水も滴る無惨様を乾かしてフワフワにするシボ 一緒に風呂に入った後、濡れた髪を乱雑にまとめて寝ようとする黒死牟を捕まえて、無惨が銀色のシャレオツなドライヤーで地肌や髪を労わりながら、ツヤツヤになるように乾かすことが二人の一日の終わりなのだが、この日は無惨がかなりお疲れだったようで、「乾かしてくれ」と頼み、黒死牟はヘアケア用のタオルで自分の長い髪をターバンのように包み、椅子に座った無惨の髪を乾かすこととなった。
無惨の髪を乾かすなど畏れ多すぎて、ドライヤーを持つ手が震えてしまうが、そんな黒死牟が気にならないくらい、無惨は今にも眠ってしまいそうな状態である。
そんな無惨の負担にならないように手早く、そして髪を傷めないように仕上げなくてはいけない。無惨の髪はやや癖が強いのだが、艶とコシがあり、とても綺麗な黒髪だ。水気をしっかりタオルで吸い、てのひらで温めたヘアオイルを、毛先を中心に揉み込んでいく。爪の先で髪を傷付けないように丁寧に手櫛を通し、手を洗ってからドライヤーの風を遠くから当てる。
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