもないよ」
    「……??」

    最後の方が聞き取れず首を傾げていると、近づいてきたタルタリヤが鍾離の額にちゅっと可愛らしい音を立てて口づけを落とした。そのままの距離で額を合わせお互いに笑い合う。タルタリヤの温もりを感じながら、別れる事にならなくて本当に良かった。と、鍾離は改めて安堵した。

    「ふふ、誕生日プレゼントはそれだけじゃないよ。それから、あっちの方に相棒からのプレゼントも入ってるから後で確認してね」

    タルタリヤに言われて辺りを見渡す。先程は混乱していて目に入っていなかったが、玄関を出た先には綺麗に包装された箱や紙袋や様々なものが山のように積み上がっていた。積まれたそれらに最初は目を丸くしていた鍾離だったが、徐々に笑顔を綻ばせていった。

    「改めて、誕生日おめでとう鍾離先生」
    「ありがとう公子殿」

    あの贈り物の数々にはきっと鍾離が喜ぶものが沢山入っているのだろう。

    この長い生の中で、今日よりももっと盛大に数え切れないほどの贈り物をもらった経験があるのに、今日、彼から貰った贈り物が何よりも一番嬉しかった。後で贈り物の数々を開けるのが鍾離は楽しみでならない。

    「じゃあ、これを運んだら行こうか。今日は腕によりをかけて作るよ!」
    「ああ、それは楽しみだ」

    今日のこの日を、タルタリヤと迎えることができて何よりも幸せだと、鍾離はそう思った。

    余談として。後日、タルタリヤはプレゼントの空鯨のぬいぐるみが鍾離のベッドに毎晩居る事を知り、すこぶる嫉妬する羽目になるのだが…

    それはまた別のお話。
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