紫音「花依斗くん花依斗くん!!!」
花依斗「…なんだよ」
紫音「僕ね!さっき君のこと待ってたらナンパされた!!!」
花依斗「そうか。それはよかったな」
紫音「しかもさぁ、ふふ。これのおもしろいところが男にね?“お姉さんこれから俺たちと遊ばない?”って言われてさぁ」
花依斗「…は?ちょっと待て。ナンパされたのはお前…だよな?」
紫音「そうだよ?」
花依斗「お姉さんって…お前が?」
紫音「ふふ、おもしろいでしょ?僕、女の人と思われたみたーい」
花依斗「お前を女と間違えるとはとんだ気の狂ったやつだ」
紫音「ふふ、ほんと。僕、女だなんて思われること滅多にないんだけどなぁ」
花依斗「それで」
紫音「ん?もちろん断ったよ?僕が男ってことも言ったし」
花依斗「当たり前だろ。それでついて行ったらお前もとんだ気の狂ったやつだ。…あとは何もなかったか?」
紫音「うん。あっちでの買い物もちゃんと済ませてきたし。それで君を待ってたからね」
花依斗「…そうか」
紫音「あ!もしかして花依斗くん、僕のこと心配してくれてる!?」
花依斗「してねえよ。お前が頭のおかしなことしていないか確認しただけだ」
紫音「ふふ、そっかぁ、ふふふ…」
花依斗「…なんだその目は」
紫音「別に?なんでもなーい。花依斗くんがあと少し早く来てくれたら君も僕がナンパされるおもしろい瞬間見れたのになぁ…」
花依斗「別にそんなの見たくねえよ」
紫音「それか花依斗くんがかっこよく間に入ってくれてもよかったんだけど」
花依斗「あ?俺の手を煩わせるな。お前のお得意の大鎌で首でも跳ねてやれよ」
紫音「別にやってもよかったけどさぁ。こんな街中で2,3人の首が跳んだら辺り一面血まみれになっちゃうでしょ。あとちょっとしつこかったら殺ってたかもしれないけど」
花依斗「はぁ…まぁ俺が少し遅かったのも悪かったな。さっさと帰るぞ」
紫音「はーい。ねぇねぇ、どこから帰る?」
花依斗「…?来た道を戻ればいいだろ」
紫音「そうじゃなくてこの人混み。主に君が原因でできてるけどどこから切り抜ける?」
花依斗「…はぁ…そういうことか」
紫音「ま、そりゃこんな美形のお兄さんがずっと居たらみんな注目するよね。…こんなに人混みになると思わなかったけど」
花依斗「おい、潜伏魔法は使えるか?」
紫音「もちろん。それか君の跳躍でもいいんじゃない?」
花依斗「ここで跳んだら目立つ。跳ぶならお前ので姿を消してからだ」
紫音「なるほど。いいよ。じゃ、行こうよ」
花依斗「跳んでる間はちゃんと掴まってろ」
紫音「ふふ、じゃあおんぶして♡」
花依斗「しねえよ」
紫音「えー、成星のことはお姫様抱っこして跳ぶのに!」
花依斗「あいつは貧弱だから軽い」
紫音「何それ。僕が重いみたいじゃん、失礼だなぁ」
花依斗「お前は物理的な重さ以外にも色々と重いからな。無駄口叩いてないで掴まれ。そして潜伏魔法を使え」
紫音「はいはい、じゃ、仲良く我が家にレッツゴー」