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    hiko_kougyoku

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    hiko_kougyoku

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    「龍の刺青を持つ男」メイキング
    ※相変わらず散らかった文章
    ※話があっちこっちいってます。
    ※好き勝手書いています。
    ※時折如何わしい妄想あり。

    「龍の刺青を持つ男」メイキング 金勒さんと言ったらさ、やっぱり一度は妄想するよね……刺青ネタ。
     金勒さんの刺青ネタ書きたい書きたい書きたい書きたい書きたい! ぜえったい書きたい! 傷がありながらも白い背中にごっつい刺青が入っている金勒さんを見たい!

     ……という欲望から書きはじめたのが今回のお話であります。長いお話を読んでくださり本当にありがとうございます!

     さて、金勒さんの刺青を妄想するにあたり……

     「龍にする」というのはどういうわけかスパッと決まりました。ちなみに今年の干支とか全然意識していません!
     で、その刺青もカラフルで鮮やかなのもいいけれど黒一色の渋くてこわくてごっついデザインのやつがいいな……しかも目の部分だけギラギラ輝いてんの。更に普段は出てなくて特殊な条件下で出るとか厨二心くすぐっていいよな……そういえば体温で出てくるとか聞いたことあるな……。
     ……なんて色々考えていたらこんな感じになりました。
     今回のお話。構成としてまとめたのは昨年の9~10月頃、書きはじめは11月頃からですが、夏前(雨緒紀の物語三つ目を書いていたあたり)から頭の中でこねくりまわしていました。完成まで時間かかり過ぎだろ!!!もっと早く書けこの野郎!!!!

    ☆白粉彫り
     刺青について調べたら出て来たのが『白粉彫り』。血行が盛んになると浮き出ると言われる彫り物のこと……ですが、創作上のもので実際には不可能なロマン刺青です。(ロマン刺青ってなんやねん)
     でも二次創作だしいいよね!ってことで出しました。いやあ、だって致した時に昂ってきて少しずつ汗がにじんできた背中にぼおっと刺青が浮き出るんですよ?……ええやん?ロマンじゃん? しかもそれが金勒さんの背中にですよ? 素敵やん?

    【キャラ設定とか】
     今回は乃武金の世界線なので、普段の若やまささの世界とかちょっとばかしキャラの雰囲気を変えました。

    ☆金勒
     金勒さんはザ☆殺伐! みたいなキャラにしました。花叢桜達を葬ったシーンとか血も涙もないですし。ちゃんと今日まで生かしてやったじゃないかとか、裏切り者はいらないとか言ってみたり。こええ……。
     でもそんなおっかない金勒さんも最後は負けてしまって乃武綱のものになってしまうの。屈辱だねえ! 悔しいねえ……! 屈辱に顔を歪めながら乃武綱に抱かれて好き勝手されるんでしょ? 心までは渡してたまるかと思いつつも毎晩愛されてとろとろにされちゃうんでしょ? そういう話も見たい見たい見たい!(自分で書け)

    金勒と桜達について
     まず金勒→桜達。裏切者の息子だから信用なんかしていないし好んでもいない。刺青のことを知っている数少ない人間だから利用できるだけ利用して不要になったら56してやろう、くらいにしか考えていませんでした。だから途中で三番隊士が言っていた「厳原隊長は花叢のことを嫌っているという噂も立っている」という言葉はあながち外れてはいなかったのです。
     桜達→金勒。
     金勒様怖い! 逆らったら56される! 大人しくするしちゃんと役目を果たすからお願い56さないで! ……の心持ちでした。


    ☆乃武綱
     「最高に狡猾で欲望にまみれた乃武綱」を書きたいと思ったらこうなりました。狡猾というよりもジャイアンですね。風呂のシーンで桜達に嫌なこと言ったり、長次郎を追いかけまわしたり、雨緒紀をひん剥いたり。乃武綱と桜達のシーンを書いている時は「今回の乃武綱嫌な奴~~~!」と思いながら書いていました。あれ? この書き方だといつもの乃武綱がいい奴みたいになっちゃう……?
     あとラストの一文。

    「此れは、乃武綱が全てを手に入れるためのはじまりの物語」

     このお話は壮大な物語の序章ですよ! 俺たちの戦いはこれからだ! な感じのラストにしたくて入れたんですが、かっこつけすぎたと反省しております! 乃武綱はもっと泥臭いです!!!
     そして最後まで読み終わったら神山羊さんの「Endroll」が流れるような雰囲気のラストにしたいと思いました!(どんな雰囲気やねん)
     ちなみにこの一文、最初は冒頭に差し込もうとしました。でも大袈裟になっちゃうかなと思いラストにしました。

     今回の乃武綱は金勒をモノにするだけではなく、強さへの執着、野心といったものも醸し出してみました。強い奴と戦って勝ちたい。権力とか総隊長の座が欲しいわけでなく、あくまで一番強くなりたい。そんな感じの闘争心も持っていたらいいな。だから最後に元柳斎殿に宣戦布告させてみました。この世界線の乃武綱は元柳斎を倒そうと立ち塞がりそうです。
     そしてこの乃武綱は地獄に行っても元柳斎のことを待っていそうです。元柳斎が死後地獄に行ったら嬉々として刀を向けそうですね。乃武綱VS元柳斎の妖怪大戦争、見たいです!

     そして風呂のシーンで盛大な下ネタを入れてしまいました! お食事中の方がいらっしゃいましたら大変申し訳ございませんでした! このシーンは職場で思いついたのですが、仕事中一人で爆笑してました。
     乃武綱は自分のtnkを汚いとか下品とか思ってなくて『神聖なもの』と思っていそうな感じがします。どこが神聖じゃい!!! 至近距離で見てしまった長次郎ごめんね! たくさん美味しいもの食べてあったかい布団で寝てね!

     乃武綱と桜達のやりとりを書きながら乃武綱という男について考えていたのですが……乃武綱の場合、彼が嫌う人間というのは何種類かいると思うんです。自分を見下す人間だとか、容姿のことを悪く言う人間だとか。
     で、その他にも「戦おうとしない人間」を嫌ってそうだな、なんて思いました。単に弱い人間や、乃武綱から見て出来の悪い人間はそんなに嫌っていなくて、何にもせずにじっとしている人間、欲しいものを手に入れるための努力を怠る人間を目の敵にしていそう。逆に、弱かったり力がなくても立ち向かってくるような人間のことは男気があるって評価しそう。
     だから自分にできることを全力でやる長次郎のことは気に入っているんじゃないかと勝手に妄想しています。あれ、乃武綱いいやつじゃない???
    ちなみに狡い人間や悪さをする人間というのはそれだけを嫌う理由にしなさそう。悪さをして自分や自分の周りの人間に害が及んだら怒りそうな感じがします。
     乃武綱は、最初は桜達のことが大っ嫌いでした。金勒のお気に入りだし口答えの一つもしてこないしなんでも言いなりだし。おまけに顔もきれいだし庇護欲そそるし(完全なやっかみ(笑))

    ☆元柳斎
     今回の元柳斎は狸ジジイにしました! 聞かれたことしか答えない、聞かれないことは話さない、当たり障りのない言葉で濁したり、重大じゃないことをそれらしく話したり……とにかく『嘘は言っていない』というスタンスの狡い男にしました。
     元柳斎殿は曲がりなりとも護廷十三隊の総隊長。頭脳派の食えない男であって欲しいと思っています。そうでなければ貴族や強者と渡っていけないんじゃないかなと考えます……お話を書いているとどうしても脳筋に書きたくなってしまいますが(笑)

    ☆長次郎
     長次郎だけは変わらないキャラを目指しました。乃武綱と金勒の喧嘩を止めたり、卯ノ花の前でちょっと失言をしたり、分からないことは聞いたり。乃武綱と長次郎は書き慣れているからかめちゃくちゃ書きやすかったです。

    ☆花叢桜達(とその父親)
     今回のオリジナルモブです! 実のところ、今回も最初に父親の方の名前から決まりました。以前の雨緒紀の物語の時みたいに、有名な歴史上の人物から拝借しようと調べたのですが、彫り師で有名な人は見つからず、今回は一から考えることとしました。
     彫り師=芸術家みたいなイメージがあるので芸術家っぽい名前がいいな……芸術家っぽい名前ってどんなのだろう……自然に関する字が入っていたらいいな……なんて思いながら調べていると……とある記述を見つけました。
    「和彫りのインクとして使われる書道用の固形墨は奈良の古梅園製の和墨がよい」
    「明治時代の彫り師の間では古梅園製の『桜』が定番とされてきた」
     こ れ だ !
     と言うわけで父親の名前を『梅園』、息子の名前を『桜達』にしました。そして苗字に『花』の文字を入れて『はなむら』に。はなむら、の漢字はちょっと悩みました。なにせ原作でも凝っていたり珍しい苗字が出てくるじゃないですか。(雀部とか可城丸とか阿散井とか)。だからできるだけ凝ったほうがいいのかな、とモブの名前はいつも悩みます。

     桜達くん、典型的な臆病者・弱虫キャラとして書きました。書いている途中「これ雨緒紀の物語完結編の亀之助と被ったな」とちょっと反省しています。いつか「生意気で野心ありありのモブ隊士キャラ」も書いてみたいです。
     で、その桜達くん。金勒さんに連れて来られて護廷十三隊に入隊して他の隊士の中にポンと放り込まれて、しかもいきなり隊長である金勒さんの側近になって、そのせいで周りからのやっかみもあって、でも本人には剣の腕も鬼道もそれどころか知識もなくて……ってこれ現実的に考えるとかなり可哀想な状況ですよね。今回一番可哀想なキャラだったかも……いや、可哀想ですね、うん。金勒さんは多分嫌がらせも兼ねていたのではないかと。
     初代の時代の護廷十三隊は殺気ムンムンな人間の集まりだと思っているので、そんな中に一般人が入ったらそりゃあ何もできませんって!
     逆に桜達くんは流魂街なら幸せに暮らせたタイプだと思います。普通の仕事をして、普通の人たちと交流して、穏やかな毎日を過ごしているのが合っている感じの人。つまりは金勒さんに目を付けられたのが運の付きということです。成仏してね!


    【ストーリーについて】
    ☆龍の刺青の男
     今回「金勒さんの刺青ネタを書きたい」「刺青は龍の刺青にしよう」ということからタイトルは一発で決まったのですが、このタイトルだとすぐに「金勒さんのことだ!」と分かってしまってどうしようなんの面白みもない……と悩みました。そこでストーリーを捻って「かつて尸魂界で名を上げた『龍の刺青の男(金勒)』を乃武綱が見つけ出す」というお話にしよう! と思い今回のストーリーにしました。
     というわけで今回ははじめて全編乃武綱主軸のお話です。若やまささと初代の長いお話は大抵長次郎が主軸、シーンによっては他の隊長が主軸になる……といったように場面場面で主軸となる人物を変えております。ですが今回はぜーんぶ乃武綱が主役! なので書きやすい部分もありましたし、乃武綱とじっくり向き合うことができました! やったね!

    ☆龍の刺青の男は二人いる
     で、「金勒さんが龍の刺青の男でした~!」という展開にするまでいかに面白く、そして回りくどい話にするかを考えました。なんか、ミスリード的なものが欲しいなと。そうしたらじゃあ一回龍の刺青の男が4んだ事にしよう……そして実は生きてました~!という展開にしよう。じゃあなんで4んだか……を考えているうちに金勒さんの過去と絡めていこうということに。
     ちなみに、初期構成では貴族は出さずに龍の刺青の男(かつての金勒さん)が重傷を負う→あまりの怪我に4んだと思われていた、みたいな方向性もいいかなと思いましたが難しいので却下しました。

    ☆有嬪
     飲みながら噂話について語る、という役割は有嬪か弾児郎で悩みましたが、有嬪くんの方が怪しげな感じが出るので有嬪にしました。弾児郎はまた今度!

    ☆雨緒紀
     今回のひん剥かれ枠(笑)最近雨緒紀を巻き込むのがお気に入りです。雨緒紀は乃武綱にぶんぶん振り回されて欲しいし、振り回されたあかつきには思い切りぶん殴って欲しい。

    ☆千日
     千日さんは隠密かつ貴族なので元柳斎と同じくらいいろんな情報を知ってて欲しいです。金勒さんや雨緒紀みたいな「頭が良い」感じの物知りではなく世間のことを良く知っているみたいな。そんなお兄さんのイメージです。

    ☆卯ノ花
     卯ノ花さんと乃武綱の組み合わせははじめて書いたかも……。卯ノ花さんは護廷十三隊に入る前にいろんな強者と戦いまくっていたというイメージがあります。なので今回は「以前龍の刺青の男と戦ったことがあるため乃武綱が探している人物が誰か分かっていた」ということにしました。
     じゃあなんで乃武綱に教えてあげなかったか? 聞かれなかったからです!!!
     作中、乃武綱は卯ノ花さんに「龍の刺青の男を知っているのか?」「どこにいる?」とは聞いていましたが、「誰だ」とは聞いていないんですよね……だから卯ノ花さんも「知っている」とは答えましたが、金勒さんだということは言わなかった……卯ノ花さんそういうところ~~~!

    ☆金勒の過去
     今回の最大の捏造部分です! 普段は初代隊長の過去は書かないようにしています。というのも、一つの過去を書くと自分の中でそれが正史のようになってしまって身動きが取れなくなってしまうからです。あとどんどん深みに嵌るからです。なので「各地を放浪していた」「戦いに明け暮れていた」などふわっと書くようにしています。
     金勒さんに限った話ではないですが、初代隊長のうち一人は護廷十三隊に入る前は用心棒をやっていた人がいるんじゃないかと思います。雇用主が貴族でも商人でも。今回は金勒さんがそれになってもらいました。
    (余談ですが金勒さんはお坊さんのような名前なので寺生まれなイメージも持っています。だから読み書きができるんじゃないかと)
     金勒さんは頭がいいから貴族の思惑とか、自分が見下されているとかそう言う「裏」の部分を察知しやすいんじゃないかと思います。あとプライド高そう(笑)だから貴族が気に入らない。今回出て来た上級貴族は他の貴族と違って狡猾で隙がない、だけど自分のことを対等に見てくれた。賊の頭数を多く報告した時だって頭ごなしに「嘘つけ!」と疑うことなく、それどころか次からは証拠を持ってこいなんて言う抜け目のなさ。だからこそつるんでいたんじゃないかと。でも貴族は気に入らないからお揃いは嫌。
     多分貴族が龍の刺青を彫らなければ、それ以降もお互い利用し合う良い関係を築けていたんじゃないかなあ。


    【戦闘スタイル】
     今回悩んだ部分がもう一つありまして。金勒さんの戦闘スタイルです。
     初代の立ち絵を見ると、金勒と弾児郎は刀を逆手に持っています。で、アニメ7話を見ても金勒さんも弾児郎も刀を逆手で持って滅却師を倒しています。このことから二人は逆手持ちスタイルなんじゃないかと考えます。
     そこで逆手持ちでの戦いかたについてちょっと調べてみました。そしたら逆手持ちのメリットとして、

    ・手首の可動域が狭い。このことはデメリットでもあるが、逆に手首を固定しやすくなるため急所を狙いやすい。動作によってはスピードが出やすくなる。
    ・体術と組み合わせる際、順手だと自分を傷付けやすくなる。
    ・不意打ちにあった際など素早く抜刀しなければならない時は逆手の方が早い。(ただし、その後順手に持ち替えて戦うのが主流)
    ・倒れた敵に刀を垂直に突き下ろしてとどめを刺すには、順手持ちでは手首を返さないとならず、逆手持ちの方が力を入れやすくなる。

     デメリットとしては、

    ・刀同士の押し合いや鍔迫り合いの時は力を入れにくいため押し通されるリスクがある。
    ・逆手持ちだと刀よりも自分の拳の方が相手に近くなり、リーチが生かせなくなる。(刀を持つ意味がなくなる)
    ・遠くの相手に攻撃できない。また、斬るよりも突くがメインになる。

    といったものです。
     なので今回の金勒さんは「抜刀時やとどめの時は逆手持ち、斬り合いの時は順手持ち」といったように持ち方をくるくる変えてもらいました。金勒さん、仕事人って感じにまっすぐに首を狙ってくる戦い方だと良いな。
     余談ですが乃武綱とか有嬪、千日なんかは余裕をみせるというか、相手の力量をはかるために『遊び』の部分があると思うんですよね。元柳斎や卯ノ花さんはとにかく本気で相手を屠る。知霧や長次郎は本気で来る相手にはこちらも本気で相手をするのが礼儀! みたいなところがあるので手加減なんかしないと思います。失礼に当たると思っているから。
     というか初代は元柳斎、卯ノ花、長次郎以外は卍解どころか刀の属性自体の情報もないのでチャンバラをさせることしかできない……時代劇を見ればいいかしら……。
     そして以降の話でも金勒さんの戦い方は逆手&順手を状況によって使い分けるというテクニカルタイプな戦い方で書かせていただきます。

     ちなみにもう一人の逆手持ち隊長の弾児郎。立ち絵を見ると弾児郎の刀が他よりも短いように感じます。ナイフまではいかずとも、短刀くらいの短さ?
    ガタイもいいこともあって、弾児郎は逆手持ちメイン+体術(殴る)な戦闘スタイルだと妄想しています。ガンガン敵を殴って欲しいです!


     それと乃武綱。
     乃武綱はあの性格なので、戦いの途中も軽口を叩いたり鬼道を使ったり時には逃げ回ったり、おおよそ「正々堂々」と言えない戦い方をするような気がします。でもこの男は最後にちゃんと勝つんです。実力で相手を倒すんです。初代護廷十三隊七番隊長・執行乃武綱ですよ? 狡い方法は使っても勝つときはびしっと決めます。そんな男だと信じています。


    【初代による質問会】

    知霧「はい! 山本の旦那に質問です! 旦那が上級貴族のことを語る時、『そやつは儂の古くからの友人でな……その日はとある人物を紹介してもらうために会う約束だったが、儂が屋敷に着いた時にはもう殺されておったのじゃ』というセリフがありましたよね? 旦那は貴族から誰を紹介してもらおうとしていたのですか?」
    弾児郎「いきなり鋭い質問来たな」
    元柳斎「貴族が儂に紹介しようとしていたのは……金勒じゃ」
    抜雲斎「え、そうなのですか?」
    元柳斎「その時儂は護廷十三隊の隊長になりうる人材を探していた。そこで武の心得があったかの貴族に相談したところ、『うちの用心棒に腕の良い男がいる』と言われ……」
    乃武綱「それが金勒だったと。つまりその貴族は金勒の腕を相当買ってたんだな……」
    雨緒紀「それどころか信頼していたしお気に入りだったのではないか? そうでなければ友人である山本に紹介しようと思わんだろう」
    不老不死「でも金勒は殺しちまったんだろ?」
    煙鉄「そう考えると貴族可哀想……」
    逆骨「お揃いくらい大目に見れば良いのに……」
    金勒「じゃあ聞くが、嫌いな人間が自分と同じ刺青を彫ったらどうする? 一生消えないんだぞ?」
    有嬪「複雑だけど、殺すかどうかは……」
    金勒「相手が執行だったら?」
    雨緒紀「とりあえず殴っておく」
    知霧「同意」
    乃武綱「そんなこと言うのは俺が可哀想だから良くないと思います! はい繊細な俺は傷つきました! マンボウなら5回死んでます~!」
    長次郎「変な例えを持ち出して来ないでください!」


    弾児郎「はーい、じゃあここにいる全員に質問!」
    煙鉄「ぜ、全員?」
    弾児郎「そ。みんなはもし刺青を彫るとしたらどんなデザインがいい? 俺は虎」
    千日「自分だけかっこいい柄を選んでずりい! じゃあ俺は鷹!」
    知霧「自分は狼!」
    有嬪「俺は象とか熊みたいな大きな動物がいいな……逆骨は?」
    逆骨「そうじゃなあ……儂はがしゃどくろなどどうじゃ?」
    千日「がしゃどくろ……?」
    知霧「似合い過ぎでしょ……」
    弾児郎「かっけー! 妖怪いいなー!」
    元柳斎「全く、どうしてこう些細なことで盛り上がれるのじゃ」
    抜雲斎「男の子はいつまでたっても夢を持ちたいんですよ」
    乃武綱「刺青かあ……」
    千日「執行強欲野郎問題児ジャイアニズム乃武綱は何がいい?」
    乃武綱「名前なげーよ! ミドルネームの部分が前から増えてるし!」
    長次郎「そのうち寿限無寿限無……みたいに際限なくなりそうですね」
    不老不死「どこまで長くなるか試してみようぜ!」
    乃武綱「やめろ! ……で、肝心の刺青だが……そうだなあ俺は……」
    長次郎「蛇」
    卯ノ花「いいですねそれ」
    不老不死「ぎゃははは! ぴったりじゃねえか!」
    乃武綱「誰が蛇だ! そういうお前はどうなんだ不老不死!」
    不老不死「聞いて驚くな? 儂は……目が覚めるような赤い色の椿だ!」
    抜雲斎「あら、素敵!」
    卯ノ花「椿は六番隊の隊花でしたよね」
    弾児郎「洒落てるなあ」
    抜雲斎「長次郎は?」
    乃武綱「やめとけ、こいつに刺青は早え」
    長次郎「子ども扱いしないでください! 私だって刺青くらい……」
    煙鉄「じゃあどんな絵がいい?」
    長次郎「ううーん……そう聞かれると……」
    逆骨「言っておくが、山本の顔はやめておくんじゃぞ」
    長次郎「……はっ!」
    有嬪「それだ! みたいな顔すんな」
    知霧「流石に山本の旦那の顔が彫ってあったら引くぞ」
    弾児郎「今でも引く時あんのに」
    不老不死「しかも今回の金勒みたいに……あぶりだし彫り?」
    金勒「白粉彫り」
    不老不死「そうそれ! 白粉彫りみたいに浮き出る仕組みだったら……」
    乃武綱「うげえ」
    煙鉄「軽くホラーじゃんか」
    元柳斎「お主ら……!」
    抜雲斎「山本さんの顔はやめて、うさぎさんとか猫さんにしましょ?」
    卯ノ花「犬さんもいますよ」
    長次郎「お遊戯会みたいなチョイスですね!」


    不老不死「最後は儂! 長次郎に質問!」
    長次郎「わ、私にですか? なんでしょう?」
    不老不死「乃武綱の(ピー)はどのくらいの大きさだった?」
    煙鉄「お前www」
    元柳斎「そんなこと知ってどうするのじゃ……」(呆れ)
    不老不死「ここは聞いとくべきだと思って」
    卯ノ花「それで? どのくらい小さかったのですか?」
    乃武綱「いつの間にか大きさじゃなくて小ささの話になってやがる!」
    長次郎「正直思い出したくないのですが……」
    有嬪「長次郎のトラウマを抉るな!」
    乃武綱「人の息子を特級呪物扱いすんな!」
    長次郎「……あの、これは答えるべきなのですか?」
    金勒「答える必要はない」
    千日「そうは言ってもそれじゃ質問コーナーの意味ねえからな……」
    乃武綱「しょうがねえ、言っていいぞ。恥ずかしいけど」
    弾児郎「乃武綱……いいのか?」
    乃武綱「その代わりちゃんと正直に言うんだぞ……『王途川殿よりも大きかったです』って」
    雨緒紀「そんなことで私を引き合いに出すな馬鹿者!!!」
    乃武綱「本当のことじゃねえか!」
    雨緒紀「真面目な顔で嘘を言うな! 誰がお前よりも……」
    長次郎「お二人とも喧嘩はやめてください! ぶっちゃけそんなに変わりません!」
    乃武綱「なんだと!」
    雨緒紀「長次郎、お前の目は節穴か!」
    長次郎「ヒェッ……!」
    金勒「正直どうでもいい……」
    有嬪「まあ俺らは見慣れてるしな」

    千日「というか今回の話は執行がメインだよな?」
    知霧「悔しいですがそうですね」
    千日「ってことはもうこれが『乃武綱の物語』でいいんじゃねえか?」
    煙鉄「だな」
    乃武綱「ちょっと待てよ! こんなに狡猾で欲望まみれで悪役然とした姿が俺の本質だと思われるだろうが!」
    長次郎「何一つ間違ってはいませんね」
    不老不死「乃武綱そのものじゃねえか」
    乃武綱「本当の俺は年長者として、まだ未熟な長次郎を清く正しく導く役割を持つ最重要人物だろ!」
    金勒「要注意人物じゃなく?」
    乃武綱「大体、俺の物語がたった一話で終わるわけねえだろ!それこそ54話くらい使わなきゃ執行乃武綱の魅力は語りきれねえって!」
    有嬪「なげーよ。おめえ一人に何年かける気だ」
    雨緒紀「執行、それはもしかすると第一話のタイトルは『桐壺』とか言うんじゃないんだろうな」
    抜雲斎「54帖……桐壺……あ、源氏物語ですね!」
    千日「お前今年の大河ドラマに乗っかろうとすんな!」
    弾児郎「便乗は良くないぞ」
    知霧「自分が光源氏って言いたいんですか!」
    乃武綱「間違っちゃいねーだろ!」
    卯ノ花「なんで正しいと思えるのですか」
    元柳斎「お主が夜這いに来たらおなごが泣くじゃろう」
    乃武綱「お前だってそうじゃねーか!」
    元柳斎「なんじゃと!」
    乃武綱「顔が怖えんだよ!」
    元柳斎「お主が言うでない!」
    逆骨「どっちもどっちじゃ……ヒヒッ!」


    【妄想】初代の刺青デザイン妄想
    元柳斎→雷神(長次郎の卍解が雷なので……)
    千日→鷹
    金勒→龍
    知霧→狼
    弾児郎→虎
    不老不死→真っ赤な椿(肩甲骨か肩にワンポイントで)
    乃武綱→蛇(腕に絡まるようなデザインで)
    抜雲斎→猫か桜
    煙鉄→亀(玄武)
    雨緒紀→フクロウ
    卯ノ花→クジャク(鮮やかに)
    有嬪→熊か象
    逆骨→がしゃどくろ

    長次郎→柳の木(元柳斎の顔は却下!)


    【最後に】
     次回からは若やまささと初代の長いお話に戻ります! 次は誰も4なないしシリアスでもない生ぬるく甘っちょろい話になる予定です! よろしくお願いいたします!!!
     まだまだ狂うぞ!!!
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    Replies from the creator

    hiko_kougyoku

    DONE若やまささ+千日、逆骨
    「世のため人のため飯のため」④
    ※やまささと言い張る。
    ※捏造あり。かなり自由に書きました。
    ※名前付きのモブあり。
    世のため人のため飯のため④  4

     逆骨の霊圧を辿ろうと意識を集中させるも、それらしき気配を捕まえることは叶わなかった。そういう時に考えられるのは、何らかの理由で相手が戦闘不能になった場合――そこには死亡も含まれる――だが、老齢とはいえ、隊長格である逆骨が一般人相手に敗北するなどまずあり得ない。となると、残るは本人が意識的に霊圧を抑えている可能性か……。何故わざわざ自分を見つけにくくするようなことを、と懐疑半分、不満半分のぼやきを内心で吐きながら、長次郎は屋敷をあてもなく進む。
     なるべく使用人の目に触れないよう、人が少なそうな箇所を選んで探索するも、いかんせん数が多いのか、何度か使用人たちと鉢合わせるはめになってしまった。そのたびに長次郎は心臓を縮ませながらも人の良い笑みを浮かべ、「清顕殿を探しております」とその場しのぎの口上でやり過ごしているうちに元いた部屋から離れてゆき、広大な庭が目の前に現れた。どうやら表である門の方ではなく、敷地の裏手へと出たようだ。
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