ある処にて 真島吾朗は神室町を彷徨っていた。その目的は床屋探しである。
蒼天堀から神室町に越してきてからは行きつけの床屋があった。無口で無愛想な店主が営むその店は言わずとも真島の求める髪と髭に整えてくれる、大層居心地の良いところであったのだが、その店主が亡くなったことにより閉店となってしまったのだ。
それからというもの、西田に良い感じの店を探して来いと命じていたのだが、彼は雑誌を持ち出して真っ先にカリスマ美容師が居る流行りの美容室を勧めてきたので真島はその雑誌で西田の頭をはたいてやった。
価格が高いし、カリスマ云々に興味の欠片もないと伝えれば、今度は価格もお手頃な千円カットの店ばかりを勧めてきたのでこれまた雑誌ではたいてやった。
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