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    dumb_bomb_

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    dumb_bomb_

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    子シャン→バギ+レイリー
    バギーに片想いしているシャン
    ※未成年が飲酒した表現があります。

    You mine! 酔った勢いとはいえ、バギーに好きと言ってしまった。
     酒を飲んでしまったのは飲んでいたコップの横に酒が入ったコップが置いてあったから。
     すでに場の空気に酔っていたし、酒の味が嫌いではなかったしで気付かずに飲んで顔が赤くなったところで大人たちが気が付いた。心配はされたが俺が普通に話していたからそれ以上に心配されることはなく、ただ酒を取り上げられただけ。
     しかし意識があるとはいえ、酒の力というものはすごいらしい。いつものように隣にいたバギーと喋って騒いで肩組んで、そのまま「バギー好きだ」と言った。夢じゃない。確かに口走ったことを覚えている。そして、バギーの反応も覚えている。
    『なんだあ。おまえも、おれ様の魅力に今頃気が付いたのか』
     昨晩は酔っていたせいでその返答を気にすることなく、ずっとそうだと、笑って返した。今思えば俺の告白は違う方向に捉えられてしまったということがわかる。そして、バギーからは俺と同じ目で見られていないということにも。
     俺はこんなにもバギーのことが好きなのに。
    「シャンクス、大丈夫か?」
    「レイリーさん」
     ズギン、と痛む頭を抱えて深くため息をついていたら、心配したレイリーさんが水を持ってきてくれた。頭と胸が痛いことを伝えると、頭は二日酔いで、胸は成人前の体に酒を入れたせいなのかもしれないと、クロッカスさんに診てもらうように言われた。
     だが、俺はそうじゃないことを知っている。
    「バギーのことを考えると胸が痛い」
    「……そうか」
     レイリーさんは深刻そうな顔をした。
    「俺はこんなに好きなのに、昨日のバギーの反応、全然違った」
    「……そうだな」
     レイリーさんの眉間に皺が増えた。
    「どうやったら、バギーも俺のこと好きになるかな」
    「シャンクス」
     顔を手で覆ったレイリーさんに静かに呼ばれる。何かに深く悩んでいるような雰囲気で、ため息が聞こえてきそうなほどだ。
     とりあえず、成人前の体に酒は毒だからとクロッカスさんのところに行くように勧められた。それと、朝起きてから頭がガンガンすると言っていたせいか、バギーも心配してくれているらしい。朝は間違えて飲んだのが悪いと言うだけで置いていかれたが、なんだかんだ心配してくれるのがバギーだ。嬉しくて頭痛がなくなりそうだが、なくなったのは胸の痛みだけ。
     もしかしたらバギーも俺のこと好きなのかもしれない。
    「二日酔いの薬をもらいに行ってこい」
    「船長が苦いって言ってたやつ?」
    「そうだ」
    「うげえ」
     飲んだやつが悪いと頭に手が乗った。いつもロジャー船長が言われていることを自分に言われる日がくるとは思ってなかった。しかも海賊見習いのうちに。
    「バギーは?」
    「街だ」
    「え!?」
    「今日島に着くから、一緒に買い出しに行くと話してただろ」
     そういえばそうだった。久しぶりに島に着くから買い出しで好きなものを買ってやろうと話していた。昨日の宴で。
    「もしかして、バギーが心配してたのって……」
    「そう言うことだ。まあ、頭痛が良くなれば俺たちと街にいくことはできる」
     街に行くことはできてもそこにバギーがいない。バギーがいないと楽しさも半減する。今から追いかけていきたい。けどレイリーさんに止められるだろうし、そもそもこの頭の痛さでは走ることもできなさそうだ。
     何かお土産を買ってきてくれるかもしれないという言葉に期待はできない。バギーが俺にお土産を持ってきてくれたことなんて一度もないのを覚えている。捨てる代わりに貰った村の子どもから貰った石は海の向こうに投げ捨てた。
     バギーはモテる。
    「レイリーさん、やっぱり、胸、痛いかも」
    「はあ、薬飲んで大人しくしとくんだ」
     それも異性よりも同性からモテる。赤い鼻があるおかげか、見た目で判断するような子どもはバギーをそういった目で見ることがない。だがモテるとはそういうことに関してだけじゃない。
     弱いくせに慕われる。俺の方が強いのに、バギーは同じ年齢や年下から慕われるような言葉、視線を受けていた。慕うだけならまだいい。それが恋愛とかそういったものに変わらなければ、まあ、まだ、いい。だって俺の方がバギーと長く過ごしていて、バギーのことは俺の方がよく知っている。かっこいいところもカッコ悪いところも弱いところも全部。全部知ってる上でバギーが好きなのだ。ぽっとでの島の奴らなんかに取られたくない。
     あいつはまだ子どもだから、キレイなお姉さんとかに声かけられたら顔を赤くして緊張するのも知ってる。だから今のところ敵は年齢が近い同性だ。一週間ぐらい滞在すると言っていたから、放っておくとまた子分なんか作るかもしれない。早く頭痛治さないと。
    「頭痛い……」
     まあ、どうせ連れてきてもそいつらは子分で、俺は同じ海賊見習いの相棒だ。相棒とは言われたことないけど。
     早くバギーに会いたい。
     頭の中でガンガンと鳴り響く向こうで、バギーが誰かと笑ってる景色が見えた。
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    dumb_bomb_

    DOODLEシャンバギ

    精神的にバギーに甘えてるシャンクス。
    シャンが当たり前のようにお酒を片手にバギに会いに来てます。
    その蜜を吸わせて 昔は少し触るだけで怒られていた。
    「お前、本当に俺と同い年か?」
    「なにをすっとんきょーなこと言ってんだァ? テメェはよォ」
     指から滑り落ちていった空色の髪をもう一度掬い上げて親指の腹でさらりと撫でる。
    「俺の髪と全然違うじゃねぇか」
    「あったりめーよ! おれ様はちゃんと手入れしてんだ。テメェのなんかのと一緒にすんじゃねェ!」
     昔は、海賊見習いだった頃は、ニット帽に隠されたバギーの髪を暴きたくて暴きたくて、ちょっかいをかけては怒られた。突き刺すような陽射しの下でも、嵐に濡れた夜でも。夏島の蒸し暑い中でも。バギーは帽子を外すことはなかった。
     ハゲてるのかと聞いた時には「シャンクスじゃあるめーし、んなわけあるか!」と失礼なことを言われた。流石に子どもの時分からハゲることはない。あの時は言い返してレイリーさんから拳を落とされたなと思い出す。今思えばなかなかアホみたいなことで喧嘩したものだ。いつもそうだったが、あの時の自分は真面目に怒っていた。きっとバギーに言わせてみれば今でもその時のことは当たり前だと答えてくれるだろう。
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