彼女の想いは紫煙とともに消えて・・・オメガバースパロ
シビュラシステムが管理するこの国でバース性というものは存在しないものとされた。なぜならば,バース性というものが存在することで,αによる犯罪が増えることは圧倒的にわかりきっていたことだから。しかし,シビュラシステムがこの国の大部分を占めるαを統治することは不可能に近い。ならば,バース性そのものをなくしてしまえばいい。生まれてくる子供たちや,今を生きる人間にワクチンと称して,バース性そのものを歴史から存在自体、シビュラシステムが消してしまう。
効果は覿面。人々は,バース性を気にすることなくシビュラシステムに管理されながら生きる。しかし,彼らはバース性の神秘にはあらがえなかった。
運命の番。それは,出会った者同士が必ず惹かれ合い一生を共に過ごす存在同士の事・・・
その発生は未知数であり、消息がつかみにくい。
シビュラシステムが導入直後。すでに運命の番がいた人物はシビュラシステムによって判断された決められたニューロン相性システムにより,Ωに引き離されたαが起こした事件などが多発した。そのたびに,シビュラシステムは運命の番という神秘を拒否し続け,より強力なバース性を抑える成分を犯罪係数を下げるためとされるサプリに投入した。
その為今や,バース性の事を知るものはほとんどしかいない。いや,減らされたが正しい。
シビュラは,バース性を世間には絶対に悟らせないようにするためすべてを処分した。
公にしようとモノなら潜在犯認定となり人生のすべてを施設で管理させられる運命となる。ゆえに,バース性を知っていても、そのほとんどは公言しないとされている。だが,ごくまれにバース性とは知らずに語り継がれている場合がある。それは,シビュラが統治する前からその存在を知っている者達。彼らに対してシビュラシステムは何もしない。なぜならば、おおやけな被害へとつながっていないから。
だから,彼女常守朱はバース性という名は知らずともその全容を祖母から教えられ,大方理解していた。
だからだろうか・・・・
なぜ,なぜ、彼が向こうに逝く前に気が付かなかったのか・・・
それは,祖母常守葵の葬式を終えた後の事件で起こった出来事だった。
「エリアストレス警報。監視官は執行官を連れ直ちに現場に急行してください。」
厚生省公安局に一つの警報が鳴り響く。1係は,すぐさま移動し現場に向かう道中今回の事件の詳細を手短に話した。
「今回の事件は、薬局にて立てこもりです。犯人は,現在も建物内に往生。人質は複数人いる模様。その為,多くの人の犯罪係数が上昇傾向にあると考えられます。」
「また,立てこもりか・・・」
宜野座は、顔をしかめてモニターを見つめる。
常守の隣で車を運転している霜月は先月起こったばかりの神威の事件のひとつである立てこもり事件の現場を思い出し身震いした。
「今回の我々の任務は,人質の解放を優先に犯人を捕まえること。ハウンド1と2は私に。ハウンド3と4は霜月監視官についてください。」
「「「「了解」」」」
現場につくと、そこには先に来ていたドローンが辺りの現場を通行止めにしていた。
目的の建物はガラス窓でこちらからの動きを把握されるため裏口から周り犯人が芦城している部屋の前と,万が一の逃走経路に霜月監視官たちを配置し、常守はその扉を思いっきり開いた。
扉の先には,犯人と思われる男と,曽於男に組み敷かれている女性の姿が見えた。
「公安局です。その女性を離しなさい!!」
「!こっちくんじゃねぇ!!!!」
男は、公安局が来たことで、ひるむことなくそしてあろうことか人質の女性を立てにすることなく私たちに襲い掛かってきた。男は常守たちに殴りかかってくるが,その動きはどこか知ろうとじみているものだった。しかし,なぜ過去男に気が抜けない。なぜならば,尋常じゃないぐらいの殺気をこの男は放っているからだ。しかし,行動と雰囲気がいかんせんマッチしない。
常守は、どこかおかしい男にドミネーターの照準を合わせる。
『犯罪係数オーバー850直ちに排除してください。』
「な!?」
ドミネーターを向けた男は,オーバー850というとんでもない数字をたたき出した。それは,先月起こった事件での東金朔也と変わらない数値だったのだ。しかし,ここで問題が発生する。彼は今回が初犯なのだ。彼は,今まで犯罪というものに手を出したことは無い。なのに、この数値明らかにおかしい。
(何かがある。)
常守はとにかく男に情報を聞くため,ハウンド1基宜野座さんに指示を出す。
「宜野座さん、その人に聞きたいことが出来ました。雛河君もまだうたないで!」
常守は、公安で作っていた試作品の小型スタンガンを男の首にあてた。
ビリッと電気音が室内に広がる。
男はスタンガンの電気を浴びてその場に気絶をした。気絶したのを確認した常守はこちらに向かってくる宜野座さんたちに次の支持をしようとしたとき。
その背後で,被害者の女性がなぜか宜野座さんに向かって蓋の空いた液体の入っている小瓶を投げつけた。
「宜野座さん!」
咄嗟に、その小瓶の中の液体がかからないよう宜野座さんを押しのける。しかし,宜野座さんをかばったことで常守はその液体を頭からかぶることとなった。
「常守!!/おねえちゃん!」
宜野座は,小瓶を投げた人質の女性を組み伏せた。そして雛河は常守にかかった液体をいち早く除去するため近場にあった飲料水を常守にかけ監視官の上着を脱がす。
その間人質の女性は、ずっと意味わからないことを叫びながら宜野座の拘束から逃れようとしていた。
「離して!離してよ!」
「彼を私から奪うの!?」
「彼は」私の運命なのに!!!」
先程迄人質だったとは思えない言動に宜野座は頭を困惑させていた。
仕方なく、女性を手刀で気絶させ床に横たわせる。
「ぎ、宜野座執行官!」
雛河が慌てたような声を荒げ宜野座はすぐさま常守の下へ駆け寄る。そこには,ほほを赤くし苦しそうに息を荒げながら胸を押さえ横たわっている常守の姿があった。
とりあえずここまで・・・
この後の設定として,常守のバース性がΩであることがわかります。そして,運命のあいては言わずもがなあの人です。
シビュラシステムは,常守にバース性の事を打ち明ける。どこか聞いたことのあるその話を聞いて常守は、シビュラシステムからある任務を言い渡される。
今回,身体に異常が発生したのは常守が被った薬品のせいであることからその足取りを洗うこと。しかし、常守自身は現場に赴くことが無いようにと言われる。
そして,常守は男の事情聴取を行うが局長が言ったとおりの現象が起こらず困惑。
しかし、自宅に戻り処方された薬を飲むがたばこを付けたことで状況は一変。
昼間と同じ症状を発症する。つまりそういうことである。
後は,何とか事件を解決して映画で再会からの~みたいなのをかきたい!!!!
書きたいところ
最新の映画を見てきたから,pppの時に再会からのヒートみたいのをさせたい!!!