姫花「昔の成星ってどんなだったの?」
梓白「俺といた頃はいつも引きこもってた」
成星「語弊のある言い方をやめろ。図書館にこもっていただけだ」
陽「図書館で引きこもりね…」
姫花「結局引きこもってんじゃん。毎日?」
梓白「そ。学校終わったら図書館直行」
陽「シロはどうしてたの?猫だから入れないでしょ?」
成星「いつも俺が窓際の席に座ってシロはその外にいた」
姫花「学校で女の子にモテなかったの?放課後誘われたり」
梓白「いや〜、告白されてる成星見たことあるんだけどさぁ、この人、自分が相手のこと知らないと“俺はあんたのこと知らない。あんたは俺の顔以外に俺である必要はあるのか?”って」
陽姫花「うわぁ…」
成星「なぜ俺は哀れんだ目で見られているんだ?」
姫花「…成星ってマジで顔以外のモテる要素捨ててきたよね」
成星「どういうことだ…?」
陽「え、えーと…休みの日はどうしてたの?」
梓白「もちろん魔法の勉強。寮の自分の部屋だったり、公園で実際に魔法を使ってみたり、そしてやっぱり図書館にいたり」
陽「シロはそのときもいたんだ?」
梓白「ああ、いたよ。彼の成長は俺がいつも見守ってました」
姫花「もしかして今の梓白が魔法強い理由ってそれ?」
梓白「さぁ。どうだろうね。多少は関係ある気がするけど」
成星「ならなぜあんたは回復魔法使えないんだ?」
梓白「さあねぇ。俺が戦闘魔法しか使えない理由は知らない」
姫花「樹も回復魔法得意だもんね」
梓白「まあ、俺が強い上に?回復魔法まで使えちゃったら?完璧すぎてつまんないじゃん?」
成星「自己顕示欲の塊だな」
梓白「いやぁ、君のバディには負けるよ」
成星「たしかにあいつも似たようなものだな」
陽「…成星くんそこは一旦否定してあげて?」
成星「ところであんたは昔どうだったんだ?」
陽「え、僕…?」
成星「昔のあんたのこと、ほとんど知らないからな」
姫花「学生時代の陽様!!!!」
陽「い、いや…そんな…あはは…どんなのだったか覚えてないなぁ…もう随分前の話だし」
成星「あんた、27だろ。俺たちとさほど変わらない」
陽「う…」
姫花「ねぇ、梓白はなんか知らないの?」
梓白「ふふ、聞きたい?陽様、学生時代はヤン…」
陽「梓白?」
梓白「…ふふ、けっこうヤンチャしてたみたーい」
成星「ヤンチャ…?」
姫花「や、ヤンチャってどっち方面で…!?女!?非行!?」
陽「お、女って…」
梓白「さぁ、その辺どうなんですか?陽様?学生時代からさぞおモテになられていたでしょうけど」
陽「はは…まさか…僕、そんなモテたことないし」
梓白姫花成星「嘘つけ」
陽「え…なんでそんな…」
成星「あんたは年中無休でモテ期と聞いたが」
陽「何それ。というかそんな明らかなウソ信じないでよ成星くん」
姫花「いや、陽様だったら普通に有り得る」
梓白「有り得るというか事実だと思うけど」
陽「はぁ…まったく…君たちは僕をなんだと思ってるのか…」
梓白成星姫花「王子」
陽「違います」
姫花「あ、今の笑顔めっちゃ王子だった。超好き。ごちそうさまです」
陽「ふふ、ありがとう。これからも好きでいてくれる?」
姫花「ウッッッッ…しゅき…」
梓白「あ、1人やられた」
成星「残るは俺たちか。どうしたら吐かせることができる?」
梓白「いやはや…過去の話となるとなかなか手強いね…。…まあ俺は知ってるんだけど」
陽「…なんのゲーム?」