Recent Search
    Create an account to bookmark works.
    Sign Up, Sign In

    ソちゃん

    a gay loving gay shipping
    たんぶらー
    https://pinkthunderboltandbluewind.tumblr.com
    ついったーの残骸
    https://twitter.com/aromant1cshiyon

    ☆quiet follow Send AirSkeb request Yell with Emoji 💖 👍 🎉 😍
    POIPOI 11

    ソちゃん

    ☆quiet follow

    アークナイツのCanon Coupleと名高いサリサイのしょうもないショートストーリー二次創作。二人はF××kin' Divorcedですが離婚してないしサリアとサイレンスには後妻だってパートナーだっていないしサリア×クリステンもフィリオプシス×サイレンスも全部嘘(壊れちゃった)

    #アークナイツ
    arkKnights
    #サリア(アークナイツ)
    saria
    #サイレンス(アークナイツ)
    #現パロ
    parodyingTheReality

    サリア×サイレンス現パロ離婚後別居if~都合よすぎ創作同僚モブを添えて~ 肌寒くなってきたこの頃の陽気に、日もとっぷりと暮れた時間に素敵な眺めとは言い難いバルコニー席でディナーをとる客はあまりいない。多少開放的な気分で他人に聞かれたくない話題をするには丁度良い
    「……ふぅー…」
    椅子にもたれ掛かりながら、普段は吸わない葉巻を嗜んでいる。しばらくそうしていると、若い女性が向かいの椅子に腰かけた
    「すみません、サリア。待ちましたか?」
    「いや、私が勝手に早く来て席を取っただけだ。会社からも近いのだから、気にしなくていい」
    彼女は料理を注文しようとウエイターを呼び、私も同じメニューを頼む
    「あたしがお誘いしたはずなのに、わざわざありがとうございます」
    「問題ない」
    葉巻の火を消して灰皿に置き、
    「それに、私は君の仕事に正当な評価をくだしただけだ。先の警備任務では手際よく職務を遂行したな。ボスも褒めていたぞ」
    「本当にありがとうございます!サリアの助言のおかげです。…だから、どうしてもお礼がしたくて…」
    「義理堅いな」
    「どんなに言葉を尽くしても感謝し切れませんよ。実際に襲撃されるなんて考えもしませんでしたから。だから余計に身に染みて…もしかしたら死んでたかもしれないし!」
    「この都市は案外治安が悪いんだ。多少の侮りがあったとしても、まぁ、良くやった」
    前のめりになる彼女を嗜めるように言葉を付け加える。程なくして、照れくさそうにはにかんでいる彼女の後ろからウエイターがハンバーガーを運んできた
    「さぁ、食べよう」

     取り留めもない話をしながら食事も中ほどというところ。そろそろだろう
    「イザベル、私は君を採用するときに忠告した内容を覚えているか?」
    彼女の手が止まり、私の目をまっすぐに見つめる
    「…『摂理』に関する事ですか」
    「そうだ」
    コップに注がれた水を一口飲んで、続ける
    「この世界は複雑なようで至極単純だ。全ては様々な者たちの意志によって形作られている。その意志がどういう内容のものであれ、人々の行為によって絶え間なく輪郭が描き出され、意味を付与された不朽かに見える『構造』を成す」
    「それが悪事であれ、ですよね」
    「その通りだ。特定の他者を苦しめる『仕組み』は大いなる組織や巨大な権力を有した不可侵の存在によって生み出されるのではない。一瞬の在り様に益を見出す個人が、自分の保身だの面子だのの為にいつまでも存続させようとする寄り集まった凡庸な悪意によって原理原則のように振舞うのだ」
    「…」
    「だからこそ悪意に審判を下さねばならない。悪とは、実に簡単に瓦解するものなのだから」
    「…それが、サリアが前職を辞した理由なんですか」
    「……製薬会社ライン生命による前代未聞の薬害事件。影響規模は世界全土に及び、被害者にあらわれた症状は全く未知のもので、寛解はしても未だに有効な治療法を見つけ出せていない。なにより発生原因すら解明されていないのだから。唯一の救いは、どうやら我々の身体とは『相性が悪い』ということだけ。だが病理研究と救済の初動は、ライン生命による極めて巧妙な隠ぺいによって大きく遅れたと結論付けて良い」
    「何度も言いました、サリアは何も悪くない」
    「だがけじめだ。研究に関わりながら奴らの罪業を見過ごした私にとってのつけだ」
    「だからってずっと罪滅ぼしをするの?」
    「しかしこれこそが『摂理』だ。構造とは実際に存在し得ないからこそ万人が真摯に歩み続けなければならない。その精神を阻む卑怯な企みを、愚劣な差別を仕掛ける連中を一人ずつ打ち砕かなければならない」
    「社長が休憩所でくだ巻きながら自慢げに話してましたよ。うちには一騎当千のヴィジランテがいるって」
    「まぁ…随分と骨のない奴らだった。先週不採用にした男のほうがまだ執念があったよ」
    イザベルが少しうつむく
    「……だからサイレンス博士やイフリータからは絶対に離れないってことですよね」
    「…あー」
    「回りくどい、振り方ですね」
    たまらず葉巻に火をつけて、ひと吸いした
    「……君は本当に優秀で、誠実だ。クライアントの、安全を守るだけでなく、襲撃者の身元を突き止めて将来的な脅威を防止するきっかけを作った。君の正義感と行動力は、我が社でより責任あるポストに就くにふさわしい」
    「本当に、嬉しいです」
    少し涙ぐみながら、私に笑顔を向ける
    「だから、これからも私と働いてくれるとありがたいのだが」
    途端にムッとした顔になり
    「あたしがこんなことで辞めたりギクシャクする性格してると思ってるんですかっ!?そういうデリカシーの無い言動だけはどうにかしてください!」
    「す、すまない」
    イザベルは残ったハンバーガーを大急ぎで口に詰め込んだ後、びっくりしているウエイターを呼びつけて会計を頼み、バインダーに代金とチップを素早く挟む
    「折角来てくれたのですから、ここはあたしが奢ります。次にどこか食べに行くときはご馳走してくださいね、オスシとか」
    「分かった…」
    「これからも好きでいてもいいですか」
    「他者の内心にまで踏み込む権利は無いから…別に構わない」
    眉間にしわを寄せながら微笑んで、イザベルはそのまま帰路についた。歩き去っていく背中をなんとなしに眺める


     彼女が見えなくなったところで、私も席を立つ
    「コンビニでも寄ってタバコを補充するかな」
    店の階段を降りて路地を歩き始めたところで、一台のSUVが傍に停車する。オリヴィアの車だ
    「サリア、奇遇だね。」
    ウィンドウを開けて話しかけてくる。なんだか着飾っているようだ
    「サイレンス。丁度帰ろうとしていたところだ」
    「そう。よければ送っていくけど?」
    「ありがたいな。乗らせてもらおうか」
    助手席に乗り込んでルームミラーに目をやると、後部座席には段ボール箱数個と紙袋がひとつ置いてある
    「今日は何かあったのか?」
    「イフリータとステーキハウスで外食をしたんだ。グループ発表会で3位に入賞したからご褒美にと思って」
    「なるほど」
    「ジョイスに手伝ってもらったんだけどね。ほんの少しヒントが貰えれば進んで調べものもできるんだよ。でも、適切な論拠を提示したからというより『説得的な』論じ方ができたから評価されたみたいだけど」
    「ジョイス、フィリオプシスか。…元々イフリータは弁が立つからな」
    「イフリータは貴方にも感謝してたよ。発表用の原稿を作るのに一緒に考えてもらったって」
    確かにイザベルの任務に同行する何日か前にメッセージが送られてきて、ビデオチャットで数回手伝った記憶がある
    「そうは言っても、簡単なセンテンスを幾つか付け加えてやっただけだ。全てあいつの実力だよ」
    「ふふっ、急に堅苦しくなったりキザになったりして面白かったよ。なのにちぐはぐにならずに自信満々で」
    「そうか。それはよかった」
    「うん。それで、発表会が昨日開催されてたのは知ってた?」
    交差点の赤信号で停車し、横目で私の顔を見る。どう返事をしたものだろうか…
    「……昨日はどうしても外せない仕事に重なっていたんだ。重要なクライアントの警備でここ数週間は職場に詰めていた」
    「分かってる。ロドス製薬でしょ。あそこは『商売敵』がやけに多いから」
    「聖ヨハネ騎士団に因んだネーミングは妙だが、中々見所のある人員が揃っている。CEOと少しばかり話したが——」
    「仕事のことは構わない。イフリータだって怒ってないから」
    なんだか車外の喧騒がくぐもって聞こえる
    「それじゃ一体…」
    「あの子は誰?」
    まるで数時間、数日自動車に乗り続けているかのような気分にさせられる
    「………………、部下の、イザベルだ、入社当初から優秀なやつでな。今回は彼女が取り仕切った。ボスからも昇進させるには十分だろうと相談があったから、その、決定を伝えるついでに祝ってやろうとレストランに呼んだんだ。ハンバーガーでも食わないか、と」
    「あんまりロマンチックじゃないね」
    「彼女とは何も無い、何も」
    「そうなんだ。……ほら、アパートに着いたよ」
    顔を上げると散々見飽きた扉とロビーが確認できる。普段疲労を感じることはあまりないが、随分と体が重い
    「…オリヴィア、ありがとう」
    「……どういたしまして。あぁ、後ろに置いてある紙袋は持っていっていいよ」
    ぎこちなく助手席から降りた矢先、怪訝に思いながらリアドアを開けて紙袋の取っ手を持って覗いてみると、ワインが入っている。プラスチック容器に入ったおつまみもある
    「高かったんじゃないのか?」
    「ちょっと一緒に飲む相手がいたんだけどね。急な約束だったからなのか、会えなくなっちゃって」
    「その相手方に申し訳ない、貰うわけには…」
    「別にいいよ。たった今約束が無くなったから。じゃあね」
    ドアもウィンドウも閉めて、SUVは走り去る。最近の車に標準搭載されている自動ドアは本当に素早く開閉してくれる。ワンタッチでタイムラグも無いのだから、全くもって称賛に値する
    「…クソっ。切らしているんだった」
    たまらずタバコを取り出そう胸の内ポケットをまさぐるが、切らしていたことを思い出す。嫌な出来事は重ね重ね起こるものだ
    「はぁ…書類でも作りながら飲むとするか。私の城だ、文句を垂れる人間はいない」
    酒のあては偶然にも私の好物だ。オリヴィアにはいつ詫びを入れるべきか、イフリータを買収して味方につけようかなどと考えながら、紙袋を抱えてアパートに入っていった

    Tap to full screen .Repost is prohibited
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    related works