欲張りな願い事「うわ、外もあっついな……」
むさ苦しい部室から1歩足を踏み出した途端、全身を包み込むような熱気。思わずそう言葉を零すと、肺の中まで熱された空気が入り込んでくる。その心地悪さから額にシワを寄せてみても、ただその上を汗が流れ落ちるだけ。
まだ7月に入ったばかりだというのに、何故既に夏真っ盛りのような気温なのかまるで理解ができない。地球が俺に優しくない。
「暑いのはわかったから、ほらさっさと出ろ。部室閉めれないだろ」
これからこの熱気の中を歩かなくてはならないと思うと、いっそ部室の中の方がマシなのではないか。そんな怠惰な思考から2歩目が出ない俺の背を、グイグイと遠慮なく押してくる硬い感触。この硬さ……さては肘で押してやがるな。
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