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    雨音@ししさめ

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    雨音@ししさめ

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    2023.4.27。学パロ。第二話。モブ同級生視点。
    🦁⇨1年C組。美術部員。寮住まい。
    ☔️⇨3年A組。生徒会書記。万年首席。

    ##学パロ

    【学パロ】STAY with ME②「ケーイチー。帰りカラオケ行かね」
     全ての授業と帰りの民も終わり、生徒皆んなが帰り支度をする時間。
     一年C組のムードメーカー・大和が声を掛けた相手⋯⋯金髪の少年・獅子神敬一は、「悪ぃ」と、顔の前で片手を立てた。
    「オレ、今日、生徒会なんだよ」
    「あれ?ケーイチ、生徒会員だったか?」
    「あーまぁ⋯⋯まだ見習いだけどな。書記」
    「書記」
    「村雨⋯⋯センパイの、後継だよ」
     視線を逸らし、頬を掻きながら呟いて。
    「て、ワケだから悪ぃ。またな!」
    「お、おう⋯⋯またな」
     慌ただしく去っていく背を見送った。
     村雨センパイ。
     言っていた言葉を、反芻する。
     村雨⋯⋯と、言えばあの人だろう。
     現・生徒会書記。
     学校一の秀才。
     テストは満点が当たり前。通知表は(体育と家庭科を除き)オール五。
     そんな人間なので、噂は一年生までも余裕で届く。とても、獅子神と仲良くするようには思えないのだが⋯⋯
    「あれ?大和、知らなかったのか?」
     ひょい、と。クラスメイトであり大和と同じ獅子神の友人である、銀河が後ろから顔を出した。
    「ん?なにが?」
    「敬一と村雨礼二先輩」
    「なにを?」
    「敬一が、村雨先輩に絵のモデルを頼み込んで、交換条件で生徒会に入ったんだよ」
    「は?」
     思わぬ言葉に、頓狂な声が出る。
    「モデル⋯⋯て、村雨先輩、そんなにイケメン
    だったか?」
    「いや、それは、俺知らねーけど⋯⋯」
     困ったように視線を逸らし。
    「でも、絵は⋯⋯良い絵だったよ」
    「え?お前見たの?」
    「ん。俺、美術部員だし。幽霊部員だけどさー」
     そう答える銀河の頭には、獅子神の描いた絵が浮かんでいた。
     薄暗い室内の絵だ。
     絵の大半は、大きな窓が占める。その窓の外は、強い雨が降っている。
     窓の前に立つ、一人の少年。半分背中を向けた、村雨礼二。
     肩越しにこちらを向いた顔。眼鏡の奥の、紅い瞳。そして、ほんのわずかに綻ぶ、薄い唇。
     顔の造形如何以上に⋯⋯その目を見つめていたいと。見た者に思わせるような、そんな絵だった。
    (ま、でも⋯⋯今となっては)
     獅子神が出て行った教室のドアを見つめながら、胸中で思う。
    (そんな絵を描いた本人が⋯⋯見つめることを、許さないんだけどな)
     村雨礼二と獅子神敬一は恋人である。
     そんな噂は⋯⋯少しずつ、友人たちの間に広ま
    りつつあった。



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