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    lemon_155c

    @lemon_155c

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    lemon_155c

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    【BL設定含みます】モブ視点のリョ彩・沢深。架空の番組企画で取材される深。時期とか設定は捏造です。名前だけは他のキャラも出てきます。

    ただのいい女「え、っていうか、あの、バスケットの深津選手ですよね?」
    「そうだピョン」
     予想外の人物との遭遇に興奮して早口になってしまった。いやいや、カメラも回っているというのに。待てよ、でも、これが使えるかどうかはまだわからない。

     俺の仕事はバラエティー番組のADだ。で、今、俺が担当している企画は街で見かけた人に声を掛けてその人の目的地まで同行するというものだ。しかも、今回は特番用に空港で企画を行っている。一人目に声をかけた人の目的地はウルグアイで、取材した人はOKしてくれたが、流石に遠すぎると上司NG。その後も何人か声をかけたがなかなかOKは貰えず、途方にくれていたところ、ふと、光が見えた。いや、本当に特別に光っているように輝く男性が横切った。服装は地味で荷物もシンプル。そこまで遠出では無いはず。思い切って声をかけると、その男性は昨年のオリンピックでも話題になったバスケットの深津選手だった。
    「あ、えーっと、プライベートですか? お仕事ですか?」
    「プライベートだピョン」
    「カメラ、大丈夫ですか?」
    「もちろんだピョン」
     曲者選手をまとめた手腕と、コート外の不思議キャラが話題になり今でもメディアで見かけるのでバスケに疎い俺でも知っている選手だ。初めて会うが「本当にピョンって言うんだ……」と目を丸くした。すると、深津選手は俺の後ろの誰かに手を振った。知り合いだろうか?と俺が振り向くと、大きなサングラスをしたスタイルの良い女性が駆け寄ってきた。
    「やだ、カメラ? え、こんなとこで取材? 言ってくれれば、集合時間ズラしたのに」
     女性はやけに親しげだった。彼女とか?しかも、撮ってていいの?俺は女性にも自分の仕事の説明をすると女性は「前に見たことある!」と笑い、彼女も取材を了承してくれた。
    「ところで、深津選手、こちらの女性は?」
     俺が深津選手に尋ねると、深津選手は斜め上に視線を向けて、数秒考えるような様子を見せた。やっぱ簡単には言えないような関係なのか?でも、取材をOKしてくれたってことは、何なんだろうか?
    「彼女ピョン」
    「え?」
     深津選手の回答に被せるように女性が大きな声を出した。 え、これどういうやつ? 女性は彼女と思ってなかったとか? あ、いや、公表していいのか? の驚きか?
     なにせ、深津選手は表情が変わらない。テレビで見たまんまだよ。何考えてるか全然わからん!
    「何言ってるんですか」
    「面白いことになるから、俺に任せるピョン」
    「はいはい」
     2人は謎の会話をしていたが、まぁ、テレビ的に使っていいなら編集でどうにかするか……そして、俺はいよいよ本題に切り込んだ。

    「番組ご存知なら予想ついてると思うんですが」
    「えぇ」
    「お二人はどこへ行くんですか?」
    「アメリカピョン。可愛い後輩の試合を見に行くピョン」
     すると、深津選手はカメラに向かい1枚の写真を差し出した。日本代表のユニフォームを着た深津選手と、もう1人その写真には映っていた。
    「あ、えーっとサワ〜……沢北選手!」
    「正解ピョン」
     沢北選手はアメリカでプレーしてるし、日本のメディアにはほとんど出ない。昨年のオリンピックでは深津選手と共に日本代表としてプレーしたし、そのルックスの良さとインタビューなどメディアには出ない、ミステリアスさが話題になった。まぁ、俺としてはどんなメディアにも元気に応える桜木選手の方が好印象だったので、名前を忘れかけていた訳だが。ここだけの話、沢北選手を坊主のイケメン、流川選手のことを髪の長いイケメンって呼んでたからな。名前、思い出せて良かった。
    「そういえば、お二人は高校の先輩後輩だと話題になってましたね」
     深津選手はゆっくり深く頷いた。
    「本題ですが、その旅、ついて行ってもいいですか?」
    「いいピョン」
     アメリカなら上司の想定エリア内だし、バスケの試合ならそんな僻地までは行かないだろう。
    「いいんですか? 向こうに話ししなくて?」
    「先輩の言うことは絶対だピョン」
    「え〜? 私、知りませんからね〜」
     彼女は少し面倒くさそうに唇を尖らせた。ところで、この女性、何者なんだ? 彼女も荷物少ないんだよな。まるで日帰りのようだ。聞けば、2人は2泊の予定らしい。その中日に沢北選手の試合を観戦する予定らしい。

     俺は、飛行機や宿泊地の手配と上司の報告があるので、2人とはまた現地で落ち合うこととなった。アメリカでバスケ観戦か。滅多にないチャンスに今回はラッキーだと思った。ちなみに、試合のチケットは深津選手が「沢北に言っとくピョン」の一言でどうにでもなるらしい。
     これまで、終電無くしたおじさんと家まで4時間歩いたり、マイナーなヴィジュアル系バンドのライブに行ってファンの手振りやコールに圧倒されたり、動物が苦手なのにペットだらけの家の掃除を手伝ったり……そういう、苦悩するADという絵がウケたらしいけど。いいでしょ、たまには。そんなこれまでを振り返っていると搭乗する飛行機のアナウンスが流れた。飛行機に乗ると、この先の取材のためにすぐに眠るようにした。

     
     俺は荷物を受け取り、深津選手と彼女との合流した。すると、数時間前、日本の空港で深津選手を見た時以上の光が俺に近づいてきた。いや、相手は俺に向かってきているわけじゃない。

    「ふかつさーん!!!!!!!」

     長い手を大きく振りながら、深津選手に飛びついたのは、ミステリアスな印象の沢北選手だった。いや、待ってくれ、まだカメラ回してないし、え? キャラ違くね?
    「暑苦しいからくっつくなピョン」
    「えー! だって、久しぶりじゃないっすか〜」
    「エージ、久しぶり」
    「あぁ!アヤコ!!久しぶり!!」
    「リョータは?」
    「あ、駐車場」
     そう言ってる間も、沢北選手は深津選手にベッタリとくっついている。
    「沢北、今日は取材がついてるピョン」
     深津選手が俺を指差すので、俺も慌てて近づいて沢北選手に頭を下げた。
    「え!?何だ、先に言って下さいよ」
     すると沢北選手は深津選手から離れ、妙にカッコつけ始めた。
    「いや、もう遅いわね。 エージの本性が日本のメディアにバレる日が来たわね」
     その様子にため息をついたのは、謎の女性だった。さっき、沢北選手が「アヤコ」と呼んでいたし、沢北選手とも親しいようだ。
    「えー!ヒドイよ〜! だって、日本のメディアでは喋るなって深津さんが言うから〜」
    「エースがバカだとバレると、日本のバスケレベルが問われるピョン」
    「エージも流川もバスケ以外、とんでもないからね。 流川は喋らないからバレないけど」
     女性は初めてサングラスを外したが、なかなかの美人だ。やっぱ日本代表と付き合う人はただもんじゃないな。
    「いや、でもアイツの喋らなさは異常だからね!! チームプレーとか出来たもんじゃねぇよ! リョータや深津さんが甘やかすから!!」
    「いや、流川のプレーは文句の付けようがないピョン」
     俺は3人のやり取りに入る隙を失っていると、今度は後ろから「アヤちゃん」と女性に呼びかける声がした。
    「リョータ!」
    「久しぶり、あぁ、今日もめっちゃ可愛い! この前、あげたサングラスも使ってくれてるんだね」
     わかりやすく女性にハートを飛ばしているこの男性も見たことあるな、えーっと何だっけ?この人もバスケの選手だったはず。俺が必死に思い出そうとしていると、深津選手が俺の隣にぬっと現れた。
    「宮城リョータだピョン。アイツも去年のオリンピックに出たピョン。出番は少なかったけど、俺の活躍で」
     すると、その宮城選手がズンズンと俺に近付いて来た。
    「で、アンタは誰っすか? 深津さんも、もうその話ヤメて下さいよ。気にしてんすから、俺」
     深津選手は睨みを利かす宮城選手に対して、ニコニコしていた。俺は、自己紹介と企画の説明、それから2人に取材許可を取ると2人も快く取材を受けてくれるという。「バスケ好きな人にも、そうじゃない人にもアメリカのバスケを見てほしい」と笑った。2人とも少年のようだった。

     しかし、直後、俺はとんでもない爆弾を落としてしまう。
    「ところで、2人も深津さんの彼女とはお知り合い?」
     俺が女性を指すと、女性も驚いた顔をした。
    「え、深津さんの?彼女?」
    「え? アヤちゃん……」
     沢北選手は顔を青くして、今にも倒れそうだし、宮城選手は立ち尽くしたまま泣いていた。俺は状況が理解出来ず、深津選手を見ると、少しだけ口角を上げて(いやでも本当に少しだけ、テレビ的には表情変わらずといっていい。俺は至近距離だから気付いたけど)静かにブイサインをした。女性は、深津選手の表情を確認すると「何が、俺に任せろよ」と溜息をついた。
    「ふかつさーん!どういうことっすか!? 何で!? オリンピックに2人とも出られたら付き合ってくれるって言ったから俺、超頑張ったんっすよ!? しかも、アヤコとか!!! 何で!!!?? 確かに、アヤコはいいヤツだし、ご飯も美味しいけど!!俺の方がバスケ上手いっすよ!!!!」
    「やめてよ! 一般人と日本代表比べるの!!」
     大きな瞳に涙を溜めた沢北選手が深津選手の肩に手を置いて、その肩を大きく揺すった。普通の人なら倒れるであろう角度で揺れているが流石、日本代表の体幹……じゃなくて、流石に女性も困惑している。これはいったい……
    「あの、深津選手…こちらの女性とのご関係は?」
     収集のつかない状況に俺は勇気を出して深津選手に尋ねた。
    「俺とアヤコは友人ピョン」
    「あ、でも最初に取材した時に『彼女』って……」
    「『俺の彼女』とは言ってないピョン」
     やられた。俺が固まっていると、宮城選手がガバっと女性に抱きついていた。
    「アヤちゃんは俺の彼女!!」
    「あー、ウルセーなも〜」
    「この女性は『宮城の彼女』だピョン」
     深津選手はいたずらが成功した子供のように笑っていた。

     さて、その後のこの企画は特番の目玉企画として扱われた。空港でのやり取りもさることながら、沢北選手と宮城選手の所属するチーム、日本人同士の直接対決は盛り上がった。
     試合の前後では、同じくアメリカでプレーしている、桜木選手、流川選手も交えた食事会も行われたり(桜木選手の食べっぷりが豪快で気持ちよかったし、流川選手がどこでもすぐ寝たのでその度に彩子さんに起こされていた。2人は中高の先輩後輩らしい)、沢北選手と深津選手が遠距離恋愛中であることのカミングアウトされ(ついでに、沢北選手が日本のメディアで喋らなかったのはキャラ作りだったこともカミングアウトされた)、宮城選手が彩子さんにプロポーズして(後から知ったが、深津選手も彩子さんも恋人の家に泊まる為、荷物が少なかったようだ)、大きな話題となった。
     まぁ、とにかく、俺としては自分の関わった企画が大反響で一安心だけど。冷静になって思うのは、彩子さん、ほんとうに何者ですか……?
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    lemon_155c

    DONEこんなリョ彩が見たい!ということで、書き手4人でシチュエーション交換を行いました。
    私が担当したのは「事故ちゅー」です。
    学校行事とかも考えましたが、部活の方が起きる確率高いかな?と思って、部活にしました。

    ※作中、CPとしての描写はありませんが他キャラクターの彼女の有無や交際歴について触れています。
    夕暮れは赤を隠す それはいつもバスケ部にとっていつも通りの光景のはずだった。木暮の何気ない一言が発せられるまでは。
    「え? 木暮さん、彼女いた事あったんですか?」
    「佐々岡、お前彼女いたのか……」

     バスケ部ではお馴染みとなった、桜木と流川の小競り合いを止めに入った佐々岡が桜木に吹っ飛ばされて木暮と接触した。そこまでは、よくあるバスケ部の出来事だが、今日は少し違った。接触した際、佐々岡の唇が木暮の頬に触れてしまったのだ。泣きながら謝る佐々岡に対して、木暮は気にするな、と苦笑いしたが、土下座のスタイルで謝る佐々岡に宮城と三井は思わず笑ってしまった。加えて、原因を作った桜木も指を差して笑っていた。
     そんな佐々岡に木暮が「そんなに気にするなよ、お互い初めてって訳でも無いし」と言ったことで、それまでお腹を抱えて笑っていた3人は動きが止まったのだった。
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    lemon_155c

    DONE個人的にこの絡み見てみたいな〜。という組み合わせのショート詰め合わせで書いてみました。男女の片思いはありますが、カプというほどの表現はありませんが、リョ彩とヤスアンを推してる女が書いてます。
    リョータ達が3年の5月ごろのイメージ。アンナちゃんもマネージャーになった湘北を妄想。あと、桜木軍団とバスケ部も仲良しになっているだろうな〜。という妄想も詰めました。
    ふたりずつⅠ 高宮&桑田
     移動教室の途中、パシッと何か叩くような音が廊下に響いた。
    「おぉ! あれはサッカー部のエースと美人マネージャーのカップルじゃん」
     廊下を振り返り、発生元を確かめるとそこにいたのは校内でも有名なカップル。失礼と知りつつ、俺の目が輝いた。これは、凄いニュースだ!
    「訳ありっぽいから嬉しそうにするのやめなよ」
    「桑ちゃんは優しいな〜。だって、校内でも有名なカップルだし、どっちも狙ってるヤツいるぜ?これは荒れる予感だぜ」
     桑ちゃんことバスケ部の桑田くんと俺は2年で同じクラスになった。花道たちとはみんな違うクラスだし、顔見知りは他にいないので俺から話しかけた。可愛い顔のわりに意外と骨のある男で、流石部活で花道と流川に揉まれているだけのことはある。それに、俺としてもラッキーなのは花道たちといると女子が話しかけてこないのに、桑ちゃんといると女子が普通に話してくれる。そんな訳で、すっかり俺はクラスで桑ちゃんといる時間が増えた。
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