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    ぺおまる

    主にピオ考
    最近は原型とピピ

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    POIPOI 20

    ぺおまる

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    【ピ×ピ】
    拙宅ピ×鳥さん宅ロリピ
    ( )は愛称。

    ・拙宅ピ(ミモザ)さんはいいとこの会社の御曹司で社長
    ・ロリピ(辰砂)は嫁
    ・そこまでじゃないけど吐瀉表現アリ
    ・続きは鳥さんが書いてくれます多分

    ちか、と窓のカーテンから光が差し込んで来て目を覚ます。
    朝日から逃れるようにもぞりと顔を布団にすり付けながら、自分の隣に眠っている男の、金の中に燃えるような深い紅の髪を弄りながら、夫を起こす。
    「……ん、……みもざ…、朝、だぞ…」
    「……?、しん、しゃ……か?今何時…?」
    起きようとしたピオの首に腕を絡め、ポフンとベッドへと押し戻す。
    「まだ8時前だよ、目覚めちゃったからさ」
    「ん…、そう、か…」

    まだ眠たいのか、ピオはうわ言のような声で返事をする。だが、ふと彼の顔色が普段と何かが違うと気がついた彼女は彼に問いかけた。普段よりも、顔に赤みが増したような、そんな感じがして。
    「なんかお前、顔赤くないか…?」
    「、…ん~?そうか?特にいつもと変わらないぜ?」
    「でも」

    と、言いかけた瞬間、こんこん、と寝室のドアをノックする音とともにガチャリ、とドアを開いて入ってきたのはこの屋敷の執事長のバトラーと、目覚めの紅茶を銀のワゴンに乗せて持って来たメイド長のメルー。
    「おはようございます…おや、お二人共、もう起きていらしてたのですね。新聞をどうぞ、坊っちゃん。
    …本日はリプティーン社の紅茶をご用意致しました」
    執事長からティーカップと新聞を受け取り、飲む前にすん、とピオが紅茶の香りを嗅ぐ。
    「…アールグレイか?」
    「流石坊っちゃん、ご明察でございます。アンジェリーヌ様もどうぞ。」
    「あ、あぁ…」
    戸惑いながらも辰砂も紅茶を受け取ってこく、と飲む。いつもと変わらない味。いつもと変わらない風景。いつもと変わらない彼。いつもと変わらない。ただ、この胸の胸騒ぎだけ除けば。

    目覚めの紅茶も飲み終わり、ピオはベッドのすぐそばにあるカウチに座り、執事長に手伝って貰いながら仕事着へと着替え、いつも通り今日の仕事の予定を聞く。

    「…今日の予定は」
    「はい。朝食後の10時よりダイタル社と商談の会議、昼食後にはプリンセス・ピーチ号及びスーパーマリン号の設計の許可の書類の確認をと、お電話で秘書のアルフレード様より3度による催促がありました。その後、午後からは16時から21時迄ラメール社へ赴き社長イルマ・ミラージュ様との契約会議が御座います。」

    ピオが父の跡を継いで社長に就任してからというもの、あれやこれやと仕事が舞い込み、学生の頃とは比べ物にならない程、多忙な日々を過ごしていた。子供達ともなかなか構えられない日々ばかり続き、またそれは辰砂にも言えることで。
    ここ最近会える時は朝の時と夜遅くに仕事に帰ってきた時、そして一緒に寝る時位で、それ以外では殆ど話せてもいないし休めてもいなかったというのもあり、"夜の誘い"もなかなか出来ずにいた。

    「3度って…やれやれ、社長に就任してからというもの会議やら書類やらなんやらばかり、だ、な……ッ、?」
    ふいにグラッと目眩がし、危うく倒れそうになったがカウチの手すりに捕まってなんとかそれは防いだ。が、その過程をすぐ近くで見られていた辰砂に心配そうな顔でこちらの顔を覗き見る。

    「な、なぁミモザ。やっぱりお前体調悪いんじゃ…」
    「…大丈夫、だから。さ、着替えも済んだし、朝食に遅れてしまう。子供らも待ちくたびれてるだろうし、行こう。」

    「うん、…」
    どこか不穏な空気を残しつつ、いつもより少し熱い彼の手を握り締めて食堂へと向かった。

    ……………。

    「…はぁ~、本当にこの書類の山だけはいつ見ても慣れないな〜…」
    書斎のデスクの上には商談会議の書類や自社の設計書類、その他軍事機密etc…と様々な書類たちが山のように置かれていたが、その中心で机に顔を突っ伏して不貞腐れている男が1人。それを見て、PCからは怒号に近い声で社長ことピオに対してタメ口で言ってくる。

    『仕方ねーだろ!事情が事情とはいえ社長のお前がこっち来れないんだから俺がわざわざ車で屋敷まで書類送ってやってるんだろーがよ!文句言うな!!』
    怒号の声の主は学生からの仲でもあるアルフレードこと坊だ。お気楽天然でいたずらもお構い無しな性格で中々の問題児だったが、どの人達よりも記憶能力にずば抜けているところをピオに買われ、自社の右腕へとなった彼は今、ピオの会社で同じく書類に埋もれながら仕事をこなしていた。辰砂の"ある事件"を切っ掛けに、ピオは会社へは赴かず、社長本人が行かねばならないようなことがない限りは基本、書類など事務的作業は屋敷で行いつつ、リモートで坊と通話しながら仕事をする、というスタイルで仕事をこなしていた。

    「悪かったって。今度寿司奢ってやるから。」
    『ぐっっ、…ぬぅ…!!ちくしょう!回らないやつな!!!!』
    「はいはい。」
    こいつの給料も今ではそこそこのはずなのだが、なぜか学生の頃からこういったことには弱く、褒美としてねだることもしばしばあった為にいつの間にか定着してしまっていた。
    ふいに、坊がピオの顔を見ていつもと違う事に気がつく。

    『…、?なんかお前、顔赤くね?大丈夫か?』
    「いや?そんなことないぞ?」
    『いや嘘つけ、ぜってーーー熱あんだろ。お前ガキの頃結構酷めの小児喘息だったじゃねーか、下手に見栄張ってるとまたぶり返すぞ?』
    持ち前の記憶力を遺憾無く発揮するが、今この時だけはそれを思い出さないで欲しかった。辰砂が子供たちの相手をしている為、この場には居なかったから知られずに済んだものの、はぁ、と深い溜息を零す。
    「おまえなぁ〜…そんな昔のことまで覚えてるのか…」
    『まぁな!記憶力に関してはどこの誰よりも 天 の 才 ☆ だからな!褒めたっていいんだぜ?(ドヤァ)』
    にやぁ、とまるで今にもイタズラしそうな男の子のような顔をしてピオを見やる。ピオはその顔を見るなり、心底面倒くさそうな顔をする。

    「(うぜぇ…)そうかい」
    『なんか俺の扱い雑すぎねぇ!?…まぁいいや、でもほんとに気を付けろよ?嫁さん心配させんなよ』
    ほんと、なんでこいつはこういう時だけ勘がいいのやら。

    「お前に言われるまでも、ねぇ、よッ、けほっ」
    やや咳混じりで坊にそう言うと仕事を再開したのだった。

    ………

    「…では、今後とも宜しくお願い致します。では。」
    「ええ、こちらこそ。」
    今日の最後の仕事で夜遅くまで他社の社長と契約に関して話を進め、契約完了をしたその帰りの車の中。席でぐったりとしたピオがそこにいた。
    「……、はぁ、ゲホっ。」
    「坊っちゃん、大丈夫で御座いますか…?相当我慢されておられたようですが…」
    ピオのすぐ隣には辰砂…ではなく、執事長が迎えの車に同席しており、彼が熱がある事は正直言うなら朝の時点で気がついてはいたが、ピオ本人から釘を刺され言えないままでいた。とぽぽ、とグラスに水を注いでピオに渡す。
    「…あぁ、ありがとう…ン、く…ぷは、。なんとか、な…けほっ、今日の仕事はどれも俺抜きじゃ出来ないことばかりだっ、たし、ましてや軍の家系の社長が『風邪引いて出れません』なんて、言えないだ、ろ、"う、ゲホっ…」
    明らかに朝より悪化しているのは明白で、車の座席を倒し、ピオの汗を拭いつつ少しでもマシになる様にブランケットをかける。
    「とにかく、屋敷へ着くまでの間はお休みになられてくださいませ。屋敷に着きましたらお知らせ致します。」
    「あ、ぁ…そうさせてもらうよ、じい、や…。」
    執事長のことを『じいや』と呼ぶのはピオが相当弱っている時だ。安心したように すぅ…と目を閉じて眠る。今頃、辰砂や子供たちはもう寝ているだろうし、この姿を見られる心配もないだろう、そう思っていた。そう、帰るまでは。

    ガチャ、と玄関ホールの扉が開く音がしてぱたぱたと階段を掛け下りる音と共に出迎えたのは、紛れもない自身の妻である辰砂だった。いつもならとっくに寝ている時間帯なのに。
    まさか起きているとは思わず、さすがのピオも驚きを隠せず、珍しく動揺してしまう。
    「ミモザ!お帰、り…!?ちょ、お前朝の時より酷くなってるぞ?!やっぱり風邪引いてたんじゃないか!」
    「……しん、しゃ、!?ゲホッ、なんでまだ起きて、?!子供は…」
    「子供ならもう寝かせてるよ!だけどお前の様子があっきらかおかしかったのと、坊から連絡来たんだよ!全くお前は!」
    「~あんっの、や、ろ…、覚えて、ケホッ、ろ…、」

    そう言いかけた時だった。
    ぐにゃり、と視界が歪み、倒れ込むように膝まづき、呼吸も荒くなり、胃から急に吐き気が込み上げてくる。思わず口を抑えるが、指の隙間から吐瀉物が漏れ出て、床にびちゃ、と零れ落ちてしまう。
    「ひゅ、う、ゲホッ、ゲッ、…ッヴぇ、ッ、え"っ!ゲボッ!、カひゅ、っ…は、…!!ぁ……」

    「ミモザ!!!!!!」

    胃に入っていたものを吐いて、その場に倒れ込む。歪んだ視界の中に見えたのは、慌てて駆け寄って自分の名前を叫んでいる辰砂と、執事長が誰かを呼んでいる所だった。

    ……………

    「ぜー、…ひゅー、…っけほっ、…」
    「な、なぁ…ミモザは、主人は大丈夫なのか…!?なんの病気なんだ…!?」
    「奥さん、落ち着いて!…大丈夫、治らない病気ではないです。疲労による風邪ですよ。様子を見るに、相当無理してたようです。たぶん、昔の喘息もぶり返したんでしょう。吐いたのは恐らくはそのせいですね…こればっかりは仕事も休んだ方がいい。」

    「ぜん、そく、?それに昔って…ミモザって喘息になってたのか…!?そんなの一言も聞いてないぞ!?なぁ、どういう事なんだよ!?」
    とても取り乱した様子で執事長の服を荒々しく掴む。執事長もぐ、とした顔で辰砂に答えた。

    「…、ここ数年は風邪は引くことは数度ありましたが…喘息は坊っちゃんが幼い頃に一度かなり酷い小児喘息になっていたので…心配をかけさせたくないからと、坊っちゃんからお話するのを禁じられておりました。……申し訳御座いません。」
    「…ッあ、ちが、執事長に責めてるわけじゃないし、様子がおかしいのに気づいておきながら言わなかった私が悪いんだ。それに主人から言われてたんなら尚更だし…だから、頭を上げてくれ。」

    「…まぁ、数年経って来てなかったら治ってるも同然ですからね…恐らくは無理矢理我慢してたのと仕事の疲れが同時に来てぶり返したんでしょうが…」
    カルテを見ながらピオの専属である医者はそう答える。不安そうに辰砂がピオの手を握っていると、握られていた感覚に気がついたのか、ぱち、と目を覚ました。

    「…ぜ、ーはー、…ん、…ぅ…ここ、は…?」
    「…!ミモザ!!!」
    「おぉ、坊っちゃん!お気づきに…!あぁ、まだ起きてはなりません、まだお熱が…」
    わぁ、と執事長や辰砂がピオの顔を覗き見る。
    起き上がろうとするピオを寝かせようとしていると医者がピオに話しかけた。
    「気が付かれましたか、良かった。…まったく、風邪に関しては我慢するようなことはしてはいけないと昔からあれ程―」
    そう医者が言いかけた時、ピオはそのことに気がついてはいたが『あえて』避け無かった。

    「バカっっっ!!!!!!!」

    バチンッ、と乾いた音が辺りに響いた。

    「…え、っ?」
    「なっ…!?」
    「ーーー、っ、」

    じん、とピオの頬に痛みが走る。どうやら辰砂に思いっきり平手打ちをされたようで、執事長と医者もまさか重度の患者にぶっ叩くとは思っていなかったのだろう。2人共暫く呆気していると、辰砂は目からボロボロと涙を零しながら、ポコポコとピオを殴りつつ罵倒していく。
    「なんで!!なんでおれにそんな大事な事話してくれなかったんだよ!そんな我慢して挙句ぶっ倒れて!おれに心配かけたくない!?それがこの結果じゃないか!バカ!ばかばかばかぁ!!!」
    ポカポカとピオの身体を殴り、ピオは辰砂を諌めようとするが、止まるどころかむしろ勢いが増していく。
    「しん、しゃ、いてっ、ちょ、まてって、あだっ、ゲホッ」
    「お、奥さーん、患者を刺激しないでくれ、目が覚めたとは言えどまだ治ってないんだしっ!」
    「アンジェリーヌ様、どうか落ち着いてくださいませ、アンジェリーヌ様っ!」
    「は、なせっ!まだ、怒り足りない!今!怒っておくべきなんだ!」
    執事長や医者に腕を掴まれるも、見た目の可憐さとはまるで似合わない持ち前の力でそれを振り払う。
    その隙に、ピオは辰砂の頬を両手で包み、辰砂を諌める。
    「辰砂、待っ、待てって!その、…黙ってて悪かった。」
    「……まだあるだろ」
    「あー…、えと、けほっ、無理して、ごめん」
    「……んで、…なかったの…」
    「…、?今、なんて」
    「…なんで、はなしてくれなかったの。」
    「…それ、は」
    「……お前、おれに言っただろ、もう、お前を失いたくないって。離れたくないって…ひとりに、したくないって。…なのに、なん、で。ぅ、…ほんと、に…、死んじゃったかと、おもったんだそ、…ばが、ぁ…!」
    「辰砂、」
    ぼろぼろと泣きじゃくる彼女を見て、ぎゅ、と彼女に抱きついた。優しく、けど少し痛いくらいに。急に抱かれて顔がピオの胸元に埋もれてしまい、顔をポンっと出す。
    「むぐっ、…!?っ、ぷはっ。みも、ざ…?」
    ぎゅ、と抱きついて、辰砂の頭を優しく撫でながら。
    「…御免、な」
    それを聞いた途端にまた辰砂の目からは大粒の涙が零れ落ちる。殴っていた手はいつの間にかピオの身体に腕を抱き回しており、ぎゅう、と彼にしがみつく。
    「…~~~ばか、ぁ…!。そんなこと言われたら、もう、怒れない、だろぉ、…!」

    その2人のやり取りを見て、執事長と医者は目を合わせ、
    「(あー…お邪魔蟲は、退散しますかね…)」
    「(そうですね…)」
    と心の中で会話し、2人に気づかれぬように部屋を後にした。
    ……

    玄関ホールまで医者を送る途中、医者が鞄の中から薬の入った紙袋とメモを執事長に渡す。
    「とりあえず、この薬を毎日朝と夜の食前に、こっちの飲み薬は食後に湯で薄めて飲むように。分量はこの紙に書いておきましたから。とりあえず明日また様子見に来ますよ。」

    「かしこまりました、お預かり致します。」
    薬袋とメモを受け取り、玄関ホールに着くと医者がぽそり、と呟いた。
    「……それにしても、長年坊っちゃんの事見てきたけど、まさかあんなに大人しかった"あの"坊っちゃんがあんなに早く奥様ができるなんてねぇ…世の中分からないものだよ。でも、まぁ夫婦仲もいいみたいだし、何よりかな。…まぁ、ぶっ叩いてたけど。」
    そう呟いて執事の方を見やると、執事長はどこか嬉しそうな、淋しそうな顔で答える。
    「…そうですね、子供の成長は早いものですから、ね」
    執事長のその顔を見るや否や、医者はとても驚いたような顔で「……長年坊っちゃん専属の医者してるけど、貴方の泣き顔初めて見たなぁ…」

    「嬉し泣き、で御座いますよ」

    執事長はそう答えると、医者を車に乗せ門まで見送った後、主人達がいる部屋へと戻るのであった。
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    ぺおまる

    DONE【ピ×ピ】
    拙宅ピ×鳥さん宅ロリピ
    ( )は愛称。

    ・拙宅ピ(ミモザ)さんはいいとこの会社の御曹司で社長
    ・ロリピ(辰砂)は嫁
    ・そこまでじゃないけど吐瀉表現アリ
    ・続きは鳥さんが書いてくれます多分
    ちか、と窓のカーテンから光が差し込んで来て目を覚ます。
    朝日から逃れるようにもぞりと顔を布団にすり付けながら、自分の隣に眠っている男の、金の中に燃えるような深い紅の髪を弄りながら、夫を起こす。
    「……ん、……みもざ…、朝、だぞ…」
    「……?、しん、しゃ……か?今何時…?」
    起きようとしたピオの首に腕を絡め、ポフンとベッドへと押し戻す。
    「まだ8時前だよ、目覚めちゃったからさ」
    「ん…、そう、か…」

    まだ眠たいのか、ピオはうわ言のような声で返事をする。だが、ふと彼の顔色が普段と何かが違うと気がついた彼女は彼に問いかけた。普段よりも、顔に赤みが増したような、そんな感じがして。
    「なんかお前、顔赤くないか…?」
    「、…ん~?そうか?特にいつもと変わらないぜ?」
    「でも」

    と、言いかけた瞬間、こんこん、と寝室のドアをノックする音とともにガチャリ、とドアを開いて入ってきたのはこの屋敷の執事長のバトラーと、目覚めの紅茶を銀のワゴンに乗せて持って来たメイド長のメルー。
    「おはようございます…おや、お二人共、もう起きていらしてたのですね。新聞をどうぞ、坊っちゃん。
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