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    syako_kmt

    むざこく30本ノック用です。
    成人向けが多いと思うので、20歳未満の方はご遠慮下さい。

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    むざこく30本ノック④延長戦
    1日目
    桜にさらわれる

    #むざこく30本ノック
    random30Knocks
    #むざこく
    unscrupulousCountry

    桜にさらわれる 皆さん、こんにちは。
     同人作家「れいよし」こと零余子です。
     私の勤め先はブラックもブラック、漆黒のような職場で、パワハラ上司ふたりを妄想の餌食にした小説をネットで公開したら、それがまさかの空前の大ヒット。
     うっかり上司にバレてしまい、新刊を出す度にお説教を食らうという地獄が待っているのですが、楽しみにしてくれている読者の方がいらっしゃるので、これからも頑張って書きたいと思います。

     さて、今回、いただいたお題ですが、「桜にさらわれる」ですね。
     くぅー! 腐女子の好きなやつ!!
     因みに皆さんは、どちらが攫われる方だと思います?
     個人的にはやっぱり秘書かなって思ったんですよね。多分、そうお考えの方も多いかな……と思うんですよ。黙っていたら、ものすごく薄幸そうな薄命の美人に見えるじゃないですか。実際はゴリラなんですけど。まぁ、それはおいといて、ちょっとサムライみたいな高潔さや、凛とした佇まいが桜を思わせ、花吹雪と共に攫われちゃうような感じがしますよね。
     でも、無惨様も捨てがたくないですか?
     顔だけはどちゃくそに良いんですよ。少し物憂げな感じで薄紅の花の下に立っていると、それだけで絵画。美人画。美術館で見たレベルです。実際はただのゴリラなんですけど。
     それでもカレンダー撮影用に和服姿で桜の下に立っている姿は、あー、これ消えちゃうんじゃないか? って、ちょっと不安になりました。あんなパワハラ上司でも消えたら困ります。だって、明日から無職になるじゃないですか。

     まぁ、そんな風に色々妄想しているのですが、実際書いてみた方が早いかなって思って、こんなイメージでやっていきたいと思います。美形と桜の組み合わせって、淫靡な感じもあるけど、ちょっとホラーな感じもしますよね。
     まず、無惨様の方で妄想していきますね!


    「無惨様……そろそろ夜が明けます……」
    「解っている」
     お前の倍以上、鬼の生活をしているのだ。言われなくても解っている、と心の中で返事し、周囲が少しずつ明るくなるので、ここにいられる時間はもう長くない。
     しかし、無惨はどうしてもここに留まりたかった。
     いくら月が明るい夜であったとしても、桜の色がよく見えないのだ。だから、日の光を浴びると、あの白雪のような花弁がどのような色になるのか。どうしても我が目で見たかった。
    「私が人であった頃は、花見の主流は梅であった。桜を愛でるようになったのは、もっと後。いくら松明で照らそうと、ガス灯が明るくなろうと、日の光の下で見る色は再現できない」
     何故桜だけ、と黒死牟は疑問に思っていた。
     無惨は様々な花を好む。青い彼岸花を探すついでのように、高価な牡丹の鉢を購入したり、西洋の薔薇という花など、高価で大振りな花を好んで飾るが、その色を太陽の下で見たいなど言ったことがないのだ。
     桜という花には人を惑わすような妖気がある、と実しやかに囁かれている。まさか、無惨までもが、その花に魅入られたというのか。
     日が昇る瞬間、鮮やかな日の光に照らされ、月夜では白雪のような色をしていた花が淡い桃色の可憐な色を見せたのだ。更に明るさが増すにつれ、紅の色が少しずつ濃くなっていく。
     真っ赤な瞳を輝かせて、目を見開き、花へと手を伸ばそうとする無惨を自分の体で包み込み「鳴女!」と名を呼ぶと、琵琶の音と共に無惨と黒死牟は無限城へと舞い戻った。
     無限城に戻ると無惨は我に返り、黒死牟を見た。無惨を庇ったが為に、顔の一部と手の甲が焼け爛れている。
    「御無事で何より……」
    「私は一体……」
     無惨自身、何があったのか覚えていないようだった。夜桜を見に行こうと黒死牟を誘い、機嫌良く桜を見ていた後の記憶がないのだと言う。
    「……夢でも見ておられたのでしょう……」
     大事なこの人を桜に奪われずに済んで良かったと胸を撫で下ろす黒死牟を見て、無惨は己の指先を爪先で切り、滴り落ちる血を黒死牟の火傷の痕に塗った。傷は瞬く間に回復し、無惨の愛した美しい六つ目の顔へと戻った。


     と、こんな感じで、鬼の設定を使ってみました!
     次の秘書こと黒死牟様も鬼の設定で行きますね!!


     美しい桜の下には死体が埋まっている。
     無惨はさっき殺した女の臓物を食べながら、薄紅色の花弁を見ていた。
    「あの花が斯様に赤いのは、人の血を吸ったからだ。根は遺体に絡み付き、その血を吸うので花は赤くなるそうだ」
     楽しそうに語る無惨に水を差してはいけない。血と脂で汚れた無惨の指先が鼻先に近付けられると、黒死牟は無言でその指先を舐め、六つの目を閉じた。
    「お前もあのように赤く染まる日が来るのだろうか」
    「……ご冗談を……」
     無惨は人差し指と親指で黒死牟の舌を掴んだり、指先を口の中に入れ歯列を撫で、吸い付いてくる黒死牟の口から指を抜くと、つぷっと小さな水音と共に唾液が滴り落ちた。
     黒死牟の頬はあの桜のように薄紅色に染まっている。
    「ほら、桜のようになったぞ」
     と、その姿を見て、無惨は妖しい笑顔を浮かべるが、それ以上触れたりしない。
    「こうやって、あの桜は人を惑わし、人の生気を吸うのだろうな」
     風と共に花弁が舞い、黒死牟の長い髪を揺らす。
    「思い出せ、お前の足元の死体を。お前を呼ぶ声が聞こえるだろう? それらはお前を愛し、お前に惑わされて死んでいった者たちだ」
     無惨の言葉の意味がよく解らない。だが、桜の季節になり、こうして桜の下を無惨と共に歩いていると、自分を呼ぶ声が聞こえるのだ。「お労しい」と泣く声が。油断すると、その声の方に行きそうになるので、無惨から離れまいと、その後ろ姿を六つの目に焼き付けていた。


     はい!
     こんな感じで、鬼設定で書いてみました!
     まぁ、あの人のことだから、人の恨みとか買ってそうですもんね。
     ……あれ、こんな時間に誰か来たみたいです、アマ〇ンかな?
     じゃ、ちょっと見てきますね!
     それでは、零余子でした!
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    TRAININGむざこく30本ノック④延長戦
    7日目
    シンプル、カジュアル、ラフなペアコーデで、公開用のオフショットを撮影するむざこく
    シンプル、カジュアル、ラフなペアコーデで、公開用のオフショットを撮影するむざこく 無惨と黒死牟が仕事上だけでなく私生活でもパートナーであると公表してから、どれくらいマスコミに囲まれ、あることないこと書かれるかと心配していたが、取り立てて大きな生活の変化はなかった。
     職場は二人の関係を元から知っていたし、世間も最初は騒ぎ立てたものの「鬼舞辻事務所のイケメン秘書」として有名だった黒死牟が相手なので、目新しさは全くなく、何ならそのブームは何度も来ては去っている為、改めて何かを紹介する必要もなく、すぐに次の話題が出てくると二人のことは忘れ去られてしまった。

     そうなると納得いかないのが無惨である。
    「わざわざ公表してやったのに!」
     自分に割く時間が無名に近いアイドルの熱愛報道よりも少ないことに本気で立腹しているのだ。あんな小娘がこれまたションベン臭い小僧と付き合っていることより自分たちが関係を公表した方が世間的に気になるに決まっていると思い込んでいるのだが、職場内だけでなく国内外でも「あの二人は交際している」と一種の常識になっていた上に、公表を称えるような風潮も最早古いとなると、ただの政治家の結婚、それだけなのだ。
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    零余子、上司共へのストレス発散にBL同人誌にしてしまう
    零余子、上司共へのストレス発散にBL同人誌にしてしまう 今日もやっと1日が終わった。
     朝から晩まで、あの鬼上司2人に扱き使われたのだ。
    「おい、零余子!」
    「はい!」
    「零余子!」
    「はいー!!!!」
     多分、この数年で確実に親より名前を呼ばれている。これまで割と要領良く生きてきたので、こんなに怒鳴り散らされることはなかった。
     初めは鬼舞辻事務所に就職が決まり大喜びした。
     今をときめくイケメン政治家、鬼舞辻無惨の下で働けるなんて……その上、彼は独身。もしかして、もしかする、未来のファーストレディになれるようなルートが待っているかもしれない!? と馬鹿な期待をして入職したのだが、それは夢どころか大きな間違いだった。
     毎日怒鳴り散らされ、何を言っても否定され、無惨だけでも心がバキバキに折れそうなのに、これまたイケメンの秘書、黒死牟が更にエグイ。まず行動原理が「無惨様のため」なので、無惨の怒りを買った時点で、どんな言い訳をしても通用しない。こちらに非が無くても、無惨に怒鳴られ、黒死牟にネチネチと嫌味を言われ、最悪のコンボが待っている。
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    遊園地にお忍びで遊びに行ったら、事件に巻き込まれ、デートしているところをTVで報道されてしまい、進退極まるが、実は仕事関係で行っただけで、二人は付き合ってるとかじゃないんだけど、無惨様が腹括ってシボと付き合ってることをカミングアウトしてしまい、それが世間じゃ真実と捉えられ、すったもんだから、付き合うことになってしまう二人
    遊園地デート 国会での汚いヤジはある種の名物である。美学に反する為、自分は絶対にヤジを飛ばす側をしないし、どんなヤジを投げつけられても、弱い犬の遠吠えだと気に留めたことすらなかった。だが、今回ばかりは完全に無視できない。その上、言い返したい、寧ろ言った人間の胸倉を掴んで、数発殴って歯の一本でも折ってやりたいとさえ思った。
     その理由は、自分だけでなく、矛先が秘書の黒死牟にも向かっているからだ。
    「うちの秘書は関係ないでしょう」
    「関係ないことないだろう!」
    「庇うのはお前らがデキてるからだろう!」
     マイクでは拾えない程度の音量で、お前がケツを出したのか? 等、聞くに堪えない下品なヤジが国会内に飛び交っている。
     おい、女性議員よ。こんな時に「セクハラだ」って怒れよ……と無惨は呆れながら、ヤジにマジレスするのは大人気ないと必死に堪えている。
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