朝の一コマアルハイゼンの体内時計はしっかりしてる、幼い頃からしっかりしてるそれは大人になった今もその体内時計は正確でパチッと目が覚め腕の中で眠るファラの呼吸を確認する
「(呼吸正常、熱も平熱だ…脈拍も安定してる)」
付き合い始め次の日から同棲してからの日課となってるファラの健康状態チェックをして顔色も見て
「(こんなにも安定してる、これなら遅くなった旅行の計画も建てられるな)」
この夫婦結婚式もしていないしハネムーンも行ってない、理由はファラの身体の弱さで結婚当初はまだ体調の波は酷くアルハイゼンの看病スキルがカンストする程まででそんなファラの体調がこの数ヶ月安定しているのをアルハイゼンは喜びお互いの念願だったハネムーンにも行けると考え
「ファラ、そろそろ起きる時間だ」
耳元で優しく囁きポンポンと背中を優しく叩く、するとゆっくり目を開けたファラをアルハイゼンは抱きかかえ正面に向かい合うように座る
低血圧のファラは寝起きも良くなく覚醒に15分はかかりその間に寝てる間固まった身体を解す、そうすればファラは徐々に覚醒して
「おはようアル」
「うん、おはようファラ」
チュッとバードキスをしてファラを抱き上げ洗面台まで向かいファラを降ろし2人並んで顔を洗ったりする
洗面台横には2つ真反対に置かれたサイドテーブルの上にバスケットがあり中身は化粧水等で左側がアルハイゼン用で右側がファラ用となっている、アルハイゼンがこのような物を自分用として揃えてるのはファラの健康をと考えた時に自分がまず健康でなければ始まらないと思い立ち何から手をつけようか考えた時に栄養不足もあるし寝不足等重なり肌がボロボロだったファラを見て「栄養面と肌だな」と考えたアルハイゼン
栄養面は幼い頃に祖母が作ってくれていた料理を作って食の細いファラに食べさせ肌に関しては知識がないのでアーカーシャを使い調べ一通揃えたがもしファラに合わなくて逆に悪化したら?と考え自分をサンプルにし始め良さが出てきたのを分かった段階でファラに自分のやり方で教え見様見真似でやるファラの可愛さにアルハイゼンは心を何度も撃ち抜かれた
「そろそろ梅雨の時期に入るな」
「そしたら変えないといけないわね」
季節ごとにスキンケアを変えてその時のコンディションをしっかり整える、アルハイゼンは抜かりの無い男でそこもしっかり抑えている
スキンケアを終えてリビングのソファーに腰掛けるアルハイゼンとその向かいあわせで座るファラ
「今日も頼む」
「任せて!」
スメールでのメイクは魔除の意味を持つがアルハイゼンの場合は今の体格に育つまでは中性的な顔立ちもありよく女子に間違えられたり、学生時代にはアルハイゼンを気に食わない連中が襲ってきたりとあった
成長して神の目を手に入れてからはそういう事は無くなったが次は中性的な顔立ちで甘く見られる事にイラッとしてまだ在学中の時に帰ってファラに愚痴を零した時に
『ならメイクをしてみたら?私死んだお母さんの遺品でメイク道具あるから』
と言って古くなっていたが保存状態の良いメイクセットを取り出しアルハイゼンにメイクを施したファラ、技術があり終わって確認すれば違和感は無いがこれまでとは違う感じの自分の顔に少し驚き翌日もして貰い行けばこれまで絡まれたのが嘘のように絡まれなくなった
それからアルハイゼンはファラにメイクをして貰うようになった
「アル、イタズラしたら筆ズレるから」
「分かってる」
病弱でやせ細っていたファラ、そのファラを愛し看病し続け細いが胸がかなり大きく育ちカーヴェが居候になるとなった時に久しぶりに会ったファラを見てアルハイゼンをクワッと見て
『君はどういう風にファラを育てた!?』
とぐわんぐわんと力いっぱいにアルハイゼンの肩を持ち揺さぶった程だった…
メイクはすぐに終わり
「はいできたよ」
「うんありがとうファラ」
アルハイゼンの膝に乗ったファラをアルハイゼンは愛おしそうに頬を撫で額にキスをする
「朝ごはん作らないと」
「ああそうだな」
ファラの腰に手を添えて立ち上がらせるアルハイゼン、朝日に輝く愛おしい妻を見てアルハイゼンは今日も勤務時間前に帰ることを決めた