バレンタインの話唯一無二の妹が可愛くて仕方ない姉の蔦子。義勇に傅く男しか許さんっていう思いで、義勇が幼少の時から
「バレンタインにチョコなんかあげなくて良いのよ。海外では男性からプレゼントするのが基本なんですから。自分が貰う側だと思ってる男は駄目よ」
と擦り込んでいて、その結果未だかつて誰にもチョコをあげたことのない義勇。
小中と周りの男子達はドキドキしていたが好きになった人も居ないのでまったくバレンタインを意識していなかった。が、JKになり不死川と出会って恋をしてしまいバレンタインにみんなはチョコをあげると話しているので「自分もあげたほうが良いのではないか、でも姉さんには昔から言われていたし」と葛藤していた。
結局なんの準備も出来ず迎えたバレンタイン当日。不死川がクラスの女子達から友チョコを渡されているのを見ながら渋々帰宅する義勇。私もありがとうって言われたかったな、と涙目になりながら姉と夕食の準備をしていた。ピンポーンと音がしてドアホンを見る。画面に不死川が映っていて、驚いて玄関を開けた。
なにやら落ち着き無く赤面している不死川。すると突然トトロのかんた並に義勇をガン見して「ん!ん!」と可愛くラッピングされた袋を押し付けて来るではないか。仕方なく受け取った途端義勇の背後にいた姉に勢い良く頭を下げて「おやすみなさい!」って言いながら逃げて行った。
何だろうって思いながら包を開けると、恐らく手作りのチョコともふもふした動物のキーホルダーが入っていた。
「不死川からチョコを貰ってしまった……」とキョトンとしながら姉を見ると、胸元で手を握り物凄いキラッキラの笑顔で「合格です!」と言って喜んでいたのだった。
家に凸ることによってラスボス姉も同時に攻略した天才DK不死川君の話し。