「あー気持ちよかった……」
一番風呂から上がったあとあたしは少し濡れた髪の毛を拭きながら冷凍庫から棒アイスを取り出す。フルーツのアイスキャンデーが安売りだったから丁度いいと思って今日買っといたのよね。袋を破り扇風機の方に行くとミサトが扇風機の前で雑誌を見ながら涼んでいた。
あたしはなんの躊躇いもなくミサトの前に座り込むとアイスを一口食べて扇風機で涼む。
ミサトはあたしに腕を回しながら何事も無かったかのように雑誌を読んでいた。
「何呼んでるの?」
「んー?ファッション雑誌」
下から顔を出し見てみるとそこにはあたしには少し早めな大人っぽい服装ばかり写っていてミサトもこんなの見るんだと感心しながら雑誌を見る。あたしの頭にミサトの顔が乗ってくるが気にしない。
アイスを食べながら二人で涼んでるとミサトが「アイスちょーだい」とパクパク口を開けてきた。あたしは思わず嫌な顔をミサトにしてしまう。
「ちょっとだけよ?」
「はいはいわかってるって」
ミサトはそう言うけどいつもミサトの一口がデカくてたまに喧嘩になる。この間なんてあたしがこっそり買って食べていたどら焼き一口ミサトにあげたら半分以上持っていかれた。
あれからあたしはミサトにあげるのをやめたけどミサトはそれでもねだってくるから断りきれないのだ。
「ほら、溶けちゃう」
「……」
渋々とミサトの口にアイスを近づけた時予想通りと言うべきかミサトは半分以上のアイスを食べてしまった。残りはあまりにも少なくちょっとしかあたしの食べるところは残ってない。
「あー!何すんのよ!このバカ!!」
怒りが頂点に達したあたしはミサトに掴みかかり叱るがミサトは咀嚼しながら知らん顔をしている。ムカつくったらありゃしない。
「ねぇ!これでオレンジラストなんだけど!!!」
つーんと知らん顔をしているミサトに何度も怒るがミサトはしーらないを貫き通しておりそれに煽られるようにあたしは食べ物の恨みを晴らすべくさっきよりもミサトに激しく怒ろうとした。
「ミサト!聞いてんのっ……」
ミサトに怒りの言葉を言いかけた時いきなり顔を掴まれそのまま深いキスをされる。
一瞬で部屋の中は扇風機が回る音だけが響き、それに混じってあたしを貪る音が小さく響いた。
舌を差し込まれた時うっすら甘いオレンジ味のアイスの味がしてミサトはゆっくりと口を離すとあたしの眼前でミサトはペロリと舌なめずりをした。
「……冷たくて甘いわね」
「っ…」
キスで上手く体が動かないあたしをミサトは後ろから抱きしめるとシャツの下からやわやわと胸を揉みながら首筋を舐める。
最初はくすぐったいと感じていた行為が段々と気持ちいいに変わっていき、自然と足をすり寄せてしまった。
それに気づいたミサトが耳元で「……ベッド、行く?」と聞いてきてあたしはミサトの誘惑にあっさりと負けてこくんとうなずいた。
あたしの返答を受け取ったミサトはあたしをお姫様抱っこをして軽くキスをしながらあたしの部屋へと向かう。軽くやっていたキスは部屋へと近づくと熱っぽさを増しあたし達は部屋のベッドにもつれあうように倒れ込む。
クーラーも付けてないあたしの部屋。少しだけムシムシとした暑さがあたしたちを襲う。ミサトはキスをしながらリモコンでクーラーをつけるとあたしの服をめくりながら愛撫していく。
その後の部屋の中はあたし達の息遣いとクーラーが稼働する音だけが響いていた。