「再婚しようと思っててさ」
「ならさっさとしろ。そして、俺達と縁を切れ」
クソ親父から話があると言われて呼び出されたのは、近所のファミレスだった。
奢りと言われたが、クソ親父に奢られるのは癪だったからコーヒーだけを頼んでやり過ごす。
「悠仁は遠慮無く頼むのに」
「悠仁は成長期だからだ。俺はお前に貸しを作りたくないだけだ。それより再婚相手は、何時捨てるつもりなんだ」
何を隠そう、このクソ親父は俺の母親を簡単に捨てていったのだ。
養育費と慰謝料だけは支払ったが、母はそれで精神を病んで亡くなった。
そして時を同じくして、俺の唯一の希望だった弟達も母親の後を追うように亡くなってしまったのだ。
一人残された俺は自暴自棄になり掛けたが、このクソ親父はそのタイミングで悠仁を連れてきたのだ。
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