靴箱に入ってた複数の中から水色の封筒を迷わずとった。差出人の名前はない。
けど、中に入ってた手紙の文字は見覚えしかなくて思わず口元が緩んだ。
時間を告げる可愛いイラストのイルカとは正反対な斜めに傾いた文字は、無理矢理書かされたのかいつもより小さめで、──遅れるな、とだけ。
言葉にならって歩いてたら思ったより早く着いてしまったけど準備は済んでたのか揃って出迎えてくれた。
「琉夏くんお帰りなさい!そして─、お誕生日おめでとう!!」
いっぺんに言われると思ってなかったからどっちから返せばいいか分からなくなって、言葉に詰まってしまったけど、とびっきりの笑顔で待っててくれた。
結局、言葉に出来なくて抱き締めてしまってら怒られたしまったけど、今日ぐらいは許して欲しい。
まずは態度で。
心の奥から温かくなった気持ちを二人にお裾分けしようと思う。