マイスイートラバー午後21時、夕飯には遅い時間だが、一週間の仕事を終えて風呂に入って寝るには少しだけ早い時間。
藤堂は、スーツ姿なのを気にせず、値引きシールの貼られたコロッケと酎ハイをかごにいれると、いそいそとレジに向かう。
地元密着型スーパーだった店が、ペンギンマークのディスカウントストアにジャックされてから数年経つが、独特の騒がしい放送曲には慣れないままだ。
あっと、冬物のパジャマをクローゼットの奥に仕舞っていたのを藤堂は思い出した。
近頃、寒さが増してきて寝付きが悪い、パジャマだけが問題でないのは分かっている。
あるはずの体温がそこにないからだ。連絡を取れば駆けつけてくるだろうか。
だが、自分から喧嘩した手前、 バツが悪い。
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