Recent Search
    Create an account to bookmark works.
    Sign Up, Sign In

    syako_kmt

    むざこく30本ノック用です。
    成人向けが多いと思うので、20歳未満の方はご遠慮下さい。

    ☆quiet follow Yell with Emoji ❤ 🌓 💋 🌹
    POIPOI 214

    syako_kmt

    ☆quiet follow

    むざこく30本ノック
    27日目

    #むざこく30本ノック
    random30Knocks
    #むざこく
    unscrupulousCountry

    夏場に、前世では絶対に見られなかった「ちょっと日に焼けたむざんさま」を目の当たりにして… 夏特有の集中豪雨で、南方の一部地域が被災し、当時、環境省の副大臣をしていた鬼舞辻は視察に行くことになった。
    「はぁ? こんな時に政治家が背広組を引き連れて行っても、邪魔なだけだろう」
    「恒例ですので……」
     毎度毎度あんなの迷惑なのに、と言っていたが、副大臣という立場上、仕方が無いと黒死牟に説得され出向くこととなった。

     が。

    「先生、流石にその格好は……」
    「お前も動きやすい格好で行け。あと、現地の役人に出迎えは無用だと言っておけ」
     確かに彼の言い分は正しい。同行させる人間も黒死牟ひとりで良いと、背広組は霞ヶ関に待機するよう命じている。そして、自分自身はジーンズにスニーカー、Tシャツ姿で、長い前髪を高い位置でマンバンにしている。
     黒死牟もワークパンツとTシャツを着せられ、エンジニアブーツを履いた。被災地を物見遊山するくらいなら、瓦礫のひとつでも運んだ方が有難がられるだろうと、スーツは着ずにラフな格好で被災地を訪れるので、好感度上昇に繋がっている。スタンドプレーだとまわりからは良い顔をされなかったが、本人は全く気にしていなかった。
     その上、童磨を呼びつけ、万世極楽教の信者を連れて、現地にボランティアに行くよう指示を出していた。
    「掛かった費用は全て私が出すから、取り敢えず救護班と炊き出し、あとは風呂やトイレの設置は出来るか?」
    「別にそれくらいの費用なら、うちの教団から出しますよ。先生に出して頂いても先生のお名前は出すことが出来ないし、寄付としても受け取れませんし」
    「不明金として適当に処理しろ」
     童磨と黒死牟はそう言われ、額が額だけに、その処理、逆に大変なんだけどなぁ……と二人で顔を見合わせた。
    「悪い政治家を演じてる割に、根はいい人なんだよね、先生って」
     童磨は苦笑いすると、黒死牟は少し嬉しそうな笑みを浮かべて目を細める。
    「生まれ乍らに人の上に立つお方だからな。ああ見えて、国民のことを第一にお考えなのだろう」
     避難所が握手会の会場になるイケメン議員なので、ある意味、お見舞い向きなのかもしれないと二人は笑った。
     市長や役所の人間への挨拶を済ませたら、避難所を回り握手会や撮影会をして、炊き出しに参加したり、瓦礫の撤去を手伝ったり、言われないと議員とその秘書だと気付かれないくらい、二人はその場に馴染んで働いており、夕暮れ頃にやっと一息ついたくらいだった。
    「はぁ……」
     喫煙場で座り込み、鬼舞辻は煙草を咥えた。やっと本日一本目の煙草である。黒死牟も煙草を咥え、火を付けようとした時、ふと鬼舞辻の腕を見て気付く。
    「先生……ちょっと日に焼けました?」
    「は?」
     咥え煙草のまま腕を見て、Tシャツの袖を捲し上げると、くっきりと境目が出来ている。
    「あー! 顔はこまめに塗り直していたのだが……しまった……」
     首筋も焼けないようにタオルを巻いていたが、腕が焼けることも忘れるくらい被災地で働いていたようだ。本人は「シミになったらどうしよう……」と頭を抱えているが、そんな彼の人柄が愛しくて堪らなかった。
     自宅に戻り、シャワーを浴びた鬼舞辻は、顔中ひたひたに化粧水を浸したコットンでパックし、クールダウンのジェルを全身に塗りまくっている。
     本人はシミになる、肌が老いると落ち込みながらベッドで横になっているが、日に焼けた鬼舞辻の腕も男らしくて良いと思いながら、黒死牟はそっとその腕にくちづけた。
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    🌴💖💖💞💗💗💘💘💘💘💘💘😍😍😍😍💘💘☺👏👏👏👏👏💯💕💕💕☺☺🙏🙏💴💴💯💯❤❤
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    related works

    syako_kmt

    TRAININGむざこく30本ノック③
    13日目
    零余子、上司共へのストレス発散にBL同人誌にしてしまう
    零余子、上司共へのストレス発散にBL同人誌にしてしまう 今日もやっと1日が終わった。
     朝から晩まで、あの鬼上司2人に扱き使われたのだ。
    「おい、零余子!」
    「はい!」
    「零余子!」
    「はいー!!!!」
     多分、この数年で確実に親より名前を呼ばれている。これまで割と要領良く生きてきたので、こんなに怒鳴り散らされることはなかった。
     初めは鬼舞辻事務所に就職が決まり大喜びした。
     今をときめくイケメン政治家、鬼舞辻無惨の下で働けるなんて……その上、彼は独身。もしかして、もしかする、未来のファーストレディになれるようなルートが待っているかもしれない!? と馬鹿な期待をして入職したのだが、それは夢どころか大きな間違いだった。
     毎日怒鳴り散らされ、何を言っても否定され、無惨だけでも心がバキバキに折れそうなのに、これまたイケメンの秘書、黒死牟が更にエグイ。まず行動原理が「無惨様のため」なので、無惨の怒りを買った時点で、どんな言い訳をしても通用しない。こちらに非が無くても、無惨に怒鳴られ、黒死牟にネチネチと嫌味を言われ、最悪のコンボが待っている。
    3210

    recommended works