ー黒猫の日ー黒猫の日
ー乱葬崗ー
「魏公子、含光君が尋ねに来られましたよ」
温寧が魏嬰のねぐらの外から声をかけるが返事は帰ってこなかった。
「また夜遅くまで術の開発でもしていたのかもしれないわね」
温情が呆れ顔で隣にいる含光君に声をかけ
「中に行って起こしてきてくれる?」
「勝手に入っていいのか」
「かまわないわ、部屋の中すごい事になってると思うけど気にしないでね」
温姉弟にそう言われ静かに中へ入った。
彼の気配は感じるのだが姿が見えない机の上には乱雑に置かれた紙が散乱して数枚手に取ろうとした時黒い小さな何かが飛びかかって手を引っ込めた。
「物の怪か」
机の上には赤い紐を首に巻いた黒い猫が藍湛を見つめて威嚇していた。
「魏嬰どこにいる」
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