いつものように城に帰ると部下たちが今日捕まえた人間や天使の話で盛り上がっているのが聞こえてくる。大方、天界で生きのいいΩでも見つけてどう犯してやろうかと盛り上がっているのだろう。
下品な部下たちだ。
そんな部下たちを横目に部屋へと続く階段を登っていくと、うっすらと甘い香りが漂ってくる。この匂いはΩ特有の匂い。
ヒートと呼ばれる発情期に起こる私達αを誘発する匂い。
部屋へと近づくたびに濃くなっていく匂いに理性を少しずつ溶かされながらも扉を開けるとベッドにちょこんと盛られた私のコートや衣服。
そして匂いはあそこから発せられている。
「アスカ」
あの中にいるであろう彼女に声をかけると服の隙間からひょっこりとアスカが姿を現した。
「ぁ…ミサト……?♡」
「…」
「おかえり…」
ヒートで顔を真っ赤にしながら出迎えてくれるアスカにどうしようもなく心がくすぐられる。
あぁ、今すぐにでも抱き潰したい。
「…上手に作れてえらいわアスカ。
こっちにおいで」
手を差し伸べるとアスカはその手を取り甘い匂いを纏いながら抱きついた。
最初は番になることを望まなかったあの子が今はこんなにも甘えている。
「いい子…いい子ね」
「ミサト…♡」
頭を撫でると柔らかい笑みを浮かべ頬ずりをしてくる。あまりに愛おしくてアスカを独り占めしたい。
誰にもアスカを渡したくない。
「ミサト…好き…♡」
「…」
私の理性がきれるまであと少し。