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    ちうねちゃん

    @baarudenaguru

    ビマヨダちほーのスラムに生息する未確認生命物体(身分はシュードラ)
    にょたが最高のへケィ(癖)であり倫理観はあんまりない。ビマサナも食べるぞ!

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    ちうねちゃん

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    ビマヨダワンドロ第6回開催おめでとうございます!お借りする話題は「恋」です。R18要素はありませんが、先天女体化要素がありますので苦手な方はそっ閉じしてください。

    #ビマヨダ

    心地よい風が心の隙間に吹き込んであの時、歯車が狂って軋轢を生んで互いに幸せになれるチャンスが…と願ってももう遅い。
    きっかけはビーマの力のコントロールが上手くいかなかったのと、半神故の傲慢さだ。ドゥリーヨダナの99人の妹達はそれで泣かされて時々ドゥリーヨダナも傷つけられた。誕生日も生まれた年も一緒だった二人は、当初から縁談の話があった。勿論ドゥリーヨダナは傷つけられる前までは憧れや所謂一目惚れをしていた時もあったが、それはもう愚かな考えだと思い希望を捨てたのであった。毒を盛ったあの時以来ビーマもそうした。
    互いに険悪な空気が流れる内にドゥリーヨダナはビーマ含めパーンダヴァ五兄弟やその親族らをまとめて森に追放した。理由は「顔も見たくない」からだった。

    それは彼らが森で生活している間の出来事。新しい領地を求め軍を進ませていると、途端にその場の空気が変わった。ざわざわと胸が締め付けられるようなそんな不気味な空気の中、突如としてそれは空から現れた。
    「警告する!これより我らガンダルヴァの領域!用無くばすぐに引き返せ!」
    ガンダルヴァ、インドラ神に仕える精霊だ。精霊といえど彼らは神酒ソーマの守りを担うなど力は強く、カルナでさえも太刀打ち出来るかどうかだった。
    「…我が王よ、ここはガンダルヴァ達に従いここは撤退を」とカルナが耳打ちをするが、ドゥリーヨダナは首を縦には振らなかった。むしろ驚くべき返答が出た。
    「いいや、わし様がこれしきの事で退くか?こやつらを倒せばわし様はもっと力を付ける事だって出来るし、何よりガンダルヴァの守る場所にはソーマが眠っている!これで一儲けでもさえすればわし様はもっと偉大になれる!!」
    それを聞き、彼女の軍は流石に困惑しガンダルヴァ達はより一層というより余計に警戒した。
    「その言葉、精霊といえど我らの冒涜とみなすぞ?悪魔の化身なぞ所詮はただの人間。警告を無視した報いを受けるがいい!」

    そう言うと荘厳なラーガが鳴り響く。ガンダルヴァ達の軍勢がやって来る合図だ。ドゥリーヨダナ達も武器を握り戦闘態勢へと入る。
    しかし、やはり神に近いものとの戦いは次第に妹達は恐れ慄いて逃げ出す者も続出し、カルナもいつの間にか撤退していた。残るはドゥリーヨダナだけとなってしまい、捕虜として捕まってしまった。
    「くっ、わし様をここから出さんか!わし様はじきにこの世を統べる王となる身なのに!!」
    檻に閉じ込められ、まるで戦利品かのように扱われていき女の癖にとガンダルヴァ達は嘲った。
    「ふむ、よく見れば良い顔立ちの女だ。気に入った」
    やはりこの神とそれに近しい者特有の傲慢さはドゥリーヨダナにとっては屈辱極まりなかった。ああ、あの忌々しい記憶が蘇ってくると吐き気すら覚えるくらいだ。ここでガンダルヴァ達の玩具になるくらいなら、いっそと護身用の刃物を手に取ろうとした瞬間だった。
    轟音と共に突風が吹き荒ぶ。それだけではない、神の雷が如き光まで現れた。間違いないあれはパーンダヴァ五兄弟!
    持ち前の怪力で檻を破壊し、横抱きにしながらドゥリーヨダナを救出する。気が動転していたので「離せ!」なんて言えるはずもなく、ビーマのガッチリとした肉体にしがみつきながらガンダルヴァ達が逃げていく様子を見ていた。
    ようやく安全な場所へ降ろされやっと落ち着きを取り戻すも、幼き頃のあの初恋と同じようなドキドキ感がまだつっかえたような気分が続いた。

    「…ビーマ」
    そう言うと「なんだ?」と返すビーマ。続けてドゥリーヨダナは言う。
    「…何故、わし様を助けた?」
    「…お前の所の配下が俺達に助けを求めてきたからだぞ。どうか王を助けてくださいってな…お前は前から身内には甘々だしな」
    ふっ、と微かだがドゥリーヨダナは笑った。助かったは良いものの五王子達を呼んで、まさか助けられたとなれば面目丸潰れにも等しい。自嘲めいた笑みを浮かばせたのだ。
    だが、やはりビーマは遠くに及ばない存在であると同時に幼少期にはあったそんな思い思いのつっかえをビーマに少しぶつけようと思った。
    「…なぁ、ビーマ。ここであった事は誰にも言わないと誓え。わし様は…その……」
    「ああ…分かってるさ」
    突如としてふわっと風が舞い込むと既に体はビーマの腕の中に入り、強靭な肉体からくる熱に包まれた。ああ、幼き頃に共に談笑したり遊びや棍棒術の相手になったりとしていたあの笑顔に満ち満ちていた頃を思い出す。こんな記憶なんて今の自分には必要無いのにとドゥリーヨダナはほろりと静かに涙を流す。ビーマは自分の事をどう思っているのだろう。まだ好きでいてくれてるのか、それとも肉食獣がまだ幼い草食獣の赤子を育てるようなそんな情なのかももはや分からない。でも確実に言えるのは、二人は静かに口付けを交わしたのだ。
    その夜、ビーマはドゥリーヨダナの居た部隊の近くまで付き添ってくれた。最後にお互い「おやすみ」と告げると振り向くことなく別々の道へと進む。そして叶わなかったその"恋"は二人の呪いとして、先の大戦が終わるその時まで深く刻まれたのであった。
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