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    syako_kmt

    むざこく30本ノック用です。
    成人向けが多いと思うので、20歳未満の方はご遠慮下さい。

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    むざこく30本ノック⑤
    16日目
    雪に降り籠められる二人(4月だと季節外れになってしまいますが。。)

    #むざこく
    unscrupulousCountry
    #むざこく30本ノック
    random30Knocks

    雪に降り籠められる二人(4月だと季節外れになってしまいますが。。) その日は4月だというのに、よく冷える日だった。
     厚手のコートはクリーニングに出してしまったので、薄いコートだけを羽織っていた無惨はポケットに手を入れて、寒そうに肩を竦めている。
    「今日は何度だ」
    「一応10度くらいはあるようですが、体感気温はもっと低く感じますね」
     黒死牟は普段と変わらない様子である。元々体温が高いので、これくらい寒い方が過ごしやすいと言っていて、寒がりの無惨を余計に震え上がらせた。
    「予定がないなら帰りたい」
    「そうですね、無惨様が風邪を引いても困りますし」
     そう言って二人は自宅へと戻った。無惨はそのまま風呂へと直行し体を温めている間に黒死牟が晩酌の用意をする。ルーティン化した生活であり、出てきた無惨がソファに腰掛けると、今夜はウィスキー、レーズンバターとナッツ類、即席のポテトサラダを並べた。
     無惨が気分良く晩酌を始めたが、黒死牟がふと外を見ると季節外れの雪が降り始めた。
    「桜も散ったというのに雪が降るとは……」
     窓ガラスの向こうの黒い空には白い雪が舞っている。ありえないことではないが滅多に起こることではない。不思議な気持ちで外を眺めていると、無惨が小さく笑う。
    「人生はいつも思い通りではない、4月に雪が降ることだってあるさ」
     無惨は手の中のグラスの氷をカラカラと鳴らしながらウィスキーを飲んでいる。
    「思い通りにならない……」
    「But sometimes, sometimes life ain't always the way」
     引用したフレーズを歌い、無惨はソファをポンポンと叩いた。
    「今夜は雪だから帰れないだろう? 泊まっていくと良い」
    「そこまでの大雪では……」
     そう答えたものの、黒死牟は自分がいかに無粋な発言をしているか気付き、思わず真っ赤になった。
    「もっとストレートに誘った方が良かったか?」
    「いえ……泊まっていきます」
     ソファに腰掛けると、無惨はグラスをテーブルに置いて黒死牟の頬に触れた。今まで手の中でグラスを揺らしていたので、いつも以上に冷たい指先に驚いて、びくっと体を震わせた。
    「お前でも寒さで震えることがあるのだな」
     冷たかったはずの無惨の指に、黒死牟の頬の熱が伝って徐々に温かくなっていく。
    「こんな寒い夜は抱き合って過ごすのが良いと思うが、お前はどう思う?」
     長い睫毛に縁取られた切れ長の瞳が黒死牟を妖しく誘う。
    「私も同じ気持ちです……」
     そっと無惨の唇が黒死牟の唇を塞ぐ。そうだ、今夜は寒いから、無惨は寒がりだから、口移しに無惨にウィスキーを飲まされて、もう運転もできないし……様々な言い訳を考えている間に、黒死牟の服は一枚一枚丁寧に脱がされていく。
     裸で抱き合う頃には言い訳のネタも尽きてしまい、結局は予定外のことが起こるのが人生というものだと思いながら、熱を帯びた無惨の体にしがみ付いた。
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    💖💖❄❄❄☃💖💖☺☺
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    syako_kmt

    TRAININGむざこく30本ノック③
    13日目
    零余子、上司共へのストレス発散にBL同人誌にしてしまう
    零余子、上司共へのストレス発散にBL同人誌にしてしまう 今日もやっと1日が終わった。
     朝から晩まで、あの鬼上司2人に扱き使われたのだ。
    「おい、零余子!」
    「はい!」
    「零余子!」
    「はいー!!!!」
     多分、この数年で確実に親より名前を呼ばれている。これまで割と要領良く生きてきたので、こんなに怒鳴り散らされることはなかった。
     初めは鬼舞辻事務所に就職が決まり大喜びした。
     今をときめくイケメン政治家、鬼舞辻無惨の下で働けるなんて……その上、彼は独身。もしかして、もしかする、未来のファーストレディになれるようなルートが待っているかもしれない!? と馬鹿な期待をして入職したのだが、それは夢どころか大きな間違いだった。
     毎日怒鳴り散らされ、何を言っても否定され、無惨だけでも心がバキバキに折れそうなのに、これまたイケメンの秘書、黒死牟が更にエグイ。まず行動原理が「無惨様のため」なので、無惨の怒りを買った時点で、どんな言い訳をしても通用しない。こちらに非が無くても、無惨に怒鳴られ、黒死牟にネチネチと嫌味を言われ、最悪のコンボが待っている。
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