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    r__iy1105

    田中新兵衛に心を狂わされた
    禪院直哉は可愛いと思う

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    r__iy1105

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    5/4の羂髙前提の夏髙NTR本第二弾。夏視点のお話のサンプルです。
    ちゃんとしたのは、原稿終わったら上げます。

    NTR本第二弾「美味しい」
    すると髙羽さんが、パッと表情を明るくさせてうんうんと頷く。
    「だろぉ!他のも美味しいんだけどさ、牛肉コロッケは格別なんだよなぁ。傑君の口にも合って、良かったぁ。あの玉?美味しくなさそうだったから、こう言う美味しいもの食べて帳消しにしようぜ」
    コロッケの美味しさよりも、美味しい物を食べて顔を綻ばせている髙羽さんを見ている方がいいなんて思った。
    けれどそれは、今の私が口にしていい言葉ではない。
    出来るだけ私は、髙羽さんの警戒心を解かないといけないのだ。
    髙羽さんが食べている姿を見つめながら、コロッケと一緒にご飯を食べる。
    その間も、髙羽さんは美味しいか私に聞いてくれた。
    「美味しいですよ、髙羽さんと一緒に食べているので」
    この言葉に、嘘偽りはなかった。
    事実髙羽さんと食べるご飯は美味しかったし、何の打算も無いただの食事だ。
    死後にこうして食べ物を食べられるとは思っていなかったから、人間死んでも分からない事は多い様だった。
    二人で談笑をしながら、食事を終え始めた頃だった。
    髙羽さんが、私を見ては視線を逸らしてそわそわし始めていた。
    口には出していないが、髙羽さんの様子からして、私と羂索が入れ替わるのを待っている様だった。
    ここでネタバラシをしてもいいが、折角ここまで警戒心を解いてくれている。
    だから、もう少し遊んでいても大丈夫だろう。
    「髙羽さん、どうしました?あ、食べ終わりましたしお皿、片付けましょうか?」
    「え!?あ、大丈夫だよ!俺がやっとくからさ、その……傑君、今からすげー失礼な事、聞いてもいい?」
    「髙羽さんの事なら、大体の事を許せるので大丈夫ですよ」
    私がそう言った事で安心したのか、髙羽さんは真っ直ぐに私を見つめる。
    さっきまでの和やかな空気が、嘘みたいに張り詰めて行く事に目を細めた。
    「その、あー、羂索にさ、戻る?乗っ取られちゃうのって、何時頃になる?」
    「そうですねぇ。ちょっと今回無理矢理出て来ちゃったんで、うーん。どうしようかな。髙羽さんにも協力して貰わないと出来ない事で……でも、髙羽さんに無理はさせたくないんですよね」
    自分でも白々しいとは思うが、こればかりは仕方がない。
    まだ本題には踏み込む事はせずに、一つ一つ本題へへと踏み込んで行く。
    何より髙羽さん自身は、優しい人だからきっと私がこう言えば何をしたらいいのか聞いてくる。
    「傑君!それなら俺、何でも協力するから教えて!」
    食い気味でやって来る髙羽さんに、笑みが浮かぶのを必死に抑えながら少しずつ退路を断たせる事に成功した。
    我ながらに汚い手法だと思いつつも、髙羽さんの手を取って目を伏せながら言葉を声に乗せる。
    「その言い難のですが……髙羽さんとセックスしたら戻ります」
    「ん?や、やだなぁ。それ、笑えない冗談だろって。傑君も冗談言うんだね」
    一瞬だけ髙羽さんの表情が固くなったけど、直ぐに何時もの柔らかい表情に戻して笑って誤魔化そうとしてきた。
    でも残念な事に、これは冗談でもなく本当の事である。
    もう一度直接的な表現を避けて、断る事で生じるデメリットの部分を誇張して表現した。
    「やっぱり無理ですよね。でも入れ替わらなくても、ちゃんと私が羂索の真似をするんで安心してください。勿論、芸人としてもやっていくつもりです」
    すると面白い位、髙羽さんの表情が固まっていく。
    状況を理解し始めたのか、髙羽さんが小さく震えながら声を上げた。
    「傑君が、そう言って事はさ」
    「はい」
    言い切る前に髙羽さんは、ペットボトルのお茶を取って一口飲んでから言葉を詰まらせながら口を開く。
    「つまり……俺が傑君とヤらないと、羂索は戻らないって事?」
    言い切った髙羽さんは、あの日と同じ怯えた表情を浮かべている。
    こんな表情をさせたくはなかったのにと思いつつも、この表情も可愛くて仕方がないと思っている私が居た。
    可愛くて、可愛くて仕方がない髙羽さん。
    本当はもっと笑い合っていたかったけど、髙羽さんが私ではなくあいつを求めるからややこしくなるだけ。
    そろそろネタバラシといくかと、隠していた情報を髙羽さんに開示する。
    「こっちに来る時に、悟。あぁ、五条悟なんですけど。彼がそんな縛りを付けて、私をこっちに送り出したんですよ。でも前回とは違って、私は髙羽さんを傷付けたくはないんです」
    前回は私のほぼ無理矢理ではあったが、今回の選択権は私にはない。
    飽くまでも選択権は髙羽さん自身にあるから、優位なのは髙羽さんである。
    あいつと私が入れ替わる為に、髙羽さんが私に抱かれるか。
    それとも、抱かれずに私のままで過ごすかの二択になる。
    どちらに転んだとしても、私にはデメリットは殆ど無かった。
    元々離反しているし、百鬼夜行も行っているから監視される生活は慣れている。
    両親も先に説明した通り他界している上に、ほぼほぼ秘匿死刑をされた人間だから生きているか死んでいるのかも不明だ。
    髙羽さんは私を見て、その目に薄く涙を溜めていた。
    泣かせたくなかったなと思って手を伸ばすと、髙羽さんが逃げる様に体を引く。
    「なん、で。何で最初にそれ、言わなかったの?」
    余程ショックだったのか、髙羽さんの悲痛な声に柄にもなく一瞬動揺した。
    何と言えばいいのか分からず、伸ばした手を降ろして髙羽さんを見つめる。
    薄くたまっていた涙が大粒の涙に変わり、ぽろぽろと頬を伝って落ちて行く。
    「初めに言いましたが、私は髙羽さんに謝罪したかったんです。……そんなに、あいつが良いですか?」
    同じ体をしているのに、こうやってまざまざと見せ付けられるのは面白くない。
    私の方が優位であった筈なのに、気付けばこうして傷付く羽目になるだから腹が立つ。
    「確かに傑君の体、使ってるし、そこは悪いと思ってる。けど俺にとって、羂索は、たった一人の相方なんだ。本当に、本当にごめん!傑君、ごめんなさい!!」
    髙羽さんは場所を移動して、そのまま土下座をして私に謝って来たのだ。
    嗚呼、面白くないなと思いながらも、謝罪する髙羽さんの肩をそっと叩く。
    「謝らないで下さい、髙羽さん。分かりました」
    「傑君?」
    選択権を渡したのに、髙羽さんは最善である自分が犠牲になる方を選ぶだろう。
    それはそれで、私の中のどす黒く渦巻く気持ちが納まらない。
    近くにあったネクタイを拾い上げて、髙羽さんの目を覆うように縛る。
    突然の事に慌てる髙羽さんの耳元で、出来るだけ優しい声色で囁いた。
    「体は同じですし、目隠ししたらどっちに抱かれているか分からないですよね」
    嫌だと動こうとした髙羽さんの口を塞ぐ様に、唇を重ねてから気付いた。
    これが私と髙羽さんの初めてのキスだったと。
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