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    tp0_g4

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    よんきしの絵とか文の落書き&練習置き場
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    ランジク

    12/4:騎空団の依頼 自国の発展を目的とした遊学のため、ランスロットがグラン達に同行してから幾日か経った。旅の中で様々な国政について学びつつも、視察の予定がない日は騎空団の一員として依頼や管理業務を手伝いながら日々を過ごしていた。
     グランの騎空団には、団長の人柄――それに敏腕の商人の知人の存在――もあってか、いつも多種多様な内容の依頼が届く。この日任された依頼の内容は、依頼主の村の名産である果物の収穫と、その果物を狙う魔物の討伐だった。
     ランスロットが依頼を無事終えてグランサイファーに戻ると、普段から団員たちが憩いの場としている部屋にジークフリートがいた。声をかけたのをきっかけに、非番だったらしい彼と今日受けた依頼の話や、今まで受けた変わった内容の依頼の話などをして過ごしていた。
    「そういえば、前回受けた依頼では面白いことがあってな」
     世間話が広がり、ジークフリートは過去に自分が受けた依頼の話を切り出す。
    「何があったんですか?」
     和やかな雰囲気の中、ランスロットが興味深そうに尋ねると、ジークフリートは話を続けた。
    「子猫を探して欲しいという依頼だったんだが、1匹だけなかなか見つからなくてな……協力者を増やして森の中を捜索したところ、小さな横穴の中に隠れていたんだ」
     ジークフリートの話によると、子猫は魔物に追われてそこに逃げ込んだようで、酷く怯えていたらしい。飼い主が手を入れても、餌を近づけても、奥へ逃げようとするばかりで、出てくる気配がなかったとのことだった。
    「それで……ジークフリートさんはどうしたんですか?」
     真剣に話を聞く相手の問いに対し、ジークフリートはひとつ微笑んでから答えた。
    「親猫の鳴き声が、俺の声に少し似ていてな」
     鳴き真似をしたら、子猫は俺の声を親猫のものだと思ってくれたらしい。無事に出てきたので、家族のもとに帰すことが出来たのだと懐かしそうに、心なしか楽しそうに語った。
     話を終えたタイミングでジークフリートはビィに呼び出される。ではまた夕食の時間に、と簡単な挨拶を交わして席を離れると、ランスロットは空になった席を幼児の様に目を丸くさせ、暫く見つめていた。
     国の英雄であり敬愛する師の、意外な行動を聞かされてしまい頭の処理が追い付かない。額に手を当てると、心なしか体温が上がっているような気さえする。
     「(猫の鳴き真似をする……ジークフリートさん……?)」
     直後、猫のように鳴くジークフリートを想像してしまったランスロットは、その時に込み上げてきた疚しい感情を振り払うかのように椅子から立ち上がり、鍛錬の準備をするために部屋を後にした。
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