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    r__iy1105

    田中新兵衛に心を狂わされた
    禪院直哉は可愛いと思う

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    r__iy1105

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    893パロいいなーって思ったので、バーテンダー髙🪶の裏のお仕事中の羂髙を書いた。髙は最後に出てきます

    煙草はあまり好まないが、状況に応じて吸いはする。
    例えば、目の前で部下に拷問紛いの暴行をされている男が居る時。
    椅子の背凭れを抱えながら座り、指で煙草を挟み紫煙を吐き出す。
    片手で部下を制止させて、煙草を咥え直して貰った原稿に目を通した。
    「すっごい三文小説だけど、今流行りのネット小説かな?え?違うの?週刊誌に?へぇ、よくこれを週刊誌に売ろうと思えたね」
    バサバサと男の目の前に原稿を投げ付けて、煙草を咥えたまま立ち上がる。
    ひっと小さく悲鳴を上げる男の前にしゃがんで、煙草を指に持って目の前でちらつかせた。
    動かす度に、紫煙がゆらゆらと揺れる。
    男は何をされるのか分かっていないらしく、怯えた目で私を見て居るだけだった。
    「人間の記憶と嗅覚って、関係が深いんだよね。だからさぁ、今この煙草を押し付けたら君は痛みと一緒に匂いも覚えるなんて可哀想だね」
    ここまで来て漸く男は、私が何をしようとしているのか理解したらしい。
    まだ声が出たんだと感心しながら、でかい声で何度も謝る男を一瞥する。
    少し位は痛い目に遭わないと、この手の人間はまたやるだろう。
    肉の焼ける音と男の汚い悲鳴を聞いて、手の甲に押し付けて火を消した煙草を捨てた。
    痛みに呻いている男の手を思い切り踵で踏んで、更に痛みを覚えさせる。
    「あのさぁ、君が髙羽の元相方だろうが、何だろうが私には関係無いんだよ。単に君の売れてきたから、相方の過去をリークしようとするその根性が許せないんだよね。あぁ、過去のリークじゃなくて捏造だっけ?お粗末すぎるんだよ、ネタが。これ、髙羽じゃなくて君でしょ?少し調べればこの手のネタは、簡単に裏取り出来るんだよ。君も知ってるだろ、私が裏社会の人間だって」
    言葉にならない言葉を発して、顔面を全部の体液でぐちゃぐちゃにした男を見下ろす。
    あと少し痛め付ければ、髙羽に手を出す事はないだろう。
    警察に駆け込まれる心配はないし、何よりこの男は駆け込む事が出来ない。
    「警察に行っていいけど、君。余罪が多いからどうなるかな。私は知らないけど」
    唯一の希望だったらしく、男は私の言葉に絶望した表情を浮かべていた。
    やるからには徹底的に調べ上げて、相手が身動きが取れないようにするのが常套手段だ。
    これだから素人はと思いながら、部下に指示を出す。
    「お金に困ってるみたいだし、臓器一個売って半分だけ渡しといて。私は髙羽に会いに行くから」
    あとは部下に任せて、私は車に乗ってから着替えを出す。
    流石に返り血を浴びているシャツは、髙羽には見せられない。
    運転手に何時ものバーまで車を出させながら、私は汚れた靴を履き替えた。



    「羂索って、煙草吸うっけ?」
    何時ものバーカウンターに座って、何時もの様にホーセズネックを頼んだ。
    消臭するのを忘れていたなと思いつつ、髙羽に吸わないよと言って誤魔化した。
    「珍しく喫煙可の喫茶店に居たからね。匂いが移ったかも」
    「ふーん。その匂い、嫌いじゃないかも」
    「そう?でも、吸わないよ。芸人は喉も大事だろ」
    髙羽にとって、この残り香はどんな記憶として残るのだろうか。
    それだけ少し気になったが、出されたホーセズネックを受け取り一口流し込んだ。
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