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    hiko_kougyoku

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    hiko_kougyoku

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    「己が役目」https://twitter.com/hiko_kougyoku/status/1629483406236192770?s=46&t=RvuIaUEYuuUKDftTsHJAKg

    「己が役目」メイキングという名の一人反省会※初期の構成やら苦労したお話とか。
    ※今回は参考にしたものとかも載せました。
    ※相変わらず妄想多め。
    ※とっ散らかった文章です。



     まず恒例の「当初はこうなる予定だったんです!」なお話から……。

     はじめはもう少し軽いお話にするつもりでした。アニメで一護と恋次が曳舟さんのところでお腹いっぱい食べるシーンみたいに、長次郎くんたちにがつがつご飯を食べて欲しい! という思いからテーマは「いっぱい食べる君たちが好き」というお話になるつもりでした。
     登場人物は長次郎と知霧のみ。冒頭の隊首会議の場面はなく、長次郎が元柳斎と話す場面も、千日や乃武綱が登場することもなく、長次郎と知霧がモブ貴族の屋敷であんみつを貰って日向ぼっこのシーンからスタート。美味しいおやつを貰って、豪華な夕飯を貰って、幽霊が怖いとガクブルする知霧とコントをやりながら夜を迎えて、そうしたら依頼主の貴族が護廷十三隊の情報を集めていることが発覚して、幽霊が怖いと演技していた知霧がその企みをズバッと見破って、そうしてなんだかんだで解決したあと、朝日に向かって自分が元柳斎に報告するんだ! と喧嘩しながら帰路につく……そんなあっさりとしたお話にするつもりでした。
     食べること、知霧が幽霊が怖いと騒ぐを重点的に書くつもりだったんです。
     でもここまで考えたところで……頭の中で「乃武綱おじさんがいないじゃん。レギュラーメンバーなんだから出した方がいいんじゃない?」という声が浮かんで……乃武綱をどうにか差し込むことに。乃武綱おじさんの活躍は最初、

    長次郎と知霧を見守るために屋敷の屋根裏とかに潜んで監視していた
    →ラストシーンで帰路に付いた二人に「近くで任務があったんだ」と言って、偶然を装い合流。一緒に帰る。

    にしようと思ってました。けれどアニメ7話の……初代がバーン!と並んで滅却師の前に立ち塞がるシーンを見て……思ったんです。
    「乃武綱おじさん、でかくね?」と。
     じゃんぷで発表された立ち絵は、乃武綱おじさんって不老不死ちゃんと一緒に最前列でしゃがんでいたじゃないですか? だからそこまで大きいとは思っていなかったし、身長って意識していなかったんです……。てっきり乃武綱、雨緒紀、弾児郎、金勒あたりは同じくらいの身長、初代の中で大きいのは有嬪と煙鉄くらいの感覚で考えてたら……乃武綱おじさんでっかくてびっくりした……。
     こんなに大きいんじゃ屋根裏に潜むとか絶対無理じゃん! どうするよ! と構成を練り直すことに。
     屋根裏に潜むなら乃武綱おじさんよりも千日の方がぴったりだよね。隠密だし(※のちに猫として潜入する設定に変更)。じゃあ乃武綱おじさんは……とあれこれ考えたらああそうだ、貴族の冷徹さを出すために旅人を追い払うシーンを入れよう! その旅人は乃武綱おじさんにしよう! そうして途中で登場してもらおう! と思いました。
     同時進行で「少年漫画っぽいバトルシーンを入れる」「知霧が熱くなる」を入れようと考え、その辺で乃武綱おじさんを出そう! 「若者のよしみで助けに来たぜ!」とギャグをかまして長次郎知霧に「何言ってんだコイツ」って目で見られてもらおう! と考えました。
     で、その「少年漫画っぽいバトルシーン」を入れるにあたり、敵をどうするか? を考えました。最初はそこまでこだわらなくてもいいかなあ……なんて思っていたのですが……やっぱり敵を悪く、強そうに設定した方が主人公側の活躍が際立つかな、と思い、じゃあいっそのこと貴族側の敵(最初は用心棒という立ち位置)をものすごく大きい男にしよう! 大男を知霧が吹っ飛ばされたり殴られたりしながら戦って、うおおおおお負けねえ! みたいに叫んで、それでなんとか倒してもらおうと考えました。はじめはこの大男、棍棒を振り回してもらおうと思ってました。木でできたやつ。その棍棒を斬魄刀で真っ二つに切ってもらおうかな、と。
     ですが、もうちょっと文明が進んだ武器の方がいいかなあと思い金砕棒(金棒)に変更。さすがに金属のぶっとい棒を斬るのは無理だよなあと思い親指を切ってもらいました。ほんの小さい攻撃が実は重要な部分を傷付けていて、相手の戦力が大幅に落ちるって、好きなんですよね。

     さて、今回敵を考えるという部分にかなりの時間を費やしたのですが……難しかった……正直難しかった……。だってそもそも初代隊長たちが本来は血も涙もない殺戮集団なんですよ? 下手な悪役よりも悪役っぽい言動をするんですよ?
     でもただ気に入らないから粛正する、とか、なんにも悪くない人間を倒す、みたいな展開にはちょっとしづらいし、そういうのって長次郎くんの教育にも悪そうだし……と思ってうんうん唸ってました。でもでもアニメでの初代の活躍(滅却師を残虐に倒す場面)を見ていると、いやこれ私が書いている内容って本当にぬるいなぁファンタジーだなぁなんてちょっと立ち止まりかけてしまい、さらにうんうん唸って……(以下延々と悩む)
     ……と言うわけで、今回の敵は「護廷十三隊を揺るがす悪事を企んでいたため見過ごすことができなくなり、倒すこととなった」となりました。あの初代たちなら、自分たちに牙を剥こうとした人間を野放しにはしないよな……。
     あと、これはTwitterで見た内容なのですが、「裏切り者を始末するのは当然、真の為政者は裏切りそうな者から殺す。吾妻鏡にも書いてあった」という話を見て……ああ、初代ならこういう考え方ありそうだな、と。今後の話にもこう言う考え方は出していくつもりです。

     この『敵』を考えるにあたり、とあるドラマを参考にしました。私が住んでいる地域で夕方再放送されているドラマなのですが……祖父が見ていたのを一緒に見ていたら「これだ」と思いました。
     水戸のご老公様が家臣たちとともに諸国を回るあのご長寿時代劇です。最後に印籠を見せるあれです。
     あのドラマの何を参考にしたかというと……。

    ☆メインメンバーは毎回変わらわないという点が若やまささ初代を書くにあたる共通点にもなる。
    ☆ドラマだけど一話完結型。
    ☆わかりやすい勧善懲悪。
    ☆印籠を出し、悪役を懲らしめるというお決まりの結末。逆に言えば結末が分かっているので、どういう展開や事件、謎解き要素を経てハッピーエンドに持っていくかを考えながら見ることができる。
    ☆悪役も出てくるし人情劇でもある。
    ☆バトルシーンもある。

    ……という点で見ておりました。はい。
     個人的には一話完結型だけど毎回悪役が出てくるし、人情もあるというのがポイント高いです。悪役がへなちょこだったり、大したことない悪事だったら主人公たちの活躍が際立たない。権力を振りかざしていたり、力を誇示していたり、他人に嫌がらせをする人間だったり……そんな毎回違う悪役が登場して凄いなあと思いました。あれ感想文になってる!?
     話が逸れて申し訳ないです。
     多分今後も敵役に一番悩むと思います。ワンパターンにならんように気を付けます……。


     敵と言えば(まだ敵について話すのかよオイ)……今回途中で長次郎くんが小判を出され買収されそうになりましたね。初代の時代がどんな時代背景か分からないので勝手に江戸時代くらいの設定で書いているのですが……。
     初代隊長たちは目の前に賄賂を出された時にどんな反応をするのかなあ、なんてちょっと考えたり……。
     妄想なのですが……

    ☆絶対に受け取らない
    →元柳斎、長次郎、知霧
     多分この三人は賄賂とかそういう汚い手を嫌悪していそう。元柳斎は自分の立場が分かっているからおいそれとものを受け取らないし、何より頑固爺だから。長次郎はおぼっちゃん気質と言うか、精神的に潔癖なところがあるので「こんなお金は受け取りません!」って突っぱねそう。知霧は知霧で「この志島さんが金で動くとでも? なめんじゃねえですよ」って言いそうだな……。

    ☆基本は受け取らない。けど作戦によっては受け取る。
    →弾児郎、雨緒紀、金勒
     この人たちは上手く立ち回りそう。賄賂とかはもちろん嫌い。でも例えば善人から巻き上げたお金が賄賂として回されたと知ったら一度受け取る→もとの持ち主に返すとかしそうだな、特に弾児郎。あれ、いい人?
     雨緒紀はそう言うのを出されたら長次郎くんみたいに相手を睨みつけそうだな。冷たい目で見るんですよ。「お前は私を馬鹿にしてるのか」と。そういう意味では根っこの方は長次郎・知霧と似ていそう……。
     金勒は目の前にお金をポンと出されたら「ふむ」と顎に手を当てて考える。どうするのが最善かをはじき出し、その上で必要だったり、話がスムーズに進みそうだったら受け取る……みたいにしそうだな。

    ☆絶対受け取る
    →乃武綱、逆骨
     この二人は受け取るよなあ……。
     乃武綱おじさんは「おっ、分かってるじゃねえか」って言って速攻で金を懐にしまうんですよ。その後「で、俺はどうすればいい?」って、背中を丸めて、身を乗り出して相手の要求を聞くの。すっごく悪どい顔で、にやと笑うんですよあの人。で、乗ったふりをして相手を裏切ると。そういうことを平気でする。ブラック乃武綱。
     逆骨さんも乃武綱おじさんと同じ感じ。やっぱり長く生きている(と思われる)から、世の中の悪い部分もたくさん見てきた。だから目の前に置かれたお金の汚さは知ってる……が、この人結構ちゃっかりしているイメージなんで、もらえるものはもらっちゃいそう。

    ☆お金はいらないので手練れと戦わせて欲しいと言う
    →卯ノ花
     卯ノ花さんはお金に興味なさそう……。それよりも戦わせて欲しいって要求しそう。そして圧勝して帰って来る。

     他のメンバーは分からないなあ……千日とか、煙鉄とかはどうなんだろうな……。抜雲斎ちゃんもちゃっかりしたイメージあるんですが……。


    【参考にしたもの】
     今回話を書くにあたり参考にしたものを少し。先ほど上げた水戸のご老公様のドラマ以外に……。

    ①雨緒紀の貴族論
    「貴族とは、ただふんぞり返って権力を守っているだけの自己中心的な考え方ではいけない。……中略……。為すべき職務を全うし、守るべき町の人々を守り、時には救済するということ。これこそが貴族の役割と言っても過言ではない」
    →このお話を書く少し前に、テレビで江戸時代の打ち壊しに関する番組を見たんです。そこで打ちこわしの対象になったのは裕福な商人たち。それも、人々が困っている時に何もしなかった商人。
     その時の民衆側の心理として「裕福な人間には貧しい人間を救済する義務がある。それを行わないから罰を与える」というものがあると聞いて、参考にしました。

    ②首を見ても顔色一つ変えない初代隊長たち
    →殺戮集団ならば生首くらいでビビらんよなあと思ったのが大きいですが、あと一つ。
     織田信長のことについて記された『信長公記』にあるとされる記述。正月の宴会の場で信長は、朝倉義景、浅井久政・長政親子の髑髏に金箔を貼ったものを披露し、それを見た家臣たちはめでたいめでたいと言って踊ったというエピソード。
     今の倫理観で言えばドン引きするのが普通ですが、当時は戦だのなんだので敵を倒すのが仕事。死が身近な時代。多分髑髏を見てFOOOOO!と盛り上がるくらいのメンタルじゃなきゃやってられんよななんて思って……初代たちもそんな感じのメンタルだよな……首を見て盛り上がるまでは行かなくても、平気な顔してそうだなと思いこのシーンに採用しました。

    ③忍者の武器
    →これかなりのうろ覚えなのですが、幼い頃読んだ忍術に関して書いてある本に、S字の金属道具を襖に引っかけて開かなくするというのを……読んだ気がするんですよ……。学研の「忍術・手品のひみつ」あたりかなあ……。
     ネットで調べ直してもその道具の名前とか出てこないので、卍手裏剣で作ったということにしました。ここの説明を知霧くんにしてもらうの、正直難しかった……。小説って、文章だけで何かを説明する必要があるので、それを読者に分かりやすく、想像しやすく、相違なく伝えるって凄く難しいし、未だに自信がありません……。
     ちなみに現代ならこの道具、S字フックでできます。「襖 開かなくする」でググると出てきます。


    【キャラ考察】
    ☆志島知霧
     文句なしに今回の主演男優賞! 初代隊長の中で長次郎と近い年齢だと思います。だから長次郎のことは弟分だと思ってる。でも長次郎はそうは思っていない。
     年下の部類に入るし、これ勝手な妄想なんですが、隊長の中でも『凡人』の部類に入るんじゃないかと勝手に想像しております。大罪人と呼ばれるほどの戦闘能力を持っているわけではない、隠密のような能力はない、とりわけ大きな体でもないし、頭が良いわけでもない。そんな考察をしております。
     『普通』な自分に劣等感というか、自信が持てない部分がある。だからこそ自分の力を認めてくれる人のために自分にできることを一生懸命やるという熱い心を持っていてくれたらいいなと思い、こうなりました。雑草根性と言うのでしょうか……何度挫けても腐ることなく這い上がって来るような男気を持っていて欲しいです。そう言う意味では長次郎と似ているのではないかな?
     知霧くん、知識もどんどん吸収するし、得た知識や経験をもとによく考える子なんじゃないかと。だから偽の情報を流したり、千日に見せてもらった現世の忍者道具のことを覚えていたりと頭は良さそう。
     知霧くんの一人称は『自分』もしくは『志島さん』。他の隊長や正式な場では『自分』、目下(長次郎くん含む)の前では『志島さん』な感じです。
     ちなみに知霧くん、今回『山本の旦那』『四楓院の若君』『厳原先生』『八千流姐さん』というように、他の隊長を特殊な呼び方で呼んでいます。特に八千流姐さん呼びが好きと言って下さるかたが何人かいて良かったです。他の隊長に対してもちょっと変わった呼び方をしています。今後出していきたいです!

    ☆四楓院千日
     猫になりました(笑)夜一さんが猫になれるなら、その先祖の千日もなれるんじゃないかな……体毛の色=髪の色なら綺麗な白猫だよな……。で、猫になれることは隊長たちはみんな把握してる。でも長次郎くんだけは知らされていない。何故かと言うとその方が面白いってみんな思ってるから。長次郎くん可哀想(棒読み)
     隠密って聞くとどうしても忍者なイメージが先行してしまう……でも千日は手裏剣やくないではなく蹴り技で敵を倒しそうだな……だってあの夜一さんのご先祖様だもの。でも例えば敵の根城に侵入する方法とか、他人の嘘を見破る方法とか、そういう忍者っぽい知識を持っていそう。そこらへんも書いてみたいなあ……。
     千日さん、初代の中では隠密と言うこともあり調査・情報収集が主な仕事なんじゃないかと思います。忍者の本分は勝負に勝つことではなく、情報を味方に持ち帰ること。そんな信条で動いているんじゃないかと。だから長次郎と知霧にも必ず戻って来いと言っていたんじゃないかなあ……。

    ☆長次郎
     今更ながら、私の書く長次郎くんってこども過ぎないか……? 感情を表に出し過ぎと言うか、喜怒哀楽が激しすぎるというか……うん、これは今後変わっていくということで!
     今回はあいすくりんを食べて喜んだり。知霧に鰻を取られてしょぼんしたり、こっそり調査をしたり、賄賂を出されたりといろいろ動き回りました。がんばったで賞!
     元柳斎との絆というか、一蓮托生感が出ればいいなと思いながら描写したつもりです。バトルシーンでの主人との会話の内容なんですが、多分長次郎くんは元柳斎から破門になっても、はいそうですかと引かないよなあと思いました。
    「もし元柳斎殿が私を見捨てるならば、私の力が及ばないせいでしょう。私の未熟さは私の罪。そうなってしまった時は、潔く……」
     この後の台詞、最初は「潔く諦めます」にしようと思っていたんです。でも長次郎くんが元柳斎を諦めるか……いや、それはないでしょう……頑固でしつこいこの子があっさり諦めるか? と自分の中で解釈違いを起こしてしまい、「潔く一からやり直します」と食らいつく台詞になりました。長次郎くんは破門になってもまた押しかけ女房しそうだよなあ……。
     多分年を重ねた雀部副隊長ならば台詞が変わってきます。口では諦めると言って心の中では諦めません! しそうだな。山じいもそれを知ってるの。だから諦めますって言っても余裕の笑みを浮かべるの。諦めるって言ってるけどお主どうせ儂の傍から離れんじゃろ? って。ひゅ~!

    ☆元柳斎殿
     長次郎くんが大事なんだよなあ……だからわざわざ部屋に残して、必ず戻って来いって厳命するんだよ。可愛い右腕だから自分の知らないところで死んで欲しくないんだよ。だってほら、副隊長も最後は元柳斎殿のそばで、一番隊の執務室で絶命したでしょ? 元柳斎殿に見守れらながら……うっ……(嗚咽)
     自分で自分のことを化け物って言うのは良いけど、他人が言うのは許せないタイプ。例え長次郎くんでも拳骨を食らわせます。
     長次郎くん、うっかり口が滑って元柳斎を化け物発言(?)しましたが、長次郎くんは素直で馬鹿正直なのでたまに後で後悔するようなことを口走ってしまうのではないかと考えています。化け物発言もですが、貴族の勧誘を断ったシーンでも知霧を人質にするぞと脅された時にようやく自分の発言の迂闊さを知ったというように……若さゆえの突っ走りがありそうです。

    ☆卯ノ花さん
     隊長命令で長次郎に掃除をさせました。
     パワハラというより、初代卯ノ花さんはフリーダムなイメージです。戦いにかなりのウエイトを置いて、他はやらないみたいな。任務の事後処理や報告書、片付けと言ったことは基本しないし、隊首会議は気が向かないと出ないみたいなイメージです。多分長次郎にとってタッグを組むと一番やりにくい隊長だと思います。そして長次郎がおっかないと思っている人(笑)長次郎くん、卯ノ花さんには頭が上がらなそうだな……。

    ☆金勒さん
     厳原金勒謝罪会見があったがためにこんなに長いお話になりました。でも元はと言えば乃武綱おじさんがふざけた報告書を書いて金勒さんを苛つかせなきゃ事件は起こらなかったのでは……?
     勝手な想像ですが金勒さんは初代の事務方的なものも兼任しているみたいな設定をしてあります。顔的に。書類の作成から隊長格の任務の振り分けとか人事評価とかしていそう。そう言う意味では元柳斎殿と一番多く話す機会がある隊長なんじゃないかと思っています。
     で、金勒さん。今回のように乃武綱おじさんに手を焼いているんじゃないかと。乃武綱おじさんは字が綺麗じゃないイメージです。その上報告書には絵とか書いてあるし、墨は垂れてるしでイライラしていそう。可哀想。
     きっと金勒さんの心の中には乃武綱おじさんのHP(ヘイトポイント)を溜めるスタンプカードがあって、乃武綱おじさんが金勒さんを困らせるとスタンプが一つ押されて、いっぱいになると金勒さんがぶちぎれるんです。可哀想。
     ちなみに金勒さんが乃武綱おじさん以外に手を焼いているのが元柳斎殿なイメージ。この書類明日までに確認しておいてとかそういう無茶ぶりをしょっちゅうしてきそう。手渡ししてくれる時はまだいい方で、酷い時には何も言わずに机の上に置いてある。それで金勒さんの白髪が増えるんです。可哀想。代わりに元柳斎殿は金勒さんに頭が上がらないんです。無茶なこと言っている自覚があるから……。

    ☆乃武綱おじさん
     助演男優賞。今回も活躍しました。
     『境界』のメイキングでも書きましたが、今回も本当に書きやすかった……。なんなんだよこの人……。
     この人はつい乃武綱〝おじさん〟と呼んでしまいますが、長次郎知霧たちには〝おっさん〟と思われていて欲しいです。何となく。
     今回乃武綱の登場シーン、かっこよくしました。夜空の月が隠れる→塀の外から旅人(乃武綱)の声が聞こえる→隙を見て侵入・主人を人質に→月が出て周囲が明るくなる→乃武綱登場!(バーン!)……みたいな。月の光に導かれて何度も巡り会うとか漫画とか映像だとカッコイイだろうな~~~~!と思いながら書いていました。
     乃武綱おじさん、普段は飄々とふざけたようなふるまいをしていますが決める時はばしっと決める男だと思います。「護廷十三隊の隊長っていうのはな、お前が馬鹿にしたひよっこみてえに敵を恐れず戦える人間じゃないと務まらないんだよ」みたいに。平気でカッコイイこと言うんですよこの人。ひゅ~~~!

     ここから恒例の妄想タイムなんですが、千日さんは元柳斎殿の命で貴族の屋敷に猫の姿で潜入したのに対し、乃武綱おじさんの旅人姿での潜入は独断だと思います。うん、ちょうど非番だったから長次郎くんたちが心配で勝手に行っちゃったの。

     旅装束でこっそりと隊舎を出ようとした乃武綱。だがあの長躯なのでこっそり出て行くことなんてできるはずもなく雨緒紀に見つかる。
    雨緒紀「なんだ、珍しい格好だな。任務か?」
    乃武綱「あ、ああ、そんなところだ」
     挙動不審な様子を訝しんだ雨緒紀は近くを通りかかった金勒を手招きする。
    雨緒紀「今日、執行は何か任務は入っていたか?」
    金勒「いや、確か非番だったと思うが……」
    雨緒紀と金勒は怪訝な目で乃武綱を見つめる。少しの間どういうことだと考えると、やがて雨緒紀が、
    雨緒紀「……まさかお前、長次郎たちを見に行くつもりでは……」
    乃武綱「………………」
    雨緒紀「おい、何故目を逸らす。答えろ」
    乃武綱「……別にいいじゃねえか(ぼそっ)」
    雨緒紀「駄目とは言ってないが……はぁぁぁぁぁ……お前というやつは(呆れ顔)」
     金勒は非番だから好きにしろという顔で見ている。
    雨緒紀「大体お前、見に行ってどうするつもりだ。四楓院も行っているのだぞ? お前の出る幕などないんだぞ?」
    乃武綱「分かってるさ。ちょっと屋敷の周りをうろつくだけだ」
    雨緒紀「お前みたいなデカブツがうろついていたら目立つだろう」
    乃武綱「大丈夫大丈夫。そこは何とかする」
    雨緒紀「お前がそんなに器用な人間には見えんがな」
     そんな感じで言い争っていると「何じゃ、騒々しい」と元柳斎殿登場。実はかくかくしかじかと金勒がわけを話すと元柳斎は眉を潜めて大きな溜息。
    元柳斎「……お主という奴は」
    乃武綱「何だよ! 援護は多い方がいいじゃねえか!」
    雨緒紀「やっぱりお前手を出すつもりか!」
    元柳斎「……儂からは何も言わん。もし向こうで長次郎たちに会ったら『なるべく傷付けずに捕縛せよ』と伝えよ」
    乃武綱「分かったよ。ほら、総隊長サマのお許しが出たんだ。俺は行くぜ」
    乃武綱が意気揚々で門を出ようとしたところ、金勒がおもむろに口を開く。
    金勒「その恰好、旅人のつもりか?」
    乃武綱「おう。笠まで被って、それっぽいだろ?」
    金勒「……旅人というのは、長い距離を歩いている。だから、もっと薄汚れた恰好の方がいいと思う」
    乃武綱「……言われてみれば綺麗すぎる恰好だな。もっと土で汚すか……」
     乃武綱がしゃがみ込んだその時、
    金勒「蒼火墜」
     真横に衝撃が走り、地面に穴が空く。土煙が舞い、上から砂を被った乃武綱は恐る恐る金勒を見上げる。
    乃武綱「……金勒?」
    金勒「それと、旅人というのはもっとくたびれた感じを作るといい。そうだ。実際に疲れてもらった方が……」
    乃武綱「あの、いえ……結構です」
    金勒「遠慮するな、俺とお前の仲だろう……赤火砲」
    乃武綱「うおっ! おい、お前の鬼道はシャレになんねえから……」
    金勒「赤火砲、赤火砲、赤火砲、廃炎、赤火砲」
    乃武綱「馬鹿さりげなく五十番台を混ぜんな! おい、誰か助けてくれ! こいつを止めてくれ!」

    雨緒紀「……厳原、大分溜まっていたようだな」
    元柳斎「うむ……」
    雨緒紀「お前もあまり厳原に手を焼かせるなよ? あいつの鬼道は強烈だ」
    元柳斎「……気を付けるとしよう」

     こんなすったもんだのやりとりがあって乃武綱おじさんは満身創痍な旅人になって屋敷に来れたんだと思う。声が掠れていたのは金勒に向かって思い切り叫んでいたからですきっと。
     初代のこんな日常話を見たい。主に乃武綱おじさんが不憫なやつ。


    【難しかった点】
    ☆知霧VS大男のバトルシーン
     むっずかし~~~! 金棒って振り下ろすとか振りまわすとかしか攻撃が浮かばなくて、ワンパターンにならないようにすっごく考えました!誰だよ金棒を武器にした人は!(※私)
     その代わり知霧くんを派手に吹っ飛ばすことができました。満足です!


    【今後の予定】
     次回から三作連作になるかもしれません。もしかしたら……書けたら……うん、書けたらいいな……精神的に耐えられなくなったらギャグ任務話を挟むかもしれません。未定です。自分としてはちょっと試行錯誤が必要な内容なのでじっくり取り掛かります。
     今のペースだと一か月弱で一本長いのを出せるかな? といった感じです。もっと早く書けるようになりたい……!

     今回もここまで読んでくださりありがとうございました!愛してるよ!!!
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    Replies from the creator

    hiko_kougyoku

    DONE若やまささ+千日、逆骨
    「世のため人のため飯のため」④
    ※やまささと言い張る。
    ※捏造あり。かなり自由に書きました。
    ※名前付きのモブあり。
    世のため人のため飯のため④  4

     逆骨の霊圧を辿ろうと意識を集中させるも、それらしき気配を捕まえることは叶わなかった。そういう時に考えられるのは、何らかの理由で相手が戦闘不能になった場合――そこには死亡も含まれる――だが、老齢とはいえ、隊長格である逆骨が一般人相手に敗北するなどまずあり得ない。となると、残るは本人が意識的に霊圧を抑えている可能性か……。何故わざわざ自分を見つけにくくするようなことを、と懐疑半分、不満半分のぼやきを内心で吐きながら、長次郎は屋敷をあてもなく進む。
     なるべく使用人の目に触れないよう、人が少なそうな箇所を選んで探索するも、いかんせん数が多いのか、何度か使用人たちと鉢合わせるはめになってしまった。そのたびに長次郎は心臓を縮ませながらも人の良い笑みを浮かべ、「清顕殿を探しております」とその場しのぎの口上でやり過ごしているうちに元いた部屋から離れてゆき、広大な庭が目の前に現れた。どうやら表である門の方ではなく、敷地の裏手へと出たようだ。
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