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    syako_kmt

    むざこく30本ノック用です。
    成人向けが多いと思うので、20歳未満の方はご遠慮下さい。

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    むざこく30本ノック④
    6日目
    拘束プレイな夜

    #むざこく30本ノック
    random30Knocks
    #むざこく
    unscrupulousCountry

    拘束プレイな夜 誘拐されるのは、いつぶりだろうか。
     御存知の通り、代々政治家を輩出する名門の生まれであり、清濁一気呑みするようなご先祖たちが雪達磨のように莫大な財を築き続けたので、自分の代ともなると幼少期から「歩く身代金」状態である。富や名誉があるということは良いことばかりではなく、幾度となく危険な目に遭わされた。その上、類い稀な美貌を持っているが為に何回かに1回は猥褻目的での誘拐もあり、自分の身を守れるのは自分しかいないと武術を習得し、何度誘拐されても、すべて無傷で帰ってきていた。
     そんな無惨の健気な努力のおかげで鬼舞辻家の警備体制がザル過ぎても改善されることはなく、誘拐は無惨が自分で何とかすると危機感のない環境で育ってしまった。
     しかし、それも黒死牟が来てからはなくなった。油断していたと無惨自身も反省していたが、それ以上に悔やんでいるのは黒死牟だろう。
     外で繰り広げられる黒死牟とのバトルに全員が気を取られているうちに、来る途中で拾った硝子の破片を使って縄に切り目を入れていた。
     車の中で麻袋を被されていたので、道程が全く解らないのだが、移動時間としては恐らく関東圏内の山中だろう。気温がやや都市部より低いことと、割れた窓ガラスから見える景色が手入れされていない山中であるということで、ざっくりと予想を立てていた。
     もう日が暮れ始め、夜になり更に気温が下がっている。春とはいえ、日が暮れると一気に肌寒くなるので、出来れば早く帰って黒死牟と一緒に風呂に入り、ベッドで互いの体を温め合いたいものだ。
     まぁ、それも、日付が変わる前に叶うだろうと無惨は踏んでいた。黒死牟がそこまで来ているのだから、もう心配ない。では次の問題は縄の痕を残したくないということだけだ。
     相手を縛ることはしても、こうして縛られ、身体を拘束されることには慣れていない。下手な縛られ方をしているので痕が残ったらどうしてくれるのだ、と無惨の怒りの矛先はそちらに向かっている。
     裸にひん剥かれて縛られなかった分、マシかと思う部分もあった。幼少期に誘拐された時はまず服を脱がそうとしてくる連中との戦いであったので、大人になると明らかに金銭目的や政治犯の割合の方が増えるので変質者の相手をせずに済み助かっている。その分、明らかに命を取りに来ているので、文字通り命懸けの戦いとなるのだが。
     そんな切迫した状況だが、無惨が頭で思い浮かべているのは、縄を使った黒死牟との情事の思い出である。時々、黒死牟を裸にして目隠ししてから縛ってみると、いつもより興奮しているのが緩く開かれた口許から伝わってくる。
     口角を上げ、乱れた呼吸で媚びるように唇を舐める。
    「いやらしい犬め」
     なんて、それっぽい台詞を言いながら強めの音を鳴らして尻など叩いてやると大喜びするので、あぁ、こいつ、本当にドMなのか……としみじみ思う時がある。だが、そんなドMの黒死牟は敵に対しては容赦無い残忍さを発揮するので、絶対に嫌われないように努力しようと密かに思っていた。
     そう、様々な顔を持つ男だ。
     あのように暴力的で残酷な部分もあれば、普段は冷静沈着で淡々としている。所作に品があり、無駄のない動きに惚れ惚れするが、かと思えばベッドの上では淫靡で、どんな女よりもいやらしく媚びてくるのに、冷たい態度でこちらを翻弄する時もある。
    「私の月」
     正に月そのものだ。常に表情を変え、こちらを退屈させない。
     そう思うと、本当に心を縛られているのは自分の方かもしれない、と笑いそうになるが、監視役がうろうろしているので、無惨は俯いて怯えているふりをしていた。
     しかし、そんな無惨の元に監視役が近付いて来る。
    「何の御用で?」
     無惨がふざけて尋ねると、男は低い声で言った。
    「アオイヒガンバナハドコダ?」
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    syako_kmt

    TRAININGむざこく30本ノック③
    15日目
    陽光のもとに並んで立てるようになった二人が、それぞれ何を思って何を語らうのか
    「ほら見たか!これで恐れるものなぞ何もないわ!」とかつてないほど昂るのか、「案外大したことないわ、つまらんな」と吐き捨てるのか、「太陽の方がやはりお好きで?」「白昼にも月は出ておるわ馬鹿者」みたいな気楽な会話になるのか
    陽光のもとに並んで立てるようになった二人が、それぞれ何を思って何を語らうのか  それは初恋の憧れに似ていた。
     手の届かない遠い存在という意味か、遠い昔の燦爛とした断片的な記憶のせいか、その強い「憧れ」が根底にあるから黒死牟とは意気投合したのかもしれない。
     自分たちにとって太陽とは最も忌むべき存在であり、その反面、強く憧れ、恋い焦がれた存在であった。
     今でも朝日を見ると、今際の際を思い出し身構える。しかし、その光を浴びても肌が焼け落ちることはなく、朝が来た、と当たり前の出来事だと思い出すのだ。

    「今日も雲ひとつない晴天ですね」
     黒死牟が車のドアを開けると、その隙間から日の光が一気に差し込む。こんな時、黒死牟のサングラスが羨ましいと思うのだが、まさかサングラスをしたまま街頭に立ち、演説をするわけにはいかないので日焼け止めクリームを丹念に塗り込む程度の抵抗しか出来ない。
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    TRAININGむざこく30本ノック③
    17日目
    黒死牟が髪をバッサリ切った時の無惨様のリアクション
    黒死牟が髪をバッサリ切った時の無惨様のリアクション 何か理由があって髪を伸ばしているわけではない。
     長い髪って手入れが大変ですよね、と言われるが、実はそうでもない。短い髪の時は月に一度は散髪に行かないといけなかったが、長い髪は自分で毛先を揃えるくらいでも何とでもなる。女性と違って髪が傷むだの、枝毛がどうだのと気にしたことがないので、手入れもせず、濡れた髪を自然乾燥させることにも抵抗がない。それに短い髪と違って、括っておけば邪魔にならないので意外と便利だし、括っている方が夏場は涼しいのだ。
     つまり、ずぼらの集大成がこの髪型だった。
     特殊部隊に入った時、長髪であることにネチネチと嫌味を言われたこともある。諜報活動をする時に男性のロングヘアは目立ち易く、相手に特徴を覚えられやすいから不向きだと言われ、尤もだなと思ったが、上官の物言いが気に入らなかったので、小規模な隠密班を編成する際の長に選ばれた時、全員、自分と背格好が近く、長髪のメンバーだけで編成し、危なげもなくミッションを成功させたことがある。だが、自分の長髪にそこまでこだわりがあったわけではなく、単なる反発心だけである。
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    TRAININGむざこく30本ノック③
    13日目
    零余子、上司共へのストレス発散にBL同人誌にしてしまう
    零余子、上司共へのストレス発散にBL同人誌にしてしまう 今日もやっと1日が終わった。
     朝から晩まで、あの鬼上司2人に扱き使われたのだ。
    「おい、零余子!」
    「はい!」
    「零余子!」
    「はいー!!!!」
     多分、この数年で確実に親より名前を呼ばれている。これまで割と要領良く生きてきたので、こんなに怒鳴り散らされることはなかった。
     初めは鬼舞辻事務所に就職が決まり大喜びした。
     今をときめくイケメン政治家、鬼舞辻無惨の下で働けるなんて……その上、彼は独身。もしかして、もしかする、未来のファーストレディになれるようなルートが待っているかもしれない!? と馬鹿な期待をして入職したのだが、それは夢どころか大きな間違いだった。
     毎日怒鳴り散らされ、何を言っても否定され、無惨だけでも心がバキバキに折れそうなのに、これまたイケメンの秘書、黒死牟が更にエグイ。まず行動原理が「無惨様のため」なので、無惨の怒りを買った時点で、どんな言い訳をしても通用しない。こちらに非が無くても、無惨に怒鳴られ、黒死牟にネチネチと嫌味を言われ、最悪のコンボが待っている。
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