檻(その2)(導入だけ)②ヤッちゃう?
「ここ…は」
檻の中、薄い敷物の上で目覚めるなんて最悪だ。なにか薬品を嗅がされたのか、まだ少しクラっとする。
思考も纏まらず、まだぼーっとしているが、人間に囚われてしまったという事実だけは分かる。大失態だ。
見回せばまだ緑が多く、いつも暮らしている森の中だ。人間は近くに居なさそう……?
と思えば、ザッザッと土を踏む音が近づいてくる。人間だ。とりあえず、まだ寝ている振りをしておこう。
キィと扉が開き、トスッと隣に何か置かれる。そのまままたキィ、ガチャン、の音。そして遠ざかる足音。完全に聞こえなくなったのを確認して、ゆっくり身を起こす。
隣に寝ていたのは知り合いのキツネだった。
「燐音、起きてください。燐音」
「……う、」
「大丈夫ですか?どこか怪我でも?」
「メルメル……?ゆめ?」
「残念ながら現実です。大丈夫?」
「なんで……檻?」
「どうやら捕まってしまったみたいです、俺たち」
貴方も捕まってしまうなんて、と軽口を叩こうとするも、燐音に抱きしめられ、言葉に詰まる。
「どっか痛くねェ?ケガとか」
「俺は大丈夫ですよ。燐音こそ、大丈夫ですか?」
「俺っちも大丈夫。でももう少し、このままでもい?」
「どうしたんです?貴方らしくもない」
抱き締め返し、背中をさすってやる。捕まる時に、酷く追い回されたのだろうか。震える体に強く抱きしめられる。少しでも落ち着くように抱きしめてやると、あっ!なんて声が響く。
「……燐音?」
「っ、メルメル、お願いだから、動くな」
「あなた…」
スルッと腰を撫ればビクッと体ごと跳ねる。
「媚薬でも盛られました?」
「……っ、分かんね。でも、…チンコ痛ェ」
…完全に盛られてるじゃないですか。
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この後、発情🦊🐰のあーまあまえっちを書く予定でした。