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    85_yako_p

    カプ入り乱れの雑多です。
    昔の話は解釈違いも記念にあげてます。
    作品全部に捏造があると思ってください。

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    DoS幻覚。スパイ×交渉人
    立ち絵のみの情報で書きました。(2019年?)

    ##DoS幻覚

    プレゼント・フォー、「よう姫さん! ちょっといいか?」
     俺の軽口にくるりと銀のしっぽがなびく。俺の持っている荷物を認めると、笑みは少しだけ深くなった。
    「なんだ? またオレ様に献上品か。懲りないな、アンタも」
    「ま、そう言わずに受け取ってくれよ」
     くしゃ、とキレイに包装されたプレゼントを手渡せば、呆れ顔で同期がため息をついていた。俺がこのお姫様に何かしらを貢いでいるのは多くの人間にとって見慣れた光景だ。こうやって俺は呆れるほどかわいい子猫の気を引きつつ、大人気なく周囲を牽制してみせる。まあ、戦いしか脳のないやつ曰く、それは無駄な行動らしい。誰もこの性悪をかっさらっていったりはしない、だと。そんなことはないと思うんだがな。
    「で、オレ様にふさわしいモンなんだろうな? くだらねえモンよこしたら承知しねえぞ」
    「くだらねえかはわかんねえが、ふさわしいもんだと思うぜ? 生地も仕立ても一級品で、さぞかし似合う自信がある」
     ってことは服かアクセか。そういって袋の上から中身をもにもにと触るしなやかな手を取って、耳元で囁いた。
    「今晩、これつけて部屋に着てくれたら嬉しいんだが」
     夜にしか見せない声色が流し込まれても、その耳が染まることはない。うんと近づいた距離、イタズラな歯が俺の耳にたてられる。
    「考えといてやるよ」
     そういってひらりと身をかわしてどこかに向かっていく後ろ姿を見ながら考える。機嫌が良さそうだけど、果たして。
     まあ、俺に出来ることは上等な酒とつまみを用意して待ってることくらいだ。それと、アイツが大好きなお小遣いも。



     くるかこないか。そういえば時間を指定していなかった。俺は三杯目のウイスキーを注いだグラスを空にして、ピスタチオの殻を割る。腰掛けたベッドは二人分の体重を待ち望んでいる。
     来てくれればいいんだが、来ないのもまた面白いことだった。なんせ、俺からの献上品がとっておきのものだから。ま、セクハラなんだけどな。
     あのプレゼントの中身、見たらどんな顔をするんだろう。俺が見た中で一番きわどい下着。それがあの包装の中に入っている。動じるようなやつじゃないとは思う。でも、今日こなかったらそれをうぶだとからかってやるつもりだった。もしかしたら、本当に照れている可能性だってある。明日目を合わせた時、ふいとそらされる視線と染まった頬を考えるだけで愉快だから、俺はお姫様が絡んでいたらだいたいのことは楽しめるらしい。もちろんつけてきてくれるなら大歓迎。今夜は忘れられない夜にしてみせよう。
     想像してしまう。数度拝んだだけの白い肌を彩る真紅のレース。ギリギリまで削られた布面積から覗く生え際。全く隠れてない尻が見えるように腰をあげさせて、華奢な背中に口付けを落とし、その細い腰を掴んで。なんというか、俺もまだまだ若いと思い知らされる。正直ちょっと興奮してきた。
     酒が入っているのに盛り上がりつつある息子を落ち着かせるべきか迷った。もうこないなら想像上のアイツで抜いちまおうか。そう思った矢先、控えめなノックの音がした。
    「おお、入っていいぞ」
    「言われなくとも。寝てたらそのまま引き返すつもりだったんだがな」
     入ってきたのは見慣れたスーツに身を包んだ想い人。おや、と思ったのも束の間、にやりとはちみつ色の双眸が細められる。
    「で、着てると思うか? それとも……どっちだろうな?」
    「脱がせればわかるだろ。そら、おいで」
     膝の上を叩けば脇腹がピンヒールでえぐられた。つめろと言われれば動くというのに、交渉担当という肩書の割には言葉を端折るところがある。
    「つまんねーもん飲んでるな」
     そう言って、俺が満たした四杯目のグラスを艷やかな唇が一気に煽った。この浪費家にかかれば、俺の給料から見たら最高級の酒ですら安物に見えるらしいから恐れ入る。
    「いいじゃないか。これから楽しいことをするんだ」
     腰を抱いて逢わせた瞳。蜜のような月がイタズラに輝いている。
    「じゃあ、答え合わせといこうか」
     ジャケットを脱がしキッチリと止められたボタンに手をかければ、手の甲を抓られる。そうだ、忘れていた。そっとロザリオを取ってベッドサイドによければ、満足そうな手が俺の頬を撫でる。「よくできました」
     再度ボタンに手をやれば、急に後頭部を掴まれて引き寄せられた。耳元に吐息がかかる。
    「……まどろっこしいことしてんじゃねーよ。答え合わせ、だろ?」
    「……そうだったな」
     腰をあげるように言えば、膝立ちでベッドに乗っかって肩を掴まれる。額に落ちるキスをいくつか受け止めながら、俺は腰のベルトを外していった。
    「なあ、賭けようぜ。オレ様がエロい下着つけてると思うか?」
    「ああ……俺の献上品はお気に召したと思うんだがな。お前さん、興奮した俺ががっついてくるの、好きだろ?」
     違いない、と喉の奥で笑う声に煽られて、ズボンに手をかける。高そうな生地を指に引っ掛けて下にずらせば、黒い布地が見えた。
    「……履いてくれなかったか。うぶなお姫様には刺激が強すぎたかな?」
    「バァーカ。よく見てみろ」
     まあ、下着がエロかろうがなかろうが、今日だっておいしく頂いちまう予定に変わりはない。ただ、ちょっと刺激がほしかっただけ。残念なだろうが手はとまらない。ずる、とズボンが降ろされて、真っ白な太ももまでが顕になった。なった、のだが。
     下着が違う。わかる。真っ赤じゃない、黒色。わかる。でも、想定外。なんと、その下着は自分が贈ったものの数倍はきわどいものだった。
     まず、隠れてない。触れたらすぐに感じる部分が丸出しだ。俺が食い入るように見つめているのに気づいた体がひねられて、きれいな形をした尻が目の前に。そこも丸出し。というか、やるときに必要な部分だけに布がない。どうでもいい部分にはふんだんにレースがあしらわれていて、即物的な欲と非現実的な華美さがセットになって俺の脳を揺さぶった。余計な布と言えば、シャツの下から伸びているレースが太ももを彩るベルトにつながっている。いわゆる、ガーターベルト。
    「くははっ! バカみてえな面だな!」
     心底楽しいと、隠しもしない声。自らがボタンを外したシャツをめくってみせる細い指。覗いた腰にもフリルが飾られている。
    「あんなつまんねー下着よこしやがって。童貞か? あんな刺激で満足されちゃ、こっちは興ざめなんだよ」
     どうやらからかわれたのは自分らしい。するするとシャツを抜いで足からズボンを引き抜いて、いやらしい下着しかまとわなくなってみせたお姫様のことは、女王様と呼ぶべきか。
    「……つまらんもんをよこしてすまなかったな」
    「そーだよ。……オマエまでつまらねーのはゴメンだぜ? せいぜい楽しませてみせろ」
     思っていたのとは違うが、今日も今日とて忘れられない夜になりそうだ。腰のベルトに噛み付けば、満足そうに子猫は笑った。
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