ばついち流 夜、流川のすることはいくつかある。まず晩御飯。自分の分だけならタンパク質やらなんやら、栄養素だけを考えたご飯でいいのだが、子どもがいるとなればそうもいかない。バランスが取れて、なおかつそれなりの見栄えでないと娘の食欲が誘えない。
といっても流川に自炊する能力はあまりない。母親が教えてくれた味噌汁のレシピくらい。ご飯も炊飯器さえあればまあ炊ける。あとは買ってきて並べるだけ。家事代行でも雇えばいいのだが、それはおいおい。とにかく今はまだ少し落ち着いていない時期なのだ。
ご飯が終わったら娘を風呂に入れる。これは勝手に入ってくれるから問題ない。そのうちに食器を洗ってしまい、一息つく。そしたら娘が風呂から上がってくるので、髪の毛を拭き、ドライヤーで乾かす。そろそろ自分で乾かしてほしいから最近は黙っているが、そうするとドライヤーを持ってきて渡してくる。いい加減言葉で伝えないと、とは思っているが、どうしてか言うことが出来ない。このままでいいと思っているのかもしれない。
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