モザイクの魔術師 5中編2☆
あれ、家だ。
さっきまで消防署にいて…なんか、みんなで話し合ってたのに。
そうだ、メジロさんがウチに泊まるって…メジロさん…?
「おっ、目ぇ覚めたのか。具合どうだ?」ドアの向こうから師匠の声がした。
「ししょう?」
「入るぞ」
師匠は緊張した顔をしてたけど、声はすごく優しかった。
「途中で具合悪くしたから連れて帰ってきたんだ。頭ふらつくとかないか?」
「な…ない」
と言ったけど、さっきのことを思い出して怖くなった。
「し、ししょう、メジロさんは…」
「ああ、アイツなら大丈夫だ。説明するけど…聞けそうか?」
どういう意味だろう。
サングラスで師匠の目は見えないけど、私の方を見てるのはわかった。心配してる時に師匠がする癖だ。心配されるようなことを聞かなきゃならないんだ。
2937