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    syako_kmt

    むざこく30本ノック用です。
    成人向けが多いと思うので、20歳未満の方はご遠慮下さい。

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    むざこく30本ノック
    29日目

    #むざこく30本ノック
    random30Knocks
    #むざこく
    unscrupulousCountry

    長期休暇 きっかけは鳴女たち女性スタッフからのストライキだった。
    「休みをください!!!!」
     悲痛な叫びだ。仕事で趣味、休養、勉強、彼氏と遊ぶ時間、様々なものを犠牲にしているという訴えだった。
    「勝手に休めば良いだろう」
    「貴方がたが休まないと、他の者が休めませんから!」
     ブチ切れた鳴女に言われ、鬼舞辻と黒死牟は国会閉会中の暇そうな1週間に、まとめて休暇を取ることにした。以降、他のスタッフも交代で長期休暇を取るそうだ。
     いつも「休みが欲しい」と騒ぐ鬼舞辻だったので、さぞかし喜ぶかと思いきや、初日は泥のように眠ると、それからは何をしたら良いのか解らず、テラスでぼんやりと読みかけだった小説を読んでいた。
     黒死牟も同じように鬼舞辻と初日は寝ていたが、翌日はこっそり持ち帰った仕事をして過ごすなど、二人揃って何をすれば良いのか解らない状態だった。
    「近場にでも旅行に行きますか?」
     黒死牟が提案するが、鬼舞辻は断り、何もしないまま2日目も終わってしまった。
    「多分、最終日になると、あれをすれば良かったと後悔するのだろうな」
     ワインを飲みながら鬼舞辻はぼやく。
    「忙しい時はあれこれやりたいことが浮かぶのですが、こんなに時間があると、さっぱり思い浮かびませんね」
    「こういう時の遊ぶのが下手な者同士というのは、お互いに使いものにならないな」
     二人で大きな溜息を吐き、2日目にして休みを憂鬱だと思うようになってしまった。
     片付けを済ませ、並んでベッドで寝るが、不思議なもので、時間がたっぷりあり、翌日のことを気にせず過ごせる夜に限って、互いにそういう気分にならないのだ。普段から、どれだけ忙しかろうと当然のように時間を割いて愛し合っているので、休みだから、と改まって意気込む必要もない。
     鬼舞辻の腕枕でぼんやりと考え事をしていると、鬼舞辻が大きな溜息を吐いた。
    「明日はジムにでも行きますか」
    「あんなものは忙しい合間に2時間くらい行くから楽しいのであって、休みの日に一日過ごしたい場所ではない」
     本当に我儘だなぁ……と呆れつつ、普段のキチキチに詰めたスケジュールを考えると、案外あれに助けられているのだな、と二人は改めて思った。
    「引退するまでに何か趣味を作らないとなぁ……」
    「そうですね、たった一週間でこれでしたら、こんな日々が死ぬまで続くとなると、先生は退屈で早くボケますね」
    「お前……」
     言いたい放題の黒死牟の脇腹を突いて、鬼舞辻は頬を膨らませる。
    「お前も何か趣味を見つけておけよ。二人して縁側でぼーっとする生活など嫌だろう?」
    「え?」
     黒死牟はきょとんと目を丸くした。引退した後の生活について話し合ったことがなかった。今は公私とものパートナーとして一緒に暮らしているが、鬼舞辻が議員でなくなった時は自分も秘書ではなくなる。そうなった時の自分の居場所を考えたことがなかった。
    「私、先生が引退した後も一緒にいても良いのですか?」
    「は? 今更何を言っている。嫌なのか?」
    「いえ……」
     心臓がバクバクと脈打って、頭が真っ白になった。
     何度も好きだ、自分の側にいろと愛の言葉を囁いてくれているが、「今」は実感できても、「未来」を考えたことはなかった。
     薄暗い寝室の中で、薬指に嵌めた銀色の指輪は、滲んだ視界でも一際輝いて見えた。
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    syako_kmt

    TRAININGむざこく30本ノック④
    26日目
    もう何度もキスしている仲なのに、「そっちからキスしてよ」と言われて固まる黒死牟
    もう何度もキスしている仲なのに、「そっちからキスしてよ」と言われて固まる黒死牟 明日は早いから今夜は駄目です。黒死牟がそう言っているにも関わらず、無惨は黒死牟のパジャマを脱がせようと、しつこく絡んでくる。
    「駄目ですって」
    「一回だけだから」
     そんな可愛い表情で迫られたら「仕方ないですね、一回だけですよ」と言いたくなる黒死牟だが、一回で済まないことは解っているし、一回で終わらせたくないし、でも明日は本当に朝から忙しくて……と頭の中でぐるぐると考えを巡らせていると、手の力が抜け、ついつい無惨のリードを許してしまう。
     手首を掴まれ抵抗出来ない状態にされ唇を奪われた。足の間に割り入るように膝を捩じ込まれ、窒息しそうなくらい長いキスに頭がぼんやりしてきた。
     唇が離れた瞬間、息継ぎをするように乱れた呼吸を整える。膝でぐりぐりと股間を刺激されているせいで、切ない声が黒死牟から漏れると、無惨は嬉しそうに笑って再び唇を奪う。今度は僅かに開いた口に舌を押し入れ、尖らせた舌先でくすぐるように黒死牟の舌を刺激してくる。混ざり合う唾液が黒死牟の口の端から垂れ、正になし崩しになりそうだったが、珍しく黒死牟が拒絶の意思を示した。
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    TRAININGむざこく30本ノック③
    17日目
    黒死牟が髪をバッサリ切った時の無惨様のリアクション
    黒死牟が髪をバッサリ切った時の無惨様のリアクション 何か理由があって髪を伸ばしているわけではない。
     長い髪って手入れが大変ですよね、と言われるが、実はそうでもない。短い髪の時は月に一度は散髪に行かないといけなかったが、長い髪は自分で毛先を揃えるくらいでも何とでもなる。女性と違って髪が傷むだの、枝毛がどうだのと気にしたことがないので、手入れもせず、濡れた髪を自然乾燥させることにも抵抗がない。それに短い髪と違って、括っておけば邪魔にならないので意外と便利だし、括っている方が夏場は涼しいのだ。
     つまり、ずぼらの集大成がこの髪型だった。
     特殊部隊に入った時、長髪であることにネチネチと嫌味を言われたこともある。諜報活動をする時に男性のロングヘアは目立ち易く、相手に特徴を覚えられやすいから不向きだと言われ、尤もだなと思ったが、上官の物言いが気に入らなかったので、小規模な隠密班を編成する際の長に選ばれた時、全員、自分と背格好が近く、長髪のメンバーだけで編成し、危なげもなくミッションを成功させたことがある。だが、自分の長髪にそこまでこだわりがあったわけではなく、単なる反発心だけである。
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    TRAININGむざこく30本ノック③
    15日目
    陽光のもとに並んで立てるようになった二人が、それぞれ何を思って何を語らうのか
    「ほら見たか!これで恐れるものなぞ何もないわ!」とかつてないほど昂るのか、「案外大したことないわ、つまらんな」と吐き捨てるのか、「太陽の方がやはりお好きで?」「白昼にも月は出ておるわ馬鹿者」みたいな気楽な会話になるのか
    陽光のもとに並んで立てるようになった二人が、それぞれ何を思って何を語らうのか  それは初恋の憧れに似ていた。
     手の届かない遠い存在という意味か、遠い昔の燦爛とした断片的な記憶のせいか、その強い「憧れ」が根底にあるから黒死牟とは意気投合したのかもしれない。
     自分たちにとって太陽とは最も忌むべき存在であり、その反面、強く憧れ、恋い焦がれた存在であった。
     今でも朝日を見ると、今際の際を思い出し身構える。しかし、その光を浴びても肌が焼け落ちることはなく、朝が来た、と当たり前の出来事だと思い出すのだ。

    「今日も雲ひとつない晴天ですね」
     黒死牟が車のドアを開けると、その隙間から日の光が一気に差し込む。こんな時、黒死牟のサングラスが羨ましいと思うのだが、まさかサングラスをしたまま街頭に立ち、演説をするわけにはいかないので日焼け止めクリームを丹念に塗り込む程度の抵抗しか出来ない。
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    TRAININGむざこく30本ノック③
    13日目
    零余子、上司共へのストレス発散にBL同人誌にしてしまう
    零余子、上司共へのストレス発散にBL同人誌にしてしまう 今日もやっと1日が終わった。
     朝から晩まで、あの鬼上司2人に扱き使われたのだ。
    「おい、零余子!」
    「はい!」
    「零余子!」
    「はいー!!!!」
     多分、この数年で確実に親より名前を呼ばれている。これまで割と要領良く生きてきたので、こんなに怒鳴り散らされることはなかった。
     初めは鬼舞辻事務所に就職が決まり大喜びした。
     今をときめくイケメン政治家、鬼舞辻無惨の下で働けるなんて……その上、彼は独身。もしかして、もしかする、未来のファーストレディになれるようなルートが待っているかもしれない!? と馬鹿な期待をして入職したのだが、それは夢どころか大きな間違いだった。
     毎日怒鳴り散らされ、何を言っても否定され、無惨だけでも心がバキバキに折れそうなのに、これまたイケメンの秘書、黒死牟が更にエグイ。まず行動原理が「無惨様のため」なので、無惨の怒りを買った時点で、どんな言い訳をしても通用しない。こちらに非が無くても、無惨に怒鳴られ、黒死牟にネチネチと嫌味を言われ、最悪のコンボが待っている。
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