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    カラス

    カミュ主派

    基本SS
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    カラス

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    カミュ主 邪神倒してネルセン試練に挑んでる。と考えて読んでくださいませ。


    切ないからのハッピーエンドにしたあぁぁぁ

    読みづらくて申し訳ないです

    #カミュ主
    camusLord

    キミと幸せそれは、ただの欲だった。
    ずっと一緒にいたい、ずっと

    ネルセンの試練をクリアすると仲間達の誰かと幸せにしてもらえる。
    それを目当てにイレブンは試練を頑張っていた。

    (邪神は倒したし、カミュにこの気持ちを伝える)

    イレブンはカミュが好きだ。
    ただ、イレブンは一度フラれている。

    「イレブン…俺ら男だろ?最初からの付き合いだから、吊り橋効果の可能性もあるかもな?お前にはもっといい奴が見つかる。この告白はなかったことにしとけよ」

    真顔でこう言われたのだ。

    (この時は、なんて酷い男だ…馬に蹴られろなんて思ってたなぁ…)

    ふっと思い出しながらため息をつく。

    (またフラれるなんて目に見えてる。でも、もしまた伝えて…ちょっとでも希望があるなら…)

    そんな考え事をしていたらすでにネルセンの前だった。

    「お前は何を望む?」

    ネルセンがイレブンに聞く。

    「幸せに…なりたい」

    その声色は、不安のような、悲しいような、
    イレブンでも予想していなかった音だった。

    「ふむ、誰がお前を幸せにしてくれるのだ?」

    こちらを見ているであろう仲間を、振り向いて見る。

    (カミュ…)

    その表情を見た時…ジリっと胸が焼けた音がした。
    良かった、だなんてそんな言葉が聞こえてきそうな、とても残酷な表情だった。

    (あぁ…ボクは告白する前に…もう…希望なんてなかったんだ。)

    「一人で」

    声が震えている。

    「ん?」

    聞こえた答えが選択肢にはないもので、ネルセンは困った。

    「一人で幸せになりたい」

    絶望、というのが相応しいのだろうか、イレブンは、始まってもいないのに、終わった顔をしていた。

    「…良いのか?」 

    本当に?大丈夫か?心配も込めたネルセンの言葉は、イレブンの次の言葉を前にどうしようもなくなった。

    「希望なんてなかった」 

    小さくても、聞こえる声でイレブンは、はっきり口にした。

    ーーーーーーーーーーーーーーーー

    目が覚めたら命の大樹にいた。

    「ありがとう、ネルセン様」

    命の大樹のところに小さな小屋を建ててくれたようだ。

    「痛い…痛い…いたいよ」

    どこもぶつけてないのに、どこも悪いとこもないのに、あの表情を思い出すだけで、胸が痛い。

    「い…た…い…っ…」

    涙が溢れる。

    とまらない、あふれる。

    その日から、イレブンの声は出なくなってしまった。
    ーーーーーーーーーーーーーーーー
    大樹での生活は困ることもなく過ぎていった。
    結界がはられているが、1週間に一度は結界が少しだけゆるみ。イレブンはその時に買い物に出ていた。

    (喋れないけど、ペンも紙もあるし。何より大樹では喋る必要ないし。)

    仲間達とは会っていなかった。会わないようにしている。きっと優しい彼女ら、彼ら、のことだから探してはいるだろう。

    (ネルセン様の計らいなのか容姿も変えてくれたみたいだから、そうそうバレないんだよね。)

    今のイレブンは黒髪のポニーテール、勇者様ですか?なんて聞かれたこともあるが、勇者は栗色の短い髪の毛でしょ?と言って否定していた。

    (さて、今日は夕飯何にしようかな。)

    そんなことを考えていたら、後ろから腕を掴まれた。

    「なぁ!勇者様!」

    バッと振り返る。水色の髪にポニーテール

    「やっぱそうだった!」

    (マヤちゃん…)

    いつものメモ紙で勘違い、と伝えても
    見間違うわけないだろ!?と言われてしまい、それ以上何か言うこともできなかった。

    「ここに住んでんの?」

    (結局、買い物まで付き添われ、大樹までついてこられてしまった。)

    うん、と紙に書く。

    「いしし、良いとこだなー」

    『ありがとう』

    「いつから声出なくなっちまったんだ?おれ、あんたの声好きだったのに」

    『いつの間にかね』

    久しぶりの話し相手だな、と少し楽しくなる。
    カミュは?と聞きたい気持ちは押し込んで奥に閉まった。

    「なんで一人でいるんだ?」

    マヤからの痛い質問がイレブンに刺さる。

    『一人で…いたいからね』

    少しでも声が震えないように答える。

    「うーん、おれも住んでやろうか?もれなく兄貴もついてきちゃうけど」

    ヒュっと息がつまった。

    『それは…ごめん。遠慮しておく』

    「兄貴がやだ?おれだけならいい?」

    『どうしたのマヤちゃん?』

    イレブンが、ふふっと微笑む

    「寂しそうだったからさ。あ、おれが旦那はどう?」

    爆弾発言である。

    『マヤちゃん…それを言うなら妻じゃないの?』

    「いしし、それでもいいぜ。ちょっと考えといてよ。本気で」

    カミュに似ている、真剣な顔で言われるとドキッとする。

    『え、えぇ?』

    「また1週間後に聞きに来る。覚悟しとけよ、イレブン」

    ギュンって心臓がなった気がした。

    『マヤちゃんイケメン過ぎない?あ、イケメンは失礼か…』

    「いーや、嬉しいぜ。じゃ、考えといてな?」

    夜になる前にマヤは帰っていった。

    (マヤちゃん会わないうちにイケメンに…)

    ドキッとした心臓を直に掴まれる感覚。
    まだ、諦められてない、と自覚させられる

    (本気なのかなマヤちゃん…)

    どうしたらいいのかわからないまま日々が過ぎていく

    ーーーーーーーーーーーーーーー

    (約束の日になっちゃったけど…まだ決まらない…ど、どうしよう…)

    断るのが一番なのだろう、でも、どう断ったら、とグルグル考えていると小屋のドアが叩かれた。

    (わからないけど…どうにかしよう…うん。)

    ドアを開けて、不思議に思った。

    (こんなにツンツンだったっけ?)

    「イレブン」

    ドッと心臓が殴られたような衝撃。
    聞きたかった、聞きたくなかった。

    「喋れないのはマヤに聞いた。」

    鼓動が早鐘のように鳴り響く。ルーラで逃げたいのに、声が出せなくなった時点でルーラは唱えられなくなっていた。

    「ごめん、俺が来るなんて思ってもみなかったよな…あの…あのな…話を聞いてくれないか?」

    前の鋭さはどこへ行ったのか、カミュはしょぼんとした犬のように困った表情をしている。

    (…会いたくなかった…会いたかった…ぐちゃぐちゃだ…)

    返事のかわりにイレブンはドアを開けて少し困ったように笑った。

    ーーーーーーーーーーーーーーー

    『カミュはコーヒーでいい?』

    スラスラとメモ書きに文字を書いてカミュに見せる。

    「あぁ」

    『待っててね』

    手際よくコーヒーを用意しはじめたイレブンをカミュは、ぼーっと見ていた。

    (ここに一人で…)

    "一人で幸せになりたい"
    きっとイレブンは誰かを選ぶだろう。それが俺であったら良いだなんて思い上がりも良いとこだった。とカミュは思う。

    コーヒーを用意して戻ってきたイレブンの手をとってカミュは話し始めた。

    「俺は、甘えていた。お前との冒険が楽しくて、最初は断って、でもお前ならまだ諦めないでいてくれるだなんて…"一人で"と言う前に、俺の方を見て、寂しげな、諦めにも似た表情をしていたお前を、忘れられないんだ。どれだけ探しても見つからなくて、でも諦めきれなくて、マヤにお前の居場所を聞いた時、マヤにイラつきと似た感情をぶつけた。"どうしてお前なんだ"って、そしたらなあいつ「イレブンはさ、おれの向こうの兄貴を見てたよ。あんまうじうじしてっとおれが嫁に貰うからな」って脅しかけてきやがって…いてもたってもいられなくて…ここに来たんだ。」

    これは本当にカミュだろうか、魔物とかじゃなく、なんて思いながら、イレブンは頬をつねった。

    (痛い)

    「何やってんだお前?」

    夢なら痛くない。

    『夢かと思って?』

    「夢?」

    『都合の良い夢かと…』

    夢ならさめないで欲しい。

    「お前が好きだ。」

    真剣過ぎるほどの眼差し。

    「カミュがそんなこと言うはずな…」

    メモ書きはもう必要なかった。

    「好きだ」

    言われるたび、心が浮き足立つ。

    「なんで、今なの…今さら…なんで…」

    「ごめんな、俺が意気地無しだった。」

    ぐちゃぐちゃだ。心が一番。でも、

    「…好き…まだ…好き…だよ…好きなんだ…カミュ…好き…」

    おさえられていた気持ちが、もうおさえられない。

    「隣にいさせてくれないか、俺を」

    「…っ………うん、ボクの隣にいて、ボクとずっと一緒に」

    抱きしめられる。それは痛いほどに。

    「イレブンっ!」

    「カミュ…カミュ…会いたかったよぉ…っ」

    もう、おさえる必要もない。

    「俺もだ、俺もだよイレブン…待たせて、ごめんな」

    キラキラと大樹の葉が光輝いて祝福のように二人に降り注いでいた。
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